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JEITA、2004年度国内PC出荷は好調
~市況の回復を宣言

JEITAパーソナルコンピュータ事業委員会・片山徹委員長

4月27日 発表



 社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は27日、2004年度のPC出荷統計を発表した。

2004年度の出荷実績

 これによると、国内のPC出荷実績は、台数では前年比12%増の1,207万5,000台、金額では8%増の1兆7,336億円でプラス成長となった。今年下期からデルが統計に参加しており、その分の上乗せ効果があるものの、「個別の企業の数字は申し上げられないが、デルの参加分を除いても、明らかに前年実績を上回っている」(JEITAパーソナルコンピュータ事業委員会・片山徹委員長=NEC)とした。

 同協会では、今年1月に年度見通しを、1,140万台から1,200万台へと上方修正していたが、これを7万台上回る結果となった。過去最高の出荷台数となった2000年度の1,210万台に匹敵する規模にまで回復したといえる。

 片山委員長は、「個人市場は夏場までは停滞感があったが、大画面を搭載したPCやAV機能を搭載したノートPCが登場したことで秋口から回復し、年度を通じても前年を上回るところまできている。一方、企業向けには、中堅企業の需要が顕著であったことに加えて、年末から個人情報保護法を睨んだ需要が増加し、年間を通じてPC市場の牽引役となった。こうした個人、企業需要の堅調ぶりは、PC市場の回復を裏付けるものといえる」と、市況回復を高らかに宣言した。

好調だった2004年(平成16年度)第4四半期(1~3月期)

 片山委員長がこう宣言するのも、第4四半期(1~3月)の好調ぶりが見逃せない。

 第4四半期の国内のPC出荷実績は、台数で前年同期比20%増の374万9,000台、金額でも17%増の5,263億円と、ともに2桁増の伸びとなっている。

 「ビジネス向けには、企業の業績回復を背景にリプレース需要が顕著となり、3月期の決算期需要も好調だった。なかでも、今年の場合は、中小企業の導入意欲が旺盛で、少額資産損金算入制度やIT投資促進税制を利用したPC導入が下支えした。一方、個人も年末での回復感が、年明け以降も継続的維持でき、小中高校生がマイPCを購入するなど、家庭における買い増し需要を喚起した」と話す。

 また、第4四半期ではモバイルノートPCの動きがよく、前年同期比27%増の53万台を出荷。3四半期連続で前年同期比20%を超える成長率を達成しているという。

 「軽量化、バッテリー駆動時間の長時間化に加えて、無線LANを利用できる場所が整備されたことが大きいのではないか」と分析している。

 なお、2004年度のノートPCの出荷台数は、前年比7%増の631万6,000台。デスクトップPCは、18%増の575万9,000台。ノートPCの構成比は前年の55%から52%に減少した。

 平均単価は、ノートPCが144,000円、デスクトップPCが124,000円、全体では14万円と、いずれも前年よりも下落した。

 また、輸出を含む総出荷台数は13%増の1,303万9,000台、総出荷金額は8%増の1兆8,522億円となった。

出荷単価の推移(四半期ごと) 形状別の出荷台数推移(年度ごと)

●平成17年度は1,280万台と強気の予測

 一方、同協会では、2005年度の国内PC出荷見通しを、前年比6%増の1,280万台にすると発表した。

 「金額ではほぼ横ばいと見ているが、台数、金額ともに、これをボトムとして上方修正を目指したい」と強気の姿勢を見せた。

平成17年度は1,280万台を予測 平成17年度のPC市場拡大キーワード

 2005年度の市場拡大のキーワードとしては、ビジネス市場においては、2000年から2001年にかけて導入された1,300万台という大量のPCが導入されており、これらのPCのリプレースが今年度も持続すると判断。その誘引材料として、個人情報保護法の全面施行による情報漏洩対策やセキュリティ対策需要の喚起、e-japanIIの推進を背景にした電子申告やe-Taxの普及、電子文書法の施行に伴うオフィスの生産性向上に向けた電子化の進展、業績回復を背景にした中小企業の情報化投資の拡大などがあるとした。さらに、IT投資促進税制や少額資産損金算入制度が最終年度になることで、駆け込み需要が見込まれるとしている。

 個人向けでは、これまでの「一家に一台」の環境から、「一人一台」の環境へ移行すると判断。マイPC化による買い換え、買い増しが期待できるとしている。需要面では、小中高校生が自分のPCとして所有するといった家庭内での買い増し需要の拡大や、アクティブレディ、アクティブシニア層の需要拡大、機能面では、64bit化、マルチコアCPUの登場、大画面化、高画質化などのAV機能の強化、さらに、地上デジタル放送の視聴エリアの拡大、ネット上の映像配信の増加、オンラインゲームの充実といったコンテンツ面での誘引材料もある、としている。

 そのほか、無線LANスポットの普及などを背景にしたユビキタス化にも拍車がかかり、これも出荷台数の増加に貢献すると見ている。

 なお、日中関係の影響に関しては、「中国への生産シフトが加速しているが、現段階では生産面への影響はないようだ。販売面に関しても、現時点では影響がないようだが、この点での先行きには危惧しているメーカーも多い」として、今後の中国市場における日本製PCの販売動向への影響を懸念した。

□JEITAのホームページ
http://www.jeita.or.jp/
□関連記事
【1月26日】JEITA、2004年のPC出荷統計を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0126/jeita.htm

(2005年4月27日)

[Reported by 大河原克行]

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