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富士通、次世代HDD技術「熱アシスト磁気記録」のヘッド用光素子
10月19日 発表 富士通株式会社は19日、HDDの記録密度をさらに高める「熱アシスト磁気記録方式」に対応するヘッド用の光素子を開発したと発表した。 熱アシスト磁気記録は、熱ゆらぎ対策のため磁気の保持力を高めたディスクに、ヘッドから微細な熱を照射し、その部分の磁気保持力を下げてデータの記録を行なう方式。同方式は1Tbit/平方インチを実現できるとされており、日立グローバルストレージテクノロジーズやSeagate Technologiesら、HDDメーカー各社が研究開発を行なっている。 今回、富士通が開発した光素子は、熱を照射する際に問題になるビームの歪み/太さを解消し、その上で現行HDDヘッドと同様の薄膜形成プロセスで製造でき、コストも抑えられるという。 この光素子は、特定条件下で光を通す光透過層に、光透過率の高い酸化タンタル(Ta2O5)を組み合わせ、薄型化して複数の層で挟んだ積層構造を採用。これにより、入射光を薄膜で絞ることができ、同時に、外側の層/横方向への入射光を積層構造で光透過層に集められるようになった。
同社の測定によると、今回の光素子に波長400nmの光を入射して照射したビームの大きさ(光スポット)は、88×60nm(半値全幅:光の強度が半分になるときのビーム幅)で、積層型で100nmを下回る光スポットは世界初だという。 今後はこの光素子をHDDの記録/再生ヘッドと一体化させ、2012年頃の実用化を目指すほか、光スポットのさらなる微細化、他分野の応用を含めて研究を進める。 □富士通のホームページ (2006年10月19日) [Reported by yamada-k@impress.co.jp]
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