富士通および富士通アイソテックは、8月9日、小学生、中学生を対象とした「富士通パソコン組立教室」を開催した。富士通アイソテックは富士通ブランドのデスクトップPCの生産拠点。 富士通アイソテックの本社がある福島県伊達郡の7町(保原町、桑折町、伊達町、国見町、梁川町、霊山町、月舘町)を対象に、約3万部の新聞折り込み広告を配布し、同地域に限定して参加者を募集。小学校5年生から中学校2年生までの女子4人を含む20組40人が選ばれ参加した。同群には約3,500人の小中学生がいるという。参加費は13万円。 富士通アイソテックは、昨年12月に、本社を東京都稲城市から同郡保原町に移転しており、今回のパソコン組立教室は、地域への社会的貢献という側面もある。 「この地域には、いくつかの工場があるが、コンシューマ向けの製品を製造しているのは当社ぐらい。地域への恩返しという意味も込めて、今回、初めて組み立て教室を開催した」と富士通アイソテックの川勝匡紘社長は語る。 伊達7町は、富士通アイソテックのある保原町を含めて、来年度以降、合併する方向で検討が開始されており、そうした意味でも7町を対象に参加者を募集したという背景がある。また、今年10月には、保原町において伊達郡7町科学教育振興大会が開催される予定で、それに先立ち、ITへの関心を啓発する狙いもあったという。
「最近、インターネットを利用した小学生による悲しい事件などが起こっていることから、小学生などを対象にした組立教室を開催することはどうか、という点も内部では検討した。だが、パソコンは、生活や学習など様々な場面で役に立てることができる道具。小学生、中学生にITに触れていただき、子供の頃から、その利便性を体感してもらいたいと考えた」という。
川勝社長は、開会の挨拶のなかで、参加者に対して、「パソコンは生活に役立つものだが、そのパソコンの先には必ず人がいるということを知って、使いこなしてほしい」としたが、これも、パソコンやインターネットの正しい使い方を訴える狙いがあったといえそうだ。 今回、組み立てたパソコンは、FMV-DESKPOWER CE70HN8。テレビチューナ機能、DVDスーパーマルチドライブを搭載した省スペース型のデスクトップパソコンで、「アテネオリンピックを、自分の組み立てたパソコンで見て、録って、楽しんでもらいたい」と、まさに旬を捉えたモデル選択だ。 CPUには、HT対応Pentium 4 3GHzを搭載、200GBのハードディスク、17型液晶ディスプレイ、Windows XP Home Editionを搭載している。 組み立てるモデルの選択にあたっては、同じく富士通アイソテックで生産している22型ワイド液晶一体型のTシリーズも検討したが、「25Kgという重量を考えると、小学生が組み立てるのには無理があると判断した」という。 今回の組立教室はインテルおよびマイクロソフトの協賛を得ており、組み立てを始める前に、インテルからクイズ形式で約30分間に渡り、パソコンの概要を説明。どんな部品で構成されているかが説明された。 実際に組み立てが始まったのが午前10時45分。富士通アイソテックの高橋克夫さんを指導員として、5人の女性社員が参加者のテーブルごとについて、組み立ての補助を行なった。 予定では約1時間で組み立てることになっていたが、全員の組み立てが終了したのが12時15分頃。当初予定を30分上回る1時間30分かかってしまった。 参加者全員で昼食を食べながら、ゲームなどを実施。その後、パソコンの電源を入れて、マイクロソフトによる操作講習会を行ない、Wordの機能を使いながら、カレンダーの作成を行なった。学校でパソコンを操作した経験がある参加者が多かったこともあって、マウスを自在に操作していたのが印象的だった。 約30分間の講習会のあと、パソコンの生産工程を見学。1時間30分かけて組み立てられたパソコンが、わずか10分程度で完成する様子を、参加者たちは興味深く見ていた。 最後に全員で記念撮影をして組立教室は終了。組み立てたパソコンは、動作確認などの検査を行ない、後日、届けられることになった。 自分のパソコンを持っていないという参加者がほとんどだったこともあって、自分用のパソコンを持てたことに喜んでいた子供が目立った。 川勝社長は、「できれば来年もやりたい。今回は最初ということもあって、地域を限定したが、次回は対象地域を拡大することも検討したい」と話した。 ■組み立て編■
□関連記事 (2004年8月18日)
[Text by 大河原克行]
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