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IDF Japan 2006レポート【プレスセミナー編】


電力効率だけでなく絶対性能も向上させた
「Coreマイクロアーキテクチャ」

ベンソン・インクリー氏

会期:4月6日~7日

会場:東京プリンスホテル パークタワー



 4月7日は、Intelが2006年第3四半期以降に出荷開始を予定しているプロセッサの新アーキテクチャ「Coreマイクロアーキテクチャ」についてのセミナーなどが行なわれた。

 Coreマイクロアーキテクチャは、これまでのNetBurstやBaniasなどに取って代わる新しいプロセッサアーキテクチャ。1つの大きな特徴は、これまで同社プロセッサはデスクトップとモバイルとで異なるアーキテクチャを採用していたが、Coreマイクロアーキテクチャでは、x86ベースのサーバー/デスクトップ/モバイルのすべてのカテゴリーの共通基盤となる。

 具体的には、DPサーバー/ワークステーション向けのWoodcrest、デスクトップ向けのConroe、モバイル向けのMerom(いずれもコードネーム)が、2006年第3四半期より順次出荷開始。

 これらはいずれもデュアルコアだが、2007年以降はクアッドコア製品として、MPサーバー向けのTigerton/Dunnington、DPサーバー/ワークステーション向けのClovertown、デスクトップ向けのKentsfieldが予定されている。

これまでのNetBurst、Baniasなどに取って代わるCoreマイクロアーキテクチャ Conroe、Woodcrest、Meromは2006年第3四半期に登場予定 オレンジ色の枠で囲まれた部分がCoreマイクロアーキテクチャ採用製品

一口にマルチコアといってもパッケージングは異なる

 解説を行なったデスクトップ・プロセッサー担当テクニカル マーケティングマネージャー デジタル・エンタープライズ事業部のベンソン・インクリー氏によれば、ClovertownとKentsfieldは、現行のPreslerのように、デュアルコアのダイを1つのチップに収めるマルチチッププロセッサとなる。

 これは、シングルダイの製品を新規開発するよりも、楽にクアッドコア化できるためで、シングルダイクアッドコアは、それ以降の製品での採用となる。ただし、すべての製品がシングルダイとなるわけではなく、どのパッケージングを採るかは製品ごとに判断される。

 Coreマイクロアーキテクチャでは、「ワイド・ダイナミック・エグゼキューション」、「アドバンスト・デジタル・メディア・ブースト」、「スマート・メモリー・アクセス」、「アドバンスト・スマート・キャッシュ」、「インテリジェント・パワー機能」といった新機能/技術が実装されている。

 それらの詳細については、IDF Spring 2006のレポートで解説されているため、ここでは割愛するが、Coreマイクロアーキテクチャの設計の背後には、NetBurstで狙った1サイクル当たりの命令数(性能)と、Baniasで重視した電力効率を最適なバランスポイントで融合するという思想がある。

 これにより、例えばConroeでは、周波数を落としながらも、Pentium Dと比較して、4割の性能向上と、4割の消費電力削減を両立させた。高い電力効率を実現したCore Duoに対しては、Meromは消費電力は同等だが、2割の性能向上を果たしたという。

 NetBurstからのアーキテクチャ転換を決めて以来、Intelはワット当たりの性能の重要さを説くようになったが、絶対性能においても次世代プロセッサに同社は大きな自信を持っているようだ。

Coreマイクロアーキテクチャのブロックダイヤグラム Conroeでは、Pentium Dに対し、性能も消費電力も改善させた

□IDF Japan 2006のホームページ
http://www.intel.com/jp/idf/
□関連記事
【3月11日】【海外】明瞭になった「Core Microarchitecture」の全貌
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0311/kaigai249.htm
【3月10日】【IDF】CPUロードマップとマイクロアーキテクチャーの詳細を公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0310/idf07.htm
【3月9日】【IDF】Intel CTOが新アーキテクチャーの詳細を公開
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0309/idf04.htm
【3月9日】【海外】Intelの次世代CPUアーキテクチャ「Core Microarchitecture」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2006/0309/kaigai248.htm

(2006年4月7日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

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