エルピーダ、DRAM欠陥修復技術の 物理現象レベル検証に成功
3月30日 発表
エルピーダメモリ株式会社は30日、高速DRAMのデータ保持時間を大幅に向上できる欠陥修復技術を開発し、デバイスレベルでの検証に加え、世界初のEDMR手法(電流検出型電子スピン共鳴法)による物理現象レベルでの検証に成功したと発表した。
DRAMでは、キャパシタに蓄えた電荷の有無が記憶情報で、接合リーク電流の影響を受けて電荷が減衰するため、接合リーク電流を低減することがデータ保持時間を延長させる課題だった。また、667MHzや800MHzなどの高速なDRAMでは、熱によりデータ保持特性が悪化することも問題視されていた。
同社は既にこの接合リーク電流の発生源が空孔欠陥(シリコン原子が欠けてできた欠陥)であることを突き止めており、意図的に格子間シリコンを供給して修復する技術を開発し、すべての製品に投入していた。
今回、エルピーダはNECおよび筑波大学との協力により、世界で初めてデータ保持時間が空孔欠陥量に依存することをEDMR手法での検証に成功。この検証は今後のDRAMセルの高性能化に指針を与える研究成果であり、欠陥修復技術は超高速DRAMを支える技術になると期待されている。
同成果は、米国サンノゼで3月26日(現地時間)から開催されている電子デバイスの信頼性に関する国際会議「2006 IEEE International Reliability Physics Synposium(IRPS)」で3社から合同発表されている。
□エルピーダのホームページ
http://www.elpida.com/ja/
□ニュースリリース
http://www.elpida.com/ja/news/2006/03-30.html
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(2006年3月30日)
[Reported by ryu@impress.co.jp]
PC Watch編集部
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