会場:San Mateo Marriottホテル 5月6日~7日(現地時間)、米カリフォルニア州San Mateo市で、PalmSource主催のPalm OS開発者向けイベント「PalmSource Developer Seminar」が開催されている。 今回の大きな話題は、次期OSであるPalm OS 6。7日の最後のセッションでその概要が明かされる予定だ。もう1つは、Palm OSを使って携帯型ゲーム機を作るというTapwave。6日にはその概要を解説するセッションがあった。 ■ハンドヘルド機は細分化の方向へ 最初の基調講演に登場したのは、PalmSource CEOのDavid Nagel氏。同氏は、今年のIT関連投資が増えるという調査結果などを前提に、ハンドヘルドコンピュータ(日本でいうPDAだが、カテゴリ的にはノートPCよりも小さいサイズのコンピュータ全般を指す)の市場が当面は成長すると予測。また今後は、汎用のハンドヘルド機よりも、金融や教育といった分野別、位置情報やコントローラーといった用途別のものが増えていくとした。 また半数近くのユーザーが、なんらかの形でワイヤレス機能を欲していることから、PIM(Personal Infomation Management。住所録やスケジュールといった個人情報管理)と、MP3やJPEGなどの再生や表示機能にワイヤレス機能が加わったものが今後のハンドヘルド機の方向になると述べた。 ■Palmベースのゲーム機の概要を公開
午後のPalm OSライセンシーのカンファレンスでは、携帯型ゲーム機を開発中のTapwaveと、腕時計形PDAを開発中のFossilが登場した。 Tapwaveは、Palm OS 5をベースに、ARM9プロセッサを使った携帯型ゲームプラットフォームを開発中。多くのメンバーは、Palmの元社員である。 320×480ドットのカラー液晶を装備する同社のマシンは、従来のPalm機と違って、ビデオのハードウェアアクセラレーション機能を持つ。ビデオチップにはATI TechnologiesのIMAGEONが使われる予定とのことだ。これに2D、3Dのグラフィックライブラリを用意し、携帯してどこででも遊ぶことができるゲーム機とする。 ユーザーとしては、ゲームボーイを卒業した30代後半ぐらいまでのゲームユーザーを想定しており、持ち歩いてPDAとしても利用可能なゲーム機を目標としている。 アナログ方式のコントローラーや、各種のボタン、ステレオスピーカー、SDカードスロット、Bluetoothなどを装備し、ゲームボーイがケーブルで行なっている対戦ゲームを、Bluetooth経由で実現する。また、システムの拡張にはSDIOを使うことを想定しており、試作機には2つのSDカードスロットがあった。 残念ながら、試作機やカスタマイズしたラウンチャーの画面などの撮影は許されなかったが、ラウンチャーはゲームパッドのコントローラーを意識しており、カテゴリ分けされたアプリケーションが8方向に並び、その方向にコントローラーを倒せば選択されるという形式になっていた。 ■Fossil腕Palm機の価格が明らかに Fossilは、2002年11月のComdexで、Palm OSを搭載した腕時計形PDAを発表したが、今回はデベロッパ向けに、対応アプリケーションなどを作るためのガイドラインなどを説明した。 出荷は6月以降で、価格は179ドルから295ドルとバリエーションがある。この差は、時計のデザインやブランドの違いのようで、機能的な差はないようだ。また、現在Fossilの製品を扱っているMacy'sなどのデパートでも販売される予定だという。
□PalmSourceのホームページ(英文) (2003年5月8日) [Reported by 塩田紳二]
【PC Watchホームページ】
|
|