【Microsoft編】富士通がHDMI端子付きリビングPCを展示
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Microsoftのブースに展示されていたFMV TEO |
Windows Vistaのリリースが1月30日に迫っていることもあり、会場ではWindows Vista関連の製品を各所で見かける。
もちろん、本家本元であるMicrosoftのブースには、Vista関連製品が多数展示されている。とくに、日本のユーザーにとって要注目の製品は、ブースにひっそりと置かれていた富士通のリビングルーム向けPCだ。日本では未発表のその製品は“Teo”(テオ)という愛称がつけられており、HDMI端子を備えてHDTVに接続してPCとして利用することができる。
また、そのほか、Windows Vistaでサポートされるサブディスプレイの使用であるSideShow向けのデバイスにもPDA風のものや、Media Center用のリモコン風など多数のデバイスが登場し、ユーザーの注目を集めていた。
●HDMI端子を搭載たリビングルームPC“Teo”
Teoは、Microsoftブースのあまり目立たないところに置かれていた。前面のパネルに“お知らせ”という日本語の表示もあり、明らかに日本市場向けと思われるPCだ。
おそらくWindows Vistaのリリースと同時に発売される07年の春モデル、ないしはそれ以降に発売される新モデルと推定される。実際、Microsoftの社員と思われる説明員は「これは日本で販売されているPCだ」と説明しており、まもなく投入される春モデルのラインナップの1つと推測できる。
白と黒のツートンカラーのデザインや、AVラックに収まりそうな奥行きからも、リビングルーム向けのPCと推定される。背面にはディスプレイ出力として、DVI-Iのほかに、HDMI端子が用意されており、どちらを利用してもディスプレイに接続することができる。説明員によれば、この製品にはディスプレイは付属しないとのことだった。
背面パネルには、デジタルBS/CS、地上デジタルと書かれたTVチューナ端子、モデム端子、Ethernet、USB×4、オーディオ入出力、S/PDIFなども用意されている。また前面にもヘッドフォン、マイク端子、USB×2、IEEE 1394(4ピン)、メモリカードスロット(SDカード/メモリースティック兼用と思われる)、B-CASカードスロットと思われるカードリーダなどが用意されている。
残念ながら電源が入っていなかったのでスペックは確認できなかったのだが、説明員によればCPUはCore 2 Duo、メインメモリは1GBないしは512MB、HDDは400GBないしは160GB、IEEE 802.11a/b/gに対応した無線LAN、OSは上位モデルがWindows Vista Home Premium、下位モデルがWindows Vista Home Basicになるという。価格などは未定で、日本での発表時期などはわからないということだ。常識的に考えれば、Windows Vista発売に合わせてリリースされる可能性が高い。
もし1月末にリリースされるのであれば、ソニーの「VGX-TP1」とともに注目される製品となるだろう。HDMIに対応したPCが複数登場することで、日本のリビングPC市場も本格的に立ち上がっていくことになりそうだ。
TEO50U/Dと書かれた型番 | 前面に用意されているI/Oパネル。普段は蓋により隠されている。左からオーディオ入出力、USB×2、IEEE 1394(4ピン)、メモリカードスロット、B-CASカードスロットと思われるカードスロット |
天板の上部には内部コンポーネント冷却のための穴が開いている | 背面のI/Oパネル。上部左から地上デジタル端子、BS/CSデジタル端子。下部左からHDMI端子、DVI-I端子、スピーカー端子、モデム、Ethernet、IEEE 1394(4ピン)、オーディオ入出力、S/PDIF |
●Bluetooth接続デバイスなど、SideShow対応製品が多数展示
Microsoftブースで同じように注目を集めていたのが、Windows SideShowに対応した機器を展示したエリアだ。
Windows SideShowは、PCに2つめの小型LEDを実装し、そこにSideShow Gadgetと呼ばれるソフトウェアをロードする仕組みのことだ。たとえば、メールのSideShow Gadgetを利用すると、PCが起動していない状態でもメールの着信状態がチェックできる。また、SideShow Gadgetの仕様は公開されているので、フリーソフトウェアとして、SideShow Gadgetを作成して配布ということも可能だ。
今回Microsoftブースに展示されていたのは、MSI製の無線SideShowデバイスで、PCとの接続はBluetoothを利用して行われている。PCからはSideShow Gadgetをロードして利用できるほか、PowerPointのスライド操作もできる。
このほか、携帯電話の形をしたSideShowデバイスも展示されており、PCとの接続はBluetoothで行なわれる。また、Media CenterのリモコンにSideShowの液晶ディスプレイを搭載した製品の展示も行なわれている。
また、各社から展示されたMedia Center用のリモコンにはSideShow用の小型のLCDが用意されており、それらを利用してMedia CenterのTV録画を行なったり、再生中のコンテンツの情報を見るという使い方が可能になる。
これまでSideShowと言えばノートPC用のセカンダリディスプレイ向けの仕様だと思われていたが、実際にはデスクトップPCでも使えるようなソリューションが出てきたことで、自作PCユーザーでもSideShowを活用する使い方も出てきそうだ。
ASUSの「W5e」は世界初のSideShow内蔵ノートPC、SideShow Gadgetをロードしてさまざまな用途に利用できる | LG電子の「Z1」は、SideShowが利用可能なノートPC。2月頃にリリースされる予定 |
●Windows Vistaのデモに来場者の注目が集まる
そのほかにも、Microsoftブースでは 先日行なわれたビル・ゲイツ会長兼CSAの基調講演でも発表したWindows Home Server(関連記事参照)やMicrosoft IPTV、Zuneなどの展示が行なわれたほか、会場では多数のXbox 360が展示されており、熱心に操作する来場者の姿が見られた。
リリースが近いこともあり、Vistaのデモには多くの来場者が群がっていた | ゲイツ氏の講演で発表されたWindows Home Serverのデモも行なわれた |
ゲイツ氏の講演でも行なわれたMicrosoft IPTVのデモにも来場者の注目が集まっていた |
すでに米国で販売済みなためか、zuneにはそれほど人は集まっていなかった。iPod対抗を打ち出すのなら、ケーブルの処理に、もう少し気をつかってほしいものだ |
□2007 International CESのホームページ(英文)
http://www.cesweb.org/
□Microsoftのホームページ(英文)
http://www.microsoft.com/
□関連記事
【1月9日】【CES】タッチスクリーン搭載のVista PCとWindows Home Server搭載ネットワークストレージ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0109/ces6.htm
【1月9日】【CES】ビル・ゲイツ氏基調講演レポート
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2007/0109/ces4.htm
(2007年1月10日)
[Reported by 笠原一輝]