●1GBメモリと120GB HDDを搭載し、高スペックを誇る MG75SはCPUとして、Core Duo T2300(1.66GHz)を搭載する。旧モデルの最上位機種「MG70R/T」ではPentium M 740(1.73GHz)が搭載されていたので、動作クロックは66MHz低くなっているが、アーキテクチャの改良とデュアルコア化によって、パフォーマンスは大きく向上している。チップセットとして、グラフィックス統合型のIntel 945GM Expressを採用。DDR2対応SO-DIMMスロットを2基搭載しており、標準で1GBのメモリを実装していることも嬉しい。1GBあれば、複数のアプリケーションを同時に起動させても、快適に作業が可能だ。もちろん、デュアルチャネルアクセスにも対応している。ただし、SO-DIMMスロットは2つとも埋まっているので、メモリを増設する場合は、標準で装着されている512MB SO-DIMMを取り外す必要がある(最大2GBまで増設可能)。 HDD容量は120GBと大きく、大規模なアプリケーションを利用する場合でも余裕がある。基本スペックは高く、大型ノートPCと比べてもひけをとらない(単体GPUを搭載していないので、3D描画性能は高くはないが)。 筐体も一新され、堅牢性も向上している。200kgfの液晶部全面加圧試験をクリアしており、耐荷重性能に関してもトップクラスだ。 【お詫びと訂正】初出時、「ラッチレスデザインを実現したほか」と記載しておりましたが、FMV-BIBLO MG 14.1型液晶搭載モデルはラッチレスデザインではございません。お詫びして訂正させていただきます。
●2種類のポインティングデバイスを装備 液晶ディスプレイとして、1,024×768ドット(XGA)表示対応14.1型液晶を搭載。スーパーファイン液晶と呼ばれる光沢タイプの液晶で、輝度やコントラストは高い。14.1型でXGAなので、ドットピッチが0.279mmと広く、文字も大きく表示される。ただし、一度に表示可能な情報量という点では、同じ14.1型ならば松下の「Let'snote Y」シリーズのような1,400×1,050ドット(SXGA+)表示対応液晶搭載機に軍配が上がる。 モバイルノートPCとしては筐体サイズが大きいので、キーボードにも余裕がある。キーピッチは約19mmで、キーストロークは約3mmである。従来までのMGシリーズでは、ポインティングデバイスとしてパッド状のフラットポイントが採用されていたが、今回の14.1型液晶搭載モデルでは、フラットポイントに加えて、新たにスティックポイントを搭載したことが特徴だ。クリックボタンも2組用意されており、好みに応じて、ポインティングデバイスを使い分けることができる。また、指紋センサーも装備しており、指先をスライドさせるだけで、Windowsのログオン操作やWebサイトのID/パスワード入力などの認証が行なえる。 キーボード上部には、ワンタッチボタンが用意されており、登録したアプリケーションをワンタッチで起動できるほか、プレーヤーモードに切り替えることで、CD/DVDの再生操作も可能だ。
●光学ドライブは着脱が可能 光学ドライブとして、DVD±R DL対応DVDスーパーマルチドライブを搭載する。光学ドライブはモバイル・マルチベイに装着されており、着脱が可能だ。光学ドライブを外して、代わりに付属のモバイル・マルチベイ用カバーを装着することで、重量を約1.82kgに軽減できる(光学ドライブ装着時の重量は約2.02kg)。
インターフェイス類も充実しており、USB 2.0×3、IEEE 1394(4ピン)、D-Sub15ピン、ギガビットLAN、モデムなどを搭載するほか、Type 2 PCカードスロット、ExpressCardスロット、ダイレクト・メモリースロット(SDメモリーカード/メモリースティック/xD-Picture Card対応)も装備している。IEEE 802.11a/b/g対応無線LAN機能も搭載しており、前面に無線LANスイッチが用意されているのも便利だ。
バッテリは10.8V、5,200mAhの6セル仕様で、公称約5.7時間のバッテリ駆動が可能だ。通常電圧版のCore Duoを搭載していることを考えると、十分優秀な値といえる。また、オプションの増設用バッテリーをモバイル・マルチベイに装着することで、駆動時間は約9.8時間に伸びる。
参考のために、いくつかベンチマークテストを行なってみた。ベンチマークプログラムとしては、SYSmark 2002や3DMark03、PCMark05、FINAL FANTASY XI Official Benchmark 3を利用した(電源プロパティの設定は「常にオン」で計測)。 結果は下の表にまとめたとおりである。比較用にLenovo 3000 C100やThinkPad Z60tの結果もあわせて掲載した。
【表】ベンチマーク結果
MG75Sは、デュアルコアCPUを搭載しているため、シングルコアのPentium M 740を搭載したLenovo 3000 C100に比べて、PCMark05のCPU Scoreの値はかなり高い。また、内蔵グラフィックスコアの性能もIntel 915GMに比べて向上しているため、3DMark03やFINAL FANTASI XI Official Benchmark 3のスコアも向上している。 ●メインマシンとしても十分使えるパフォーマンスを実現 MG75Sは、14.1型液晶を搭載しているため、モバイルノートPCとしてはややサイズが大きく、重量もやや重めだ。しかし、通常電圧版のCore Duoを搭載しており、従来のPentium M搭載機に比べて、パフォーマンスは大きく向上している。液晶の解像度がXGAなのが残念だが、120GBの大容量HDDを搭載するなど、スペック的にはいわゆるフルサイズノートPCにひけをとらない。メインマシンとしても快適に使えるモバイルノートPCを探しているのなら、有力な選択肢の1つとなるだろう。 □富士通のホームページ (2006年4月25日) [Reported by 石井英男]
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