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Sandisk、メモリカード製品群国内説明会を開催
~ハイエンド向け「SanDisk Extreme III」も3月発売

米Sandisk CEO Eli Harari氏

2月24日発表



 米Sandiskは24日、同社メモリカード製品群について記者説明会を開催。フラッシュメモリ製品の国内展開などについて説明が実施された。

 ハイエンド市場向けの「SanDisk Extreme III」シリーズは3月発売予定。価格はすべてオープンプライス。

 CFメディアで約20MB/sec以上、メモリースティックPROで約18MB/sec以上の読み書き速度を実現し、同社では同メディアにおいて業界最速としている。速度向上には同社の独自技術であるESP(Enhanced Super-Parallel Processing)を採用して実現したという。

 また、過酷な環境下での使用にも耐えうるように、摂氏-25度~85度までの環境で動作を保証している。

 容量は、CFが1/2/4GBの3製品。メモリースティックPROには1GB、2GBの2製品が用意される。なおCF版については容量8GBの製品も近い将来に投入される予定。

Extreme IIIシリーズCF(4GB) 同メモリースティックPRO(2GB)

 メモリースティックPRO Duoとして最大となる2GB容量の製品も発表された。9MB/secの高速書き込みに対応した「Ultra II メモリースティックPRO Duo」、通常タイプの「メモリースティックPRO Duo」の2製品が用意される。2~3カ月以内の発売とされ、価格は未定。

 そのほか、International CESでも公開されたUSB端子内蔵のSDメモリーカード「Ultra II SD PLUS」が5月より国内も発売されるほか、ゲームアクセサリ市場を想定したメモリースティックPRO Duoのクリアボディ版も3月より投入される。容量は128MB/256MB/512MB/1GBの4製品で、各容量ごとにボディカラーが異なるのが特徴。

USB端子内蔵のSDメモリーカード「Ultra II SD PLUS」のモックアップ
国内販売は未定だが、会場で配布された超小型メモリ「TransFlash」。右はSDタイプのTransFlashカードリーダ TransFlashの裏面 ケースに収納したところ

●フラッシュメモリ市場は順調に成長

 会場では米Sandisk CEOのEli Harari氏が、フラッシュメモリ市場の概況や同社の置かれた現状などについて語った。

 Harari氏は、まず同社の沿革について「16年前、メモリカード事業を始めた当時、デジタル写真に必要なリムーバブルストレージ製品はなかった。このコンセプトはわれわれが開発したもの。ソニーや東芝、松下、富士写真フイルム、オリンパスらとともに、メモリカード製品の標準化について協力してやってきた」などと説明。

 同社は世界のフラッシュメモリのリテール市場で40%のシェアを持つが、反面、国内市場ではSandiskのブランド力が低い点も挙げ、「メモリカード製品のパイオニアであるにも関わらず認知度が低い。今後もさまざまな活動によって認知度を上げていきたい」と意欲を示した。

 メモリ製品については、「市場成長は目を見張るものがある」とその好調ぶりをアピール。デジタルカメラ用途でのメモリ製品は引き続き重要な位置にあるとし、また携帯電話、USBフラッシュメモリ、MP3プレーヤー、ポータブルゲーム機など、新しいマーケットの立ち上がりにも期待を寄せているという。

 デジタルカメラ市場については、「思ったよりも成長に時間がかかった。インターネットの普及とともに、デジタルの写真を利用する機会が増え、ともに成長してきた」と分析。「今はとても大きな市場となり、売り上げの大半はデジタルカメラ用ストレージ製品のもの」という。

 携帯電話やUSBフラッシュメモリなどの市場については、「今後はストレージ容量も大きくなり、さまざまな製品の要求がある。結果として単価が下がっていき、普及していくことになる」とし、メモリ製品のコスト低下は、自社の技術力の向上によって実現していくという。

 同社の売り上げは、2002年が5億4,200万ドル、2003年が10億8,000万ドル、2004年が17億8,000万ドルと急成長を続けている。

 「期待したとおり、コンシューマ市場でのコストは下がり続け、消費者に安価な製品を提供できた。現在のフラッシュメモリ市場は512GB製品が価格、容量バランスのとれたスイートスポットだが、2005年末あたりには1GBがスイートスポットになってくる」

 容量あたりの単価についての見通しとしては、下表の通り。単価が下がることで、メモリカードの使い捨て的な利用方法も普及していくという。

 2004年2009年
容量単価容量単価
デジタルカメラ512MB50ドル1GB10ドル
USBフラッシュメモリ512MB50ドル10GB100ドル
携帯電話128MB30ドル4GB40ドル
MP3プレーヤー512MB100ドル1GB10ドル
ノートPCN/AN/A20GB150ドル

 メモリ容量については、デジタルカメラの高画素化とともにニーズは増え続けるため、今後も大容量化が続いていく見込み。アクセス速度についても、現在は20MB/sec前後が最高速度となるが、2008年には100MB/secを実現できる見通しという。

 21日に竣工した、東芝の四日市工場についても触れ、「四日市工場には東芝と共同で300mmウェハ対応の第3クリーンルーム(Fab3)を設立した。この新棟を含め、四日市工場は世界市場の30%のNAND型フラッシュメモリを供給できるようになる。これは世界でもっとも大きい製造施設だ。Fab3には1,350億円を投資し、市場の要求によっては今後も増資する」などと語られた。

 また、「最近では中国や台湾などに工場を持つ日本の企業も多いが、我々はあえて日本国内に工場を持つ。なぜなら、より優秀で正確な技術力をもつエンジニアが必要であり、Sandiskと東芝は、それが日本のみで実現できるものだと考えているからだ」と、日本への期待を表明した。

 メモリ製品のロードマップについては、「昨年は90nmによる4Gbit製品を提供したが、2005年末には70nmプロセスによる8Gbit製品を提供できる」などとし、さらに2006年末には55nmプロセスによる16Gbit製品も視野に入れているという。

四日市工場の外観(左)と第3クリーンルーム
NAND型メモリ技術ロードマップ アクセス速度ロードマップ

 質疑応答では、「現在の価格低下については、折り込み済みの結果なのか?」という質問に対して「価格とコストのバランスがとれていない場合もたしかにある。なかなかコントロールできるものではない。昨年の第3四半期には、劇的にMBあたりの単価が下がった、毎四半期でこの状況になってしまうと問題だが、結果として市場は喚起され、110%の売り上げ増となった」などとコメント。

 「過去の例を見ても、向こう5年間は毎年40%前後のMB単価の低下が続くとみられるが、これなら将来的に1セントあたり1GBの単価を健全に実現できる」とし、これは四日市工場のFab3投入によって実現されるという見通しも示した。

 なお、「フラッシュメモリはHDDに置き換わるのか?」という質問には、「HDDは根本的に製品コストが高くなり、低価格化が難しいのは確か。10ドル20ドルのHDD製品はなかなか実現できないし、コンシューマの95%はフラッシュメモリの容量で満足できる。しかし、高容量が必要とされる用途では今後もHDDは必要とされるだろう」と語った。

□SanDiskのホームページ(英文)
http://www.sandisk.com/
□関連記事
【2月21日】東芝とSanDisk、300mmウェハ対応の四日市工場新棟
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0221/toshiba.htm
【2月8日】東芝とSanDisk、70nmプロセスの8Gbitフラッシュメモリ
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0208/toshiba.htm
【1月8日】【CES】SandiskとM-SYSTEMSが次世代USBメモリ開発で提携、活動を開始
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2005/0108/ces09.htm
【2004年10月29日】米サンディスク、512MBのminiSDカードなど新製品を発表
http://k-tai.impress.co.jp/cda/article/news_toppage/21209.html

(2005年2月24日)

[Reported by kiyomiya@impress.co.jp]

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