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ECS「PF88+A9S / PF5」


ECS ( http://www.ecsjpn.co.jp/ )
PF88 ( http://www.ecs.com.tw/ECSWeb/Products/ProductsDetail.aspx?CategoryID=1&TypeID=32&DetailID=516&MenuID=16&LanID=5 )
A9S ( http://www.ecs.com.tw/ECSWeb/Products/ProductsDetail.aspx?CategoryID=1&TypeID=33&DetailID=517&MenuID=16&LanID=5 )

 PF88はSiS656+SiS965を搭載するATXマザーボード。それ単体でもIntel CPU用マザーボードとして利用できるが、同社が独自開発したElite Busに別売のSIMAカードを挿すことで、プラットフォームを変更できるようになっている。

 例えば、SIMAカードの1つであるA9Sは、カード上にSiS756と、Socket 939、DDR DIMMソケットを持っており、このカードを使うことで、AMD CPU用マザーボードに早変わりするといった具合だ。SIMAカード利用時も、サウスブリッジのSiS965はそのまま使うようになっており、SIMAカードによってノースブリッジより上流の機能が変更されることとなる。

 SIMAカードのメリットの1つは、比較的安価にプラットフォームを変更できる点。現時点では、A9Sのほかに、Turion 64用とPentium M用がラインナップされており、実売価格は6千円程度となっているので、マザーボードごとシステムをアップデートするより安く済む。また、換装時に各種拡張カードやケーブル類を抜き差しする手間が大幅に省けるといったメリットもある。

 ただし、SIMAカードの面積による制約からSIMAカード上のメモリスロットは2本までに制限される。また、PF88にはPCI Express x16スロットが2つあるが、これは上側がマザーボード単体利用時専用で、下側はSIMAカード利用時専用となっている。そのため、SIMAカード利用時は、Elite Bus以下のスロットしか使えなくなるという注意点がある。

 これ以外の点は、SiI3132によってシリアルATAが2ポート増設されている点を除いて、おおむねベーシックな設計で、オーバークロックなどもほとんどできない仕様となっている。


主な仕様
リビジョン 1.1
BIOS Phoenix
フォームファクタ ATX
CPUソケット LGA775(PF88) / Socket 939(A9S)
ノースブリッジ SiS656(PF8) / SiS756(A9S)
サウスブリッジ SiS965
FSB 1,066/800/533MHz(PF88) / 200MHz(A9S)
対応DIMM DDR2-667/533/400×4、最大4GB(PF88) / DDR400×2、最大2GB(A9S)
対応VCore ---
対応メモリ電圧 ---
拡張スロット(上から) PCI Express x16、Elite Bus、PCI Express x1、PCI Express x16、PCI、PCI、PCI
オンボードビデオ ---
電源コネクタ 24ピン×1(メイン)、4ピン×1(ATX12V)、4ピン×1/3ピン×3(ファン)
IDE(コントローラ) Ultra ATA/133×2(SiS965内蔵)
SATA(コントローラ) シリアルATA×4(SiS965内蔵、RAID 0/1/10/JBOD対応)
シリアルATA 3Gbps×2(Silicon Image SiI3132、RAID 0/1対応)
LAN(コントローラ) Gigabit Ethernet×1(SiS965内蔵)
オーディオ(CODEC) 8chオーディオ(Realtek ALC850)
ピンヘッダ USB 2.0×4、IEEE 1394×2、S/PDIF出力×1
I/Oパネル PS/2×2、パラレルポート×1、シリアルポート×2、IEEE 1394(6ピン)×1、USB 2.0×4、RJ-45、8chオーディオ
付属品 シリアルATAケーブル×4、eSATAケーブルモジュール×1、シリアルATA電源ケーブル×1(デュアル)、Ultra ATA/133ケーブル×1、IDEケーブル×1、FDDケーブル×1、3.5インチベイ用USB/IEEE 1394マウンタ×1、I/Oシールド、サポートCD、マニュアル
【表面】中央の紫色のスロットがElite Bus
【I/Oパネル】
【裏面】
【電源回路周り】
【A9S表面】SIMAカードの1つのA9S
【A9S裏面】裏面にノースブリッジがある
【装着時】PF88に装着したところ


□関連記事
【2005年9月1日】ECS、AMD/Intel両対応のSiSチップセット採用マザー
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0901/ecs.htm


ECS ( http://www.ecsjpn.co.jp/ )
PF5 ( http://www.ecs.com.tw/ECSWeb/Products/ProductsDetail.aspx?DetailID=526&MenuID=93&LanID=5 )

 PF5は、Intel 945P Expressを搭載するATXマザーボード。基本的にIntel 945P Expressでは、PCI Express x16は1本だけとなるが、本製品では2本搭載しており、2枚のビデオカードを搭載可能としている。ただし、SLIのような利用形態には対応しておらず、2つのビデオカードで4台のディスプレイに接続という用途となる。

 拡張スロットについて、もう1つおもしろいのが、3本中1つだけ黄色いスロットを用いたPCIスロット。このスロットにのみ高級なコンデンサがつながれており、オーディオカードやキャプチャカードなどで入出力するデータの品質が向上するとしている。

 Gigabit Ethernetを2基、シリアルATAコントローラとしてICH7R以外にSiI3132を装備する点を除いて、そのほかの仕様面はベーシックな構成だが、ゲームなど状況に応じて自動的にオーバークロックする機能や、オーバークロックユーティリティ、FSB 1.2GHzまで設定可能な点など、オーバークロック周りの仕様がアピールされている。また、オーバークロック時の廃熱を考慮して、シリアルポートに被さるようにして小型のダクト付きファンが装着されている。

 ユニークな付属品として、「Top-Hat Flash」と呼ばれる、BIOS復旧用ツールが付属する。このツールは、BIOS ROMのソケットを2段に積み重ね、その上にBIOS ROMを搭載。マザーボード本体のBIOSが損傷した際に、そのROMにこのツールをはめ込むと、Top-Hat Flash上のBIOSがマザーボードを乗っ取った形で起動するので、システムが起動したらこれを取り外し、BIOS Flashを実行することで、元のBIOSを復旧できる。はじめから2個のROMをオンボード搭載してるものと比べると、作業が煩雑だが、いざというときには頼りになる。


主な仕様
リビジョン 1.0A
BIOS AMI
フォームファクタ ATX
CPUソケット LGA775
ノースブリッジ Intel 945P Express
サウスブリッジ ICH7R
FSB 1,066/800/533MHz
対応DIMM DDR2-667/533/400×4、最大4GB
対応VCore  
対応メモリ電圧  
拡張スロット(上から) PCI Express x16、PCI Express x1、PCI Express x16、PCI、PCI、PCI
オンボードビデオ ---
電源コネクタ 24ピン×1(メイン)、4ピン×1(ATX12V)、4ピン×1(PCI Express x16補助)、4ピン×1/3ピン×4(ファン、うち3ピン2つはオンボードファンで占有)
IDE(コントローラ) Ultra ATA/100×1(ICH7R内蔵)
SATA(コントローラ) シリアルATA 3Gbps×4(ICH7R内蔵、RAID 0/1/5/10対応)
シリアルATA 3Gbps×2(Silicon Image SiI3132、RAID 0/1対応)
LAN(コントローラ) Gigabit Ethernet×2(ICH7R内蔵、Marvell 88E8053)
オーディオ(CODEC) 8chオーディオ(Realtek ALC880)
ピンヘッダ パラレルポート×1、USB 2.0×4、IEEE 1394×1、前面パネル用オーディオ×1
I/Oパネル PS/2×2、シリアルポート×1、S/PDIF入力(角形)×1、S/PDIF出力(角形)×1、IEEE 1394(4ピン)×1、RJ-45×2、USB 2.0×4、8chオーディオ
付属品 シリアルATAケーブル×4、eSATAケーブルモジュール×1、シリアルATA電源ケーブル×1(デュアル)、Ultra ATA/100ケーブル×1、IDEケーブル×1、FDDケーブル×1、3.5インチベイ用USB/IEEE 1394マウンタ×1、I/Oシールド、Top-Hat Flashモジュール×1、パラレルポートモジュール×1、サポートCD、マニュアル
【表面】チップコンデンサや抵抗類が少なく、整然とした設計
【I/Oパネル】シリアルポートの上にダクト付きファンを装備
【裏面】
【電源回路周り】
【PCIスロット】真ん中のPCIスロットだけ黄色く、隣接するコンデンサもほかと種類が異なる
【Top-Hat Flash】オンボードのBIOS ROMにこれをかぶせて起動させる


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(2006年1月27日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]


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