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JEITA、2005年は過去最高のPC出荷実績に
~上方修正発表するも厳しい先行き

パーソナルコンピュータ事業委員会 片山徹氏

1月25日 発表



 社団法人 電子情報技術産業協会(JEITA)は25日、2005年1~12月の国内PC出荷統計を発表した。

 これによると、出荷台数は前年比14%増の1,273万8,000台、出荷金額は5%増の1兆6,370億円となった。暦年で1,200万台を突破したのは、同協会が統計調査を開始して以来、初めてのこと。

国内PC出荷台数推移 国内PC出荷金額推移

 JEITAパーソナルコンピュータ事業委員会・片山徹委員長は、「景気回復に伴う企業の情報化投資が促進され、それが中小企業の領域にまで広がりを見せたこと、個人情報保護法の完全施行に伴うリプレースの促進、個人需要に関しては、雇用の安定化など先行きの不透明感が払拭されたことで春商戦以降、個人消費が増加したこと、インターフェイスの改善、AV機能を搭載したPCが各社から投入されたことでのリプレース需要の促進など、結果として年間を通じて安定した需要があったことが要因」とした。

 前年度上期の統計には、デルの数値が含まれていないため、通年でデルの数字が加算された今年度の成長率の数字をそのまま受け取ることはできないが、「デルを含まないとしても5~6%減になる程度で、台数、金額ともに前年実績を上回っていると判断している」(片山委員長)としている。

 形態別では、ノートPCが前年比14%増の690万台、デスクトップPCが前年比14%増の583万8,000台となり、いずれも過去最高の出荷台数となった。ノートPCの構成比は54%。

 なお、海外輸出を含めた総出荷は、台数が前年比15%増の1,384万7,000台、金額では6%増の1兆7,716億円。輸出は、台数が22%増の110万9,000台、金額は15%増の1,346億円となった。

形態別出荷台数 PC出荷実績

 2005年度第3四半期(2005年10月~12月)の国内出荷は、前年同期比5%増の289万台、金額では8%減の3,561億円となった。平均単価の下落もあって、金額は前年同期割れとなったものの、台数に関しては、第3四半期としては過去最高の実績。11四半期連続のプラス成長となった。

 「企業向けの需要が旺盛であるほか、第3四半期は個人向け需要が市場の牽引役となった。ボーナスの支給額が増加したのに加え、12月にコンシューマ向けの新製品が各社から発売され、年末ギリギリまでPCの売れ行きが勢いを維持したのが要因」(片山委員長)とした。

 ノートPCは、前年同期比7%増の156万3,000台、デスクトップPCは前年同期比2%増の132万7,000台。ノートPCの構成比は54%となった。

 第3四半期の平均単価は、ノートPCが前年同期比21,000円ダウンの128,000円、デスクトップPCが13,000円ダウンの117,000円。ノートPCは、15万円以下のモデルの構成比が増加傾向にあるのが要因。デスクトップPCは、全体的には下落傾向にあるものの、第2四半期の111,000円に比べると6,000円上昇しており、「ディスプレイを付属していないPC単体での出荷比率が下がり、オールインワンモデルの構成比が高まったのが、平均単価上昇の理由」(片山委員長)としている。

 同協会では、今回の第3四半期までの実績が好調であることに加え、3月末まで実施されるIT投資促進税制終了直前の企業の駆け込み需要が見込めることなどから、2005年度(2005年4月~2006年3月)通期の国内出荷見通しを上方修正した。

 2005年7月時点での予想値では、1,250万台としていたが、これを20万台増の1,270万台(前年比8%増)とした。

PCの平均単価 国内PC出荷予測修正

 「前年度第4四半期(1~3月)は過去最高の364万6,000台を出荷しており、前年並みで推移すれば、今回の修正値も達成できる。できれば、昨年度第4四半期の過去最高の実績を上回りたい」と片山委員長は意欲を見せる。

 逆算すると、前年実績を下回る360万8,000台の出荷で今回の上方修正値に到達することになる。片山委員長が語るように前年並みを維持すれば、上方修正値をさらに上回ることになりそうだ。

 だが、第4四半期以降は、11四半期連続で続いたプラス成長記録が途絶える可能性もある。

 同協会関係者によると、第4四半期の国内出荷は前年比1%減で見込んでおり、前年並みを維持できるかどうかは大きなポイント。また、4月以降についても、2005年度の好調ぶりが、逆に2006年度実績の前年割れといった事態を引き起こすことにも繋がりそうだ。

 片山委員長は、「まだ来年度の見通しを出す段階にはない」というものの、「トリノオリンピック、ワールドカップなどのイベントに向けて、前回のオリンピックイヤーのようにAV機器に需要が取られることがないように、PCにもTV機能が搭載されるといった対策が行なわれている。また、Vistaに関しても、Media Center Editionを搭載したPCが一気に増加することから新たな需要を生むことになるだろう。プラス要素もある」と片山委員長は明るい見通しを示す。

 だが、4月以降に開始される予定のセキュリティ投資減税の実施規模が、現行のIT投資促進税制よりも規模が小さいこと、10月にも発売が見込まれる次期WindowsであるVistaの投入を前に買い控えが見込まれるなど、マイナス要素も少なくない。

 通期見通しの上方修正という、一見明るく見えるPC市況だが、第4四半期の前年割れ、2006年度の前年割れという事態を目の前に控えていることを忘れてはならない。

□JEITAのホームページ
http://www.jeita.or.jp/
□関連記事
【2005年10月26日】JEITA、上半期のPC出荷台数は好調
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/1026/jeita.htm
【2005年7月27日】JEITA、2005年第1四半期のPCの出荷実績を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0727/jeita.htm
【2005年4月27日】JEITA、2004年度国内PC出荷は好調
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0427/jeita.htm

(2006年1月25日)

[Reported by 大河原克行]

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