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CEATEC JAPAN 2003が開幕
~富士通の携帯端末などが参考出品

会期:10月7日~11日

会場:幕張メッセ(日本コンベンションセンター)

入場料:登録入場制
     当日1,000円(学生500円)



 「アジア最大級の通信・情報・映像の展示会」と銘打たれたCEATEC JAPAN 2003が、10月7日から幕張メッセ(日本コンベンションセンター)で開催されている。会期は10月11日まで。

 PSX、ブルーレイレコーダなど、非PC機器の話題が目立つ今回のCEATECだが、ここではPC関連で注目される展示を紹介する。

●Windows CE.NETを搭載した小型端末が富士通と三洋から

 「PDA」というジャンルでは新製品が発表されていない今回のCEATECだが、携帯電話より大きなディスプレイと、高い処理能力、拡張性を備えたフォームファクタをどう製品化するか、いくつかの挑戦を見ることができる。

 富士通は「.u Pocket」(ドット・ユー・ポケット)という仮称の小型端末を参考展示している。Windows CE.NETをOSとするPDA様の端末だが、800×600ドットと、従来のPDAよりも解像度の高いディスプレイを搭載。このディスプレイとWindows CE.NETのリモートデスクトップ機能を活かし、自宅や会社のPC環境を外出先から使おう、と提案する。

 .u Pocket自身にはIEEE 802.11bやBluetooth、CMOSデジタルカメラ、CFスロット、SDカードスロットが搭載されており、単体でもWebブラウズやデータの閲覧が可能だ。左右キー付きスクロールホイールを備えるなど、なかなか魅力的な仕様になっている。

.u Pocket。PDAよりも若干大きめだが、高解像度のディスプレイは魅力 .u Pocketととの組み合わせが提案されている無線ルータ。外観は市販されている製品と同じだが、VPNなどに対応したファームウェアに変更されている
富士通はCFスロットに挿すPDA用スキャナも参考展示。PDAごと握ってハンドスキャナのように利用する

 三洋電機はOSにやはりWindows CE.NET、CPUにXScale、SDカードスロット、USB、Ethernetを搭載した小型端末「HDDR-M1P」を参考展示。型番の「HDD」が表すとおり、1.8インチの20GB HDDを内蔵。

 「デジタルボイスレコーダー・AVプレーヤー」とされており、本来は音声の録音や再生、JPEG画像やWMV動画の再生を目的とする端末だが、Windows CE.NETの機能を活かしてWordやExcelのファイル、PDFを閲覧することもできる。さらに、EthernetでLANに接続するとファイルサーバーになり、ポータブルストレージとしての機能も併せ持つ。

三洋電機のWindows CE.NET端末「HDDR-M1P」。基本はポータブルストレージだが、PDA的なデバイスに発展する可能性もある

●燃料電池とバーチャルキーボードにも新規参入組登場

 ノートPC用燃料電池はNECや東芝が発表しているが、今回のCEATECでは日立製作所も参考出品。バッテリというよりは「ドック」と呼びたくなるような大きさで、今後の小型化が期待される。日立ではPDA用のものも参考出品されている。ノート用もPDA用も、どちらも6時間動作するそうだ。

 WPC EXPO 2003ではソニーが展示していたバーチャルキーボードだが、CEATECでは松下電器産業が参考出品している。

日立の燃料電池。ノートPC用(左)とPDA用を参考出品 松下のバーチャルキーボード

●東芝松下は12型、14型のSXGA+液晶

 現在市場にある15型未満の液晶ディスプレイは、XGA(1,024×768ドット)が最高の解像度となっているが、東芝松下ディスプレイテクノロジーは14.1型、12.1型でSXGA+(1,400×1,050ドット)の高解像度ディスプレイを参考展示。どちらもTablet PC用とされている。

東芝松下のSXGA+液晶。左が14.1型、右が12.1型

●発売前の製品が並ぶデジカメ

 デジタルカメラ関連では、松下電器産業のLUMIX、D-Snap、三洋電機のXactiの新製品が大量に展示され、自由に試すことができる。

 このほか、松下のブースでは、2日に発表された来年発売予定のLUMIXの新機種が展示されている。触れない状態ではあるものの、背面もよく見えるようになっており、シンプルで質感の高そうな様子がうかがえる。

全体的にシンプルに作られたLUMIXの新機種だが、背面のボタン類も少なめにまとめられている。DMC-LC5譲りの大きな液晶ディスプレイが目立つ

 また、2日には発表のみで実物が展示されなかった、LUMIX DMC-FX5/FX1用のワイヤレス通信アダプタが、触れる状態で参考展示されている。こちらはデジカメ本体下に取り付けるアダプタで、SDカード型のPHSカードを取り付けることで、撮影した画像をメールに添付して送信したり、専用ホームページで公開することが単体でできる。

LUMIX DMC-FX5/FX1用のワイヤレス通信アダプタ。ケーブルで本体のコネクタと接続する LUMIX DMC-FX5/FX1/FZ10を大量に展示している

 三洋のブースでは、未発表のキューブ型昇華型フォトプリンタ「DVP-P1」が参考出品されている。7日に発表されたオリンパスのダイレクトプリンタと似ているが、オリンパスの製品がPCとの接続も考慮しているのに対し、三洋の展示品はデジカメからのダイレクトプリントに特化されており、メモリーカードスロットも備える。

三洋のDVP-P1。前面に大きな液晶パネルを備える 三洋ブースにはXacti DMX-C1が大量展示

□関連記事
【10月7日】ムービーデジタルカメラ「Xacti DMX-C1」実写画像
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1007/yamada.htm
【10月7日】オリンパス、PictBridge対応デジカメ5機種
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1007/olympus2.htm
【10月2日】松下、マニュアル操作志向のLUMIXを参考展示
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2003/1002/pana2.htm

●SDカード vs メモリースティック

 SDカード陣営とメモリースティック陣営はそれぞれ専用ブースを構え、採用製品を大量展示することで、自陣営の優勢を誇示している。

 SDカードブースで目に付くのは、デジタルカメラ、ワイヤレスアダプタといったSDIO製品。対してメモリースティック陣営はデジタルマイクロスコープやトレーニングマシンといった、珍しい製品が目を惹く。

SDカードのブースは採用製品を大きなショーケースに一覧展示して、迫力のある演出 米国ではCFでもWiFi製品をリリースしているSanDiskが、SDIOのWiFiカードを展示
松下のSDIO対応GPSレシーバ SDIO対応WiFiアダプタで知られるシイガイズは、FMチューナー(左)とデジカメを展示
メモリースティックのブース ネクサスとソリッドギアは、メモリースティックに対応したトレーニングマシンを展示。ユーザーに応じたメニューをメモリースティックに記録し、トレーニングマシンを制御する。また、トレーニングのログを採ることもできる
メモリースティックに対応したデジタルマイクロスコープ。すでに市販されている メモリースティックPROのセキュリティ機能を利用するためのハードウェア(参考出品)。この製品に挿し込むだけでメモリースティックPROをロックすることができる。将来は左写真の奥のネックレス型のように、小型化する

●そのほかの注目展示

 三菱電機では、ヘッドマウントディスプレイを展示。試験放送中のモバイル放送を実際に見ることができる。

 個性的なデジタルカメラを多数リリースしているNHJには、モックアップながら400万画素CCDや500万画素+光学3倍ズーム搭載モデルなどが展示されている。

三菱電機のヘッドマウントディスプレイ。解像度はVGA。右端はより高解像度でハイビジョンにも対応するモデルだが、ヘッドにマウントできるほど小型化できていない
NHJのデジタルカメラのモックアップ群
NTTドコモブースにあった、FOMAで遠隔操作するロボット掃除機。やたらとレスポンスがよいので動作原理を聞いてみたら、懐かしのDTMF音で制御していたのでした

□CEATEC JAPANのホームページ
http://www.ceatec.com/

(2003年10月8日)

[Reported by tanak-sh@impress.co.jp]


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