[an error occurred while processing the directive]

日立、ソフトウェアの強化を図った新Prius製品説明会
~大画面PCへの需要はない

ビデオで新製品を紹介したPriusuシリーズのイメージキャラクタの伊藤美咲さん

4月20日 発表



 株式会社日立製作所は20日、同日付けで発表した「Prius」シリーズ夏モデルの製品説明会を開催した。

 今回発表されたのは、デスクトップ、ノートブック併せ計12モデルで、全体に渡ってCPUやメモリ容量などハードウェアスペックの底上げが行なわれているが、同社ではそれ以上にソフトウェアでの機能追加/強化を強調している。各モデルの詳細な仕様については関連記事を参照されたい。

デスクトップ ノートブック

●音楽/相撲番組に対応した「いいとこ観」

いいとこ観の概要

 同社のTVチューナ搭載モデルでは春モデルより、録画番組のハイライトシーンだけを抽出して再生する「いいとこ観(いいとこみ)」機能が搭載されている。従来モデルでは、野球およびサッカー番組に対応していたが、新たに音楽および相撲番組への対応が図られた。

 従来のいいとこ観では、音声部分のなかから観衆やアナウンサーの声の変化を捉えることで、得点シーンに絡む部分を認識。サッカーではゴールに攻めるまでの過程を楽しむため、主にピーク前を、野球では打ってから展開が始まるので、ピーク後を中心に抜き出し、ハイライトを作成していた。

 新たに追加された、音楽番組と相撲中継では、それぞれ異なるアルゴリズムを採用。音楽番組では、音声から音楽部分を判断。音楽開始と認識した部分の数秒手前から再生することで、アーティスト名/曲名の案内やテロップ部分から再生されるよう考慮されている。

 相撲中継では、画像を解析し、取り組みの部分を抽出。これに音声を加味し、盛り上がった取り組みを重視する設計となっている。

 これ以外にも、CM、スポーツではテロップの表示、音楽ではシーンの切替などを認識するアルゴリズムが盛り込まれている。

 なお、開発担当者によれば、今後も対応番組の種類を増やす予定で、現時点では、ゴルフや駅伝といったアイデアが検討されているという。

●Webテキストを肉声に近い抑揚で読み上げる「読みワザ」

読みワザの概要
再生例(MP3形式/100KB)

 「読みワザ」は、日立製作所中央研究所で開発した高品位知的音声合成技術を用いた音声合成機能で、今回発表の全モデルに搭載される。

 同ソフトを起動すると、ブラウザ上のテキスト部分にマウスカーソルを持って行くことで、その部分のテキストが音声で再生される。やや合成っぽさはまだ残るものの、漢字かな混じり文も適切に認識でき、デモされたニュース記事の読み上げは、肉声に近いものがあった。同社では「Webテキストをラジオ感覚で楽しめる」と謳っている。

 声の調子は、「平静/怒り/喜び/悲しみ」の感情タイプ、文末ポーズ長、読み上げ速さ、声の高さ、抑揚などを変更できる。また、任意の音楽ファイルをBGMとして再生することもできる。

 なお、固有名詞や英語などは正しく読み上げできない場合がある。

●3次元化した「プリウスナビ」

 ライブラリソフトの「プリウスナビ」はインターフェイスが一新。従来は小さめのサムネールが横にスクロールされるインターフェイスだったが、サムネールが大型化され、カテゴリを変更すると奥から手前に浮き出る感じの趣向が凝らされた。また、リモコンのみの操作にも対応した。

 同社では、HDDの大容量化に伴い、保存されるコンテンツが増えたが、プリウスナビの新インターフェイスにより、各ファイルを発見、思い出す楽しみが得られるとしている。

プリウスナビの画面。カテゴリを変更すると、奥に表示されていたものが手前に浮き上がってくる 画面の色などはカスタマイズできる

●大画面PCへの需要を否定

金子徹氏

 質疑応答では、今後の戦略や新製品などについて質問が及んだ。

 コンシューマ市場が縮小する中、低価格化を図ったことなどで、2004年は金額ベースで20%、台数ベースで40%増と、同社は順調な成長を見せているが、売り上げ目標について、同社ユビキタスプラットフォームグループ インターネットプラットフォーム事業部 事業部長の金子徹氏は、「以前に掲げた2005年100万台出荷の目標はやや厳しく、達成は2006年に先送りする」と述べ、出荷目標を下方修正した。

 地上デジタルへの対応については、今年中にHD録画対応機種を、また来年早々にモバイル放送対応機種を発売することを明らかにした。

 競合他社との差別化については、ハードウェア/ソフトウェア両面で独自技術を訴求する。TVで培ったハードウェア技術や、いいとこ観といったソフトの組み合わせにより、他社および家電との差別化を図るという。

 また、26型や32型といった大型液晶搭載機が他社から発売されていることに対して金子氏は、「大型液晶をつなげるだけならすぐにでもできるが、大画面への需要はTVへ向いており、PCにはない。PCでは中/小型を狙うべき」と答え、大画面PCへの指向を否定した。

□日立製作所のホームページ
http://www.hitachi.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.hitachi.co.jp/New/cnews/month/2005/04/0420.html
□製品情報
http://prius.hitachi.co.jp/
□関連記事
【4月20日】日立、デスクトップPC新モデル「Prius M」
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0420/hitachi1.htm
【4月20日】日立、ノートPC夏モデル「Prius M」発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0420/hitachi2.htm
【4月19日】富士通、32型液晶搭載一体型PCなど夏モデル発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0419/fujitsu1.htm
【4月13日】NEC、26型液晶一体型などデスクトップPC夏モデル発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0413/nec1.htm

(2005年4月20日)

[Reported by wakasugi@impress.co.jp]

【PC Watchホームページ】


PC Watch編集部 pc-watch-info@impress.co.jp
お問い合わせに対して、個別にご回答はいたしません。

Copyright (c) 2005 Impress Corporation, an Impress Group company.All rights reserved.