PF88はSiS656+SiS965を搭載するATXマザーボード。それ単体でもIntel CPU用マザーボードとして利用できるが、同社が独自開発したElite Busに別売のSIMAカードを挿すことで、プラットフォームを変更できるようになっている。
例えば、SIMAカードの1つであるA9Sは、カード上にSiS756と、Socket 939、DDR DIMMソケットを持っており、このカードを使うことで、AMD CPU用マザーボードに早変わりするといった具合だ。SIMAカード利用時も、サウスブリッジのSiS965はそのまま使うようになっており、SIMAカードによってノースブリッジより上流の機能が変更されることとなる。
SIMAカードのメリットの1つは、比較的安価にプラットフォームを変更できる点。現時点では、A9Sのほかに、Turion 64用とPentium M用がラインナップされており、実売価格は6千円程度となっているので、マザーボードごとシステムをアップデートするより安く済む。また、換装時に各種拡張カードやケーブル類を抜き差しする手間が大幅に省けるといったメリットもある。
ただし、SIMAカードの面積による制約からSIMAカード上のメモリスロットは2本までに制限される。また、PF88にはPCI Express x16スロットが2つあるが、これは上側がマザーボード単体利用時専用で、下側はSIMAカード利用時専用となっている。そのため、SIMAカード利用時は、Elite Bus以下のスロットしか使えなくなるという注意点がある。
これ以外の点は、SiI3132によってシリアルATAが2ポート増設されている点を除いて、おおむねベーシックな設計で、オーバークロックなどもほとんどできない仕様となっている。
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