P5VD1-Xは、VIA PT880Ultra+VT8237Rを搭載するATXマザーボード。数少ない非Intelチップセット採用機の1つだが、それ以上にユニークなのは、AGP 8XスロットとPCI Express x16スロットの両方を搭載する点。さすがに、同時利用はできないが、AGPからPCI Expressへ将来移行したいと考えるユーザーに好適だ。
ただし、CPUソケットは最新のLGA775であるものの、PCI Express x16は内部4xレーン接続で、対応メモリはDDR、オーディオは6chと、全体的な仕様が一世代前という感は拭えない。おそらくこのマザーボードは、当時6~7万円したAGP版GeForce 6800 GTクラスのビデオカードと、すでに2GB程度あるDDRをそのまま活かしつつ、CPUは最新のものにしたい、そしてその後にはビデオカードもアップグレードしたい、と考える人にうってつけだろう。
これは言い換えるなら、かなりニッチな仕様とも言える。だが、こういう限られた状況に対応できるマザーボードがあるということは、ユーザーからすれば歓迎すべきことだ。今後とも、ASUSTeKに限らず、メインストリーム以外にも積極的にこういった製品に取り組んでほしい。
ちなみに、チップセットはかなり低発熱のようで、ノースブリッジはヒートシンクのみ、サウスブリッジはヒートシンクすら搭載していない。
そのほかの仕様については、目立った特徴はない。ボードのレイアウトを見ると、プライマリIDEコネクタはボードに対して垂直だが、セカンダリは水平になっていたり、FDDコネクタがボードの最下部にあったりと、ケースによってはケーブルのとりまとめにやや苦労するかもしれない。
CPUクロックを5~30%の範囲でオーバークロックさせる機能を持つが、電圧の変更はできないため、あまり期待はできない。
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