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「コア戦争は終結」、AMDヘンリー・リチャード上級副社長
~2010年以降のCPUの姿を紹介

ヘンリー・リチャード氏

12月20日 開催



 日本AMD株式会社は20日、米国で14日に開催された「Analyst Day」についての説明会を国内で開催し、主に2007年の戦略について説明した。

 この中でAMD上級副社長兼ワールドワイドセールス/マーケティング最高責任者のヘンリー・リチャード氏は、2010年以降のCPUのあり方について「コア数だけを増やす“コア戦争”の時代は終わり、特定用途に特化したコアを搭載する“Accelerated Processor”の時代が来る」との見通しを示した。

 AMDは、ATIを買収したことで、CPUに加えて、GPU/チップセットにまで製品ラインナップを広げたのみならず、デジタルTVや携帯電話など家電市場への進出も果たした。同社は、CPU単体も2006年の業績は好調だったが、買収の相乗効果により、2007年はさらならる飛躍を目指す。

 同社が特に重点を置くのが、企業向けのサーバー/クライアントとモバイルPC。価格競争の影響から利益率が下がりつつあるAthlonから、堅調な成長を続けるOpteron、中でもユニプロセッサへと主軸を移すとともに、プラットフォームレベルで提供できるようになったモバイル製品の販売を強化。また、販売ルートも従来のチャネル重視から、Dell、IBM、LenovoなどのOEM重視の戦略へ切り替える。

 なお、ブランディングは「AMD」がマスターブランドとなり、Intel向けチップセットなどにもAMDのブランドが冠され、「ATI」はグラフィックスおよびゲームコンソール向けのブランドとなる。

2007年以降、AMDの製品構成割合は大きく変化する チップセットやSoCもAMDブランドに Opteronは1P用に焦点を当てる

 今後3カ年の計画としては、2009年に8コアのサーバ向けプロセッサを予定しているほか、GPUをストリーミング処理の汎用プロセッサとして利用する「Stream Processor」、GPU統合CPU「Fusion」、ビデオ機能統合チップセットなどに優先的に取り組む。

 さらにその先の2010年以降は、「Accelerated Computing」と呼ばれる新たなプラットフォームを展開する。

 CPUは、誕生して以降2000年まで性能のみを追求してきたが、昨今では消費電力あたりの性能が重視されるようになってきた。そして、2010年以降は、より多くの異なるニーズに対応できるCPUが求められるという。

 これに対しAMDは、同じコアを増やすのでは不十分と考えており、Fusionを発展させ、CPUと同じパッケージ、あるいはダイの中に特定用途に特化したアクセラレータ的コアを統合していく。さらに、コプロセッサとしてCPUソケットに搭載するアクセラレータや、Stream Processorなど外部バス上、果てはチップセット内にもにもアクセラレータを搭載することで、プラットフォームの性能を押し上げていくというのがAccelerated Computingの構想だ。

2010年以降、「コア戦争は」終了 代わってAccelerated Computingを展開する

□AMDのホームページ
http://www.amd.co.jp/
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(2006年12月20日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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