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SandiskとM-SYSTEMSが次世代USBメモリ開発で提携、活動を開始

Sandiskの音楽プレーヤー「Sansa e100」

会場:Las Vegas Convention Centerなど

会期:1月6日〜9日(現地時間)



 米SandiskとM-SYSTEMSは、次世代USBフラッシュメモリ用プラットフォームの開発で提携。昨年9月に共同で設立したU3社が公式に活動開始したことを発表した。また、これに対して、McAfee、CheckPointなど5社が対応を表明した。

 Sandiskは、日本国内でもフラッシュメモリメディアで知られており、M-SYSTEMSは、各社にOEMでUSBフラッシュメモリを提供している企業。国内著名メーカーのUSBフラッシュメモリにもM-SYSTEMS製品を採用しているものがある。

 U3は、両者の提携により昨年9月に設立された企業で、次世代USBフラッシュメモリのための開発者向けプラットフォーム(U3 Standard)を提供する。今年4月には、U3 Software Development Kitの提供が開始される予定。

 簡単にいうと、U3が開発する次世代USBフラッシュメモリは、セキュリティ機能を持ち、安全なアプリケーション実行を可能にする。また、PCとの接続時に自動的にU3対応アプリケーションを起動したり、USBフラッシュメモリに記録されたソフトウェアの起動を行なうためのU3 Launchpadといった機能も提供される。

 これを使うことで、ユーザーは、受信メールやブックマークなどのアプリケーションデータや動作設定をUSBメモリに格納して持ち歩き、不特定多数が共有するようなパソコンでも、安全に、自身の環境を使ってアプリケーション実行ができるようになる。

 U3は、次世代USBフラッシュメモリを単なる記憶メディアから、安全に持ち運びが可能な個人情報ストレージへと発展させることを狙っている。このため、U3は開発者に対して、APIの公開やSDKの提供を開始し、普及活動を行なう。

●APIを公開、対応アプリケーションの開発を可能に

 U3 Standardは、以下の要素から構成されている。

・U3対応ハードウェア(USBフラッシュメモリ)
・U3ファームウェア
・U3 API
・U3 Launchpad インターフェース

 U3 Standardを利用するためには、現在SandiskとM-SYSTEMSが開発中の新たなUSBフラッシュメモリコントローラが前提となる。これに、ファームウェアやWindows側ドライバなどを組合せ、各種の機能を実現する。また、U3 Standard対応のUSBメモリに格納したアプリケーションの起動や設定などを行なうためのU3 Launchpadも標準機能として提供される。

 発表当日に行なわれたデモでは、USBメモリを装着すると、ウィルスチェックプログラムが起動、安全を確認したのち、Launchpadが表示され、そこからアプリケーションの実行を行なった。また、USBメモリを抜くと、起動していたアプリケーションは自動終了する。

U3による新プラットフォームのデモ。ホテルのビジネスセンターにある共有のPCにUSBメモリを接続。ウィルススキャンなどが自動的に実行される 安全が確認されたのち、アプリケーションの起動などを可能にするU3 Launchpadが表示される。ここから起動したアプリケーションや自動起動されたアプリケーションは、USBメモリが抜かれると自動的終了する

 現在のUSBメモリは、Windowsからは、フロッピーディスクなどと同じく単なるリムーバブルなメディアとして認識され、アプリケーションは、直接、ファイルにアクセスすることでデータを扱っている。データの安全性は、アプリケーション自身が保証しなければならない。

 これに対してU3 Standardでは、APIを介して、データの格納と取り出しをサポートし、共有パソコンのようなセキュアではない環境下でも、安全なデータアクセスを可能にする。また、実行時には、自分自身を格納しているUSBフラッシュメモリの存在を必要とする。これにより「なりすまし」を利用してアプリーションから情報を引き出すことを防止できる。

 イメージとしては、認証用USBドングルとUSBフラッシュメモリを一体にしたようなものだ。

 Windows XP SP2では、USBメモリからの自動実行がサポートされたが、これは、既存のCD/DVDの自動実行機能を適用したもの。起動できるアプリケーションは1つだけに限られている。U3 Standardは、これを拡張し、複数ソフトウェアの自動実行や、実行制御のためのLaunchpadを用意した。

 ただし、セキュアな実行のためには、アプリケーションのU3 Standardへの対応が必須であり、そのための普及活動や技術支援をU3が行なう。

 USBフラッシュメモリは、急速に普及し、今ではかつてのフロッピーディスクやCD-Rなどの代わりにデータ交換メディアとして利用されている。しかし、普及に応じて、価格は急速に下がっている。

 SandiskとM-SYSTEMSは、USBメモリに付加価値をつけることで、新たな市場を創造したいと考えているようだ。ただし2社のみの技術とすることなく、他社にもライセンスし、広く普及させたい考え。

 個人環境の持ち歩きを実現するこのU3 Standard、発想としては悪いものではなく、ある程度の利便性が期待できる。ただ、USBフラッシュメモリの普及は、Windows 2000でドライバが標準で組み込まれ、挿せば使える手軽さがあったからだ。現時点では、どのような実現方法になるのかは不明だが、このあたりの手軽さがどこまで保たれるのかが1つのポイントだろう。

●携帯電話へのスロット装着で大きな成長を予測

 この発表の前日、Sandiskは単独でプレス向け説明会を行なった。これによれば、今後、成長が期待されるのは、携帯電話で、その規模は倍増していき、メディアタイプとしては、SDやminiSD、TransFlashが主流となると予測している。

 TransFlashは、miniSDの半分程度の大きさのメディアで、NokiaやモトローラなどGSM携帯電話での採用実績がある。もっとも、このTransFlash、Sandiskが提唱した規格であるため、ある程度の期待も入っていると思われる。

 これに次いで大きな市場になると予測されているのがPCに直接接続するUSBフラッシュメモリ。また、市場規模はまだ小さいものの、成長率が高いのは、音楽プレーヤー用であるとした。

 しかし、音楽プレーヤーとしては、強力なライバルとして超小型のHDDがあり、価格的な優位性を生かしていくため、Sandisk自身が音楽プレーヤーに参入したのだという。

 また、PSPなどのポータブルゲーム機も新たに市場が立ち上がるとして、トランスルーセントで蛍光カラーのSD、メモリースティックPRO Duoを製品化した。これは、容量ごとに本体色が決まっており、一見して容量が判定できるもの。

 そのほか、広く普及しているSDカードで、アダプタを使わずにPCに接続できるUSBインターフェイスを持つ製品を発表した。これは、SDカードを2つに折るとUSBコネクタ(内側のベロのような部分だけ)が現れ、そのままUSBコネクタに装着可能となる。SDカードが装着可能な携帯電話やPDA、デジタルカメラなどから、パソコンへのデータ転送を容易にする製品といえるだろう。出荷は、2005年の第1四半期の予定。

SandiskのSansa e100シリーズ音楽プレーヤー。512または1GBのフラッシュメモリを内蔵し、さらにSDカードで最大2GBまで拡張可能 携帯ゲーム機用を想定したトランスルーセントで蛍光カラーのメモリースティックPRO Duo。容量によって色が違っており、同じシリーズで、SDカードも用意される フラッシュメモリメディアを利用する機器のうち、もっとも成長率が大きくなるのは携帯電話だという。メディアタイプとしては、SD、miniSD、TransFlashが主流を占めることになると予測
アダプタ不要で、PCに直接接続できるSDカード。真ん中の部分を2つ折りすることで、USB接続コネクタが現れる
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【1月7日】米SanDisk、USB端子付きのSDメモリーカード(DC)
http://dc.watch.impress.co.jp/cda/accessories/2005/01/07/720.html
【1月7日】米SanDisk、PSPユーザーをターゲットにした
半透明デザインの「メモリースティックPRO Duo」を発表(GAME)
http://www.watch.impress.co.jp/game/docs/20050107/san.htm

(2005年1月8日)

[Reported by 塩田紳二]

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