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JEITA、2004年のPC出荷統計を発表
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JEITAパーソナルコンピュータ事業委員会 片山徹委員長 |
1月26日 発表
社団法人電子情報技術産業協会(JEITA)は、2004年1月~12月のPC出荷統計を発表した。
これによると、国内のPC出荷は、台数ベースで前年比8%増の1,145万1,000台、金額ベースで前年比3%増の1兆6,569億円となった。
台数ベースでは前年の5%増に続き、2年連続のプラス成長。金額ベースでは前年の4%減からプラスに転じた。台数、金額ともにプラスとなったのは、過去最高の実績となった2000年以来4年ぶりで、堅調な回復ぶりを見せたといえる。
2004年総出荷実績 | 台数ベースでは2年連続のプラス成長 | 金額ベースではプラスに転じた |
だが、2004年7月以降(2004年度第2四半期)の統計からデルが参加しており、調査会社から発表されている国内シェアなどから逆算すると、実質的な成長率は、台数では横ばい、金額では前年割れとも見られる。同協会では、個別のメーカーの数字については言及しないため、デルを差し引いた正確な数値は発表していないが、「感覚としては、台数、金額ともに横ばい程度だろう」としている。
ただし、年末にかけて需要は上向きつつあるのは事実だ。
2004年度第3四半期 総出荷実績 |
2004年度第3四半期(10~12月)の国内出荷実績は、前年同期比13%増の284万台、金額ベースでも同じく13%増の4,149億円と、2桁増となっている。デルの参加分があったとしても、第3四半期は確実に前年実績を上回っていると言える。これで四半期別では7四半期連続のプラスとなった。
JEITAパーソナルコンピュータ事業委員会 片山徹委員長は、「第2四半期の発表時点では、今後の市況を底堅いとしていたが、第3四半期の実績を見る限り、回復の兆しが出てきたといえる。一歩前向きな表現としたい」と語った。
特に目立つのが、企業需要の堅調ぶり。「2000年問題の時点で企業が導入したPCのリプレース需要を中心に引き続き堅調な動きを見せている。また、今年4月からの個人情報保護法の施行にあわせて情報セキュリティの強化に乗り出す企業がすでに見られており、企業需要は市場全体の牽引役となっている」とした。
2000年問題のリプレースは、今年度でほぼ終了すると見られていたが、「リースを1年間延長し、来年度以降にリプレースを持ち越したという企業も見られ、来年度以降も2000年問題によって導入したPCのリプレース需要が見込める」とリプレース需要の長期化を指摘している。
個人情報保護法の施行による具体的な押し上げ効果については「算定していない」としたが、「指紋認証システムを導入したり、セキュリティ強化のためにPCを入れ替えたりといった企業が出てくることになり、リプレースの促進材料になる」とした。
ノート/デスクトップ出荷比率の変化 |
なお、一部の企業では、HDDなどを持たないクライアントの導入を検討しているが、「これはPC出荷統計の中には含まないことになるだろう。だが、それほど台数が多くなるとは思えない」と位置づけた。
一方、個人需要に関しては、「AV機能を搭載したPCがデスクトップのみならず、ノートPCにも広がるとともに、高画質化、高機能化、使い勝手の向上といった点での改善が進められており、回復の兆しが出てきた。また、アクティブシニア層に対するアプローチや、小中高校生が自分のPCを所有するといった動きも出始めており、家庭内での買い増し需要が増加している」とした。
年末商戦においてはデジタル家電製品との競合が指摘されていたが、「デジタル家電も伸びたが、PCも伸びている。年末商戦では手応えがあった。デジタル家電とは競合する部分もあるが、ホームネットワークで接続した利用が行なわれるなど、融合した利用も増加しており、それもお互いに良い効果を生んでいる」と説明した。
同協会では、回復基調に転じたことから、2004年度(2004年4月~2005年3月)の国内のPC出荷見通しを、当初見通しの1,140万台から、1,200万台へ上方修正すると発表。「これをボトムとして、さらなる上積みを見込みたい」とした。
また、2005年の暦年の見通しについては、「具体的な数字は算出していないが、前年比7~8%増程度を見込みたい」との見方を示した。
平均単価はゆるやかに上昇 |
一方、平均単価については、この第3四半期には、第2四半期に比べてやや上昇傾向が見られ、前年同期並となった。
ノートPCは、前年同期比2%減の14万9,000円、デスクトップPCは、同1%増の13万円。全体では、前年並みの14万6,000円となった。
「企業需要において、ディスプレイと併せたリプレースが増加しているなど、オールインワンタイプの需要が増加している。また、ノートPCに関しては、モバイル需要が増加し、付加価値モデルの出荷が増加しており、今年度以降、平均単価はゆるやかに上昇していくだろう」とした。
だが、「平均単価は、売れ筋製品の変化によって影響されるものであり、本体そのものの価格は、年率5%程度で下がっていくだろう」とした。
今回は、2004年暦年の平均単価を発表したが、ノートPCは前年比6%減の14万9,000円、デスクトップPCは同5%減の12万8,000円、全体では5%減の14万5,000円になった。
なお、LenovoへのPC事業売却で、今後のJEITAへの統計参加の行方が気にされる日本IBMに関しては、「新会社になっても、JEITAのなかで引き続き活動してほしい。その点に関しては、同意いただけると考えている」と話した。
□JEITAのホームページ
http://www.jeita.or.jp/
□ニュースリリース
http://it.jeita.or.jp/statistics/pc/h16_3q/index.html
□関連記事
【2004年12月21日】JEITA、2004年度見通しと2005年予測を発表
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1221/jeita.htm
【2004年10月27日】JEITA、PC出荷は好調に推移
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2004/1027/jeita.htm
(2005年1月26日)
[Reported by 大河原克行]