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カシオ、ノートPC向け燃料電池の高出力発電セル
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5月15日 発表
カシオ計算機株式会社は15日、ノートPCなどの携帯機器向けに、体積当たりの出力密度を世界最高水準に高めた小型の発電セルスタックを開発したと発表した。
同社は、小型で高出力の電源を実現するため、メタノールから水素を取り出して発電セルに送る「改質型燃料電池」の開発を行なっており、携帯機器に内蔵できる小型改質器の開発と平行して高濃度の水素を出力できる発電セルの開発を続けている。
今回開発した発電セルスタックは、セパレータとMEA(Membrane Electrode Assemblyおよび膜・電極接合体)で構成される発電セルを20枚重ねた積層構造を採用。体積22ml(65×18×19mm)の大きさで19.4Wの出力を実現した。体積当たりの定格出力は882W/Lで、同社は携帯機器用で世界最高としている。
メタノールから水素を取り出す改質器は、水素の製造と、排気の無害化を行なう科学反応器やヒーター、温度センサーなどを1チップに統合したマイクロ改質モジュールを開発済み。このモジュールと今回発表の発電セルを組み合わせることで、同体積のリチウムイオン充電池と比較して、ノートPCの駆動時間を約4倍にできるという。
同社は今後、周辺部品や回路などの整備を進め、2007年に評価用サンプルを出荷開始する予定。実用化に向けて各社と協業を進める。
□カシオ計算機のホームページ
http://www.casio.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.casio.co.jp/release/2006/fuelcell_cellstack.html
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(2006年5月15日)
[Reported by yamada-k@impress.co.jp]