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【Microsoft編】富士通がHDMI端子付きリビングPCを展示
~SideShow対応製品や、Windows Home Serverも展示

会期:1月8日~11日(現地時間)

会場:Las Vegas Convention Centerなど



Microsoftのブースに展示されていたFMV TEO

 Windows Vistaのリリースが1月30日に迫っていることもあり、会場ではWindows Vista関連の製品を各所で見かける。

 もちろん、本家本元であるMicrosoftのブースには、Vista関連製品が多数展示されている。とくに、日本のユーザーにとって要注目の製品は、ブースにひっそりと置かれていた富士通のリビングルーム向けPCだ。日本では未発表のその製品は“Teo”(テオ)という愛称がつけられており、HDMI端子を備えてHDTVに接続してPCとして利用することができる。

 また、そのほか、Windows Vistaでサポートされるサブディスプレイの使用であるSideShow向けのデバイスにもPDA風のものや、Media Center用のリモコン風など多数のデバイスが登場し、ユーザーの注目を集めていた。

●HDMI端子を搭載たリビングルームPC“Teo”

 Teoは、Microsoftブースのあまり目立たないところに置かれていた。前面のパネルに“お知らせ”という日本語の表示もあり、明らかに日本市場向けと思われるPCだ。

 おそらくWindows Vistaのリリースと同時に発売される07年の春モデル、ないしはそれ以降に発売される新モデルと推定される。実際、Microsoftの社員と思われる説明員は「これは日本で販売されているPCだ」と説明しており、まもなく投入される春モデルのラインナップの1つと推測できる。

 白と黒のツートンカラーのデザインや、AVラックに収まりそうな奥行きからも、リビングルーム向けのPCと推定される。背面にはディスプレイ出力として、DVI-Iのほかに、HDMI端子が用意されており、どちらを利用してもディスプレイに接続することができる。説明員によれば、この製品にはディスプレイは付属しないとのことだった。

 背面パネルには、デジタルBS/CS、地上デジタルと書かれたTVチューナ端子、モデム端子、Ethernet、USB×4、オーディオ入出力、S/PDIFなども用意されている。また前面にもヘッドフォン、マイク端子、USB×2、IEEE 1394(4ピン)、メモリカードスロット(SDカード/メモリースティック兼用と思われる)、B-CASカードスロットと思われるカードリーダなどが用意されている。

 残念ながら電源が入っていなかったのでスペックは確認できなかったのだが、説明員によればCPUはCore 2 Duo、メインメモリは1GBないしは512MB、HDDは400GBないしは160GB、IEEE 802.11a/b/gに対応した無線LAN、OSは上位モデルがWindows Vista Home Premium、下位モデルがWindows Vista Home Basicになるという。価格などは未定で、日本での発表時期などはわからないということだ。常識的に考えれば、Windows Vista発売に合わせてリリースされる可能性が高い。

 もし1月末にリリースされるのであれば、ソニーの「VGX-TP1」とともに注目される製品となるだろう。HDMIに対応したPCが複数登場することで、日本のリビングPC市場も本格的に立ち上がっていくことになりそうだ。

TEO50U/Dと書かれた型番 前面に用意されているI/Oパネル。普段は蓋により隠されている。左からオーディオ入出力、USB×2、IEEE 1394(4ピン)、メモリカードスロット、B-CASカードスロットと思われるカードスロット
天板の上部には内部コンポーネント冷却のための穴が開いている 背面のI/Oパネル。上部左から地上デジタル端子、BS/CSデジタル端子。下部左からHDMI端子、DVI-I端子、スピーカー端子、モデム、Ethernet、IEEE 1394(4ピン)、オーディオ入出力、S/PDIF

●Bluetooth接続デバイスなど、SideShow対応製品が多数展示

 Microsoftブースで同じように注目を集めていたのが、Windows SideShowに対応した機器を展示したエリアだ。

 Windows SideShowは、PCに2つめの小型LEDを実装し、そこにSideShow Gadgetと呼ばれるソフトウェアをロードする仕組みのことだ。たとえば、メールのSideShow Gadgetを利用すると、PCが起動していない状態でもメールの着信状態がチェックできる。また、SideShow Gadgetの仕様は公開されているので、フリーソフトウェアとして、SideShow Gadgetを作成して配布ということも可能だ。

 今回Microsoftブースに展示されていたのは、MSI製の無線SideShowデバイスで、PCとの接続はBluetoothを利用して行われている。PCからはSideShow Gadgetをロードして利用できるほか、PowerPointのスライド操作もできる。

 このほか、携帯電話の形をしたSideShowデバイスも展示されており、PCとの接続はBluetoothで行なわれる。また、Media CenterのリモコンにSideShowの液晶ディスプレイを搭載した製品の展示も行なわれている。

 また、各社から展示されたMedia Center用のリモコンにはSideShow用の小型のLCDが用意されており、それらを利用してMedia CenterのTV録画を行なったり、再生中のコンテンツの情報を見るという使い方が可能になる。

 これまでSideShowと言えばノートPC用のセカンダリディスプレイ向けの仕様だと思われていたが、実際にはデスクトップPCでも使えるようなソリューションが出てきたことで、自作PCユーザーでもSideShowを活用する使い方も出てきそうだ。

Windows SideShowが動作するMedia Center用のリモコン。SideShowの機能はBluetoothで接続され、Media Centerのリモコン機能は赤外線で実現されている。ただし、今のところどれもモックアップのようで、実際に動いているデモはなかった CWTの「CWT8000」。SideShowの機能を利用して、リモコン側の2.2型の液晶にTVの番組表や再生しているコンテンツなどを表示することができる。Media Centerのコントロールは赤外線で、SideShowはBluetoothで接続されている INTERLINKのSideShow Remote Control。SideShow機能だけでなく、Media Centerの制御もBluetoothで行なわれる。第2四半期にリリースされる予定
ricaVISIONのリファレンスデザイン。Microsoftのリファレンスデザインで、やはりBluetoothでSideShowを、赤外線でMedia Centerを制御する PhilipsのSRM7500 Remote Control。SideShowの機能を持っているほか、学習リモコンの機能も備えており、PC以外の機器の制御も可能になる。第1四半期中にリリースされる予定であるという TopSeedのRemote Control。第2四半期にリリース予定で、Bluetoothを利用してMedia Centerの制御やSideShowの機能を利用できる
MSIの製品名未定のコンパニオンデバイス。クレジットカードサイズで、SideShowの機能を利用して、スケジュールの確認やRSSの閲覧、天気の確認、さらには音楽や写真の再生も楽しめる。さらには、PowerPointやWindows Media Playerのリモコンとしても利用可能で、VoIPの電話としても利用できるという。第2四半期にリリース予定 米Logitech(日本ではロジクール)のSideShowのテキスト機能内蔵のスピーカー(Z-10)。SideShowにはグラフィックス可能なものとテキスト表示のみの2つのレベルがあり、このZ-10ではテキスト表示のみが可能。第2四半期にリリースされる予定
説明員が手に持っているのは、SideShowに対応したPocket PCベースのスマートフォン(i-mate製)。SideShowの機能はBluetoothで実現されている。現在はSideShowの機能を利用して、Power Pointのプレゼンテーションを制御している i-mateの「Momento」は、SideShowに対応したデジタル写真立て。無線LANに対応しており、DLNAやWindows Media Connectの機能を利用して写真の表示が可能。SideShowの機能も利用可能で、メールの確認なども写真立てで可能になる
ASUSの「W5e」は世界初のSideShow内蔵ノートPC、SideShow Gadgetをロードしてさまざまな用途に利用できる LG電子の「Z1」は、SideShowが利用可能なノートPC。2月頃にリリースされる予定

●Windows Vistaのデモに来場者の注目が集まる

 そのほかにも、Microsoftブースでは 先日行なわれたビル・ゲイツ会長兼CSAの基調講演でも発表したWindows Home Server(関連記事参照)やMicrosoft IPTV、Zuneなどの展示が行なわれたほか、会場では多数のXbox 360が展示されており、熱心に操作する来場者の姿が見られた。

リリースが近いこともあり、Vistaのデモには多くの来場者が群がっていた ゲイツ氏の講演で発表されたWindows Home Serverのデモも行なわれた
ゲイツ氏の講演でも行なわれたMicrosoft IPTVのデモにも来場者の注目が集まっていた
すでに米国で販売済みなためか、zuneにはそれほど人は集まっていなかった。iPod対抗を打ち出すのなら、ケーブルの処理に、もう少し気をつかってほしいものだ

□2007 International CESのホームページ(英文)
http://www.cesweb.org/
□Microsoftのホームページ(英文)
http://www.microsoft.com/
□関連記事
【1月9日】【CES】タッチスクリーン搭載のVista PCとWindows Home Server搭載ネットワークストレージ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0109/ces6.htm
【1月9日】【CES】ビル・ゲイツ氏基調講演レポート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0109/ces4.htm

(2007年1月10日)

[Reported by 笠原一輝]

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