●まえおき ガリレオはシャープが「パーソナルサーバー」と称している製品だ。ルータ機能やファイル共有機能など、サーバー的な機能も充実しているが、その中核となる機能は、テレビ放送をハードディスクに録画するという、いわゆるハードディスクビデオレコーダーの機能だ。 ガリレオは一般的なテレビにつないで使うハードディスクビデオレコーダーとはちょっと異なり、PCからネットワーク経由で利用できるようになっている。 この「PCから利用できる」という点が筆者にとって致命的なまでに重要だった。筆者は仕事中・そうでないときを問わず、ほぼ四六時中PCの前にいるという、PC依存生活を送っている。ガリレオがあれば、そのPCからテレビを見たりビデオを録画予約することが可能なのだ。 すでにPCによるビデオレコーディング環境を持っていたので、購入に迷いはあった。迷いはあったが、2回の発売延期により、発売までたっぷり悩む時間は与えられた。時間は与えられたが、最終的には駅前のビックカメラで「在庫ありますか」「あります」のやり取りでデビットカードを取り出してしまった。 そんな購入から1カ月。ガリレオは筆者の生活に必須なデバイスとなった。筆者のようなPC依存症人間にとって、ガリレオのどんな部分が最適なのかをレポートしよう。 ●限りなく偏った筆者のPC偏重主義 まず最初に、筆者がどれほど病的なまでにPCに依存して生活を送っているかを紹介しよう。たとえば下の写真は、我が家のテレビ周辺の写真だ。テレビの前には、スペシャルな座り心地の折りたたみ安楽椅子「ニーチェアX」と、その脇にはPCを置いている。液晶をアームで椅子の上に張り出すようにセッティングし、椅子に座ったときにテレビの真上にPCの画面が見えるようにしている。 筆者の場合、テレビの前にいてもPCから離れることはない。ここで普通の人ならば「テレビがあるなら、そっちでガリレオの映像を映すんでしょう?」と思うかもしれないが、決してそうではない。実は筆者のテレビは現在、ゲーム(具体的にはプレイステーション2のFINAL FANTASY XI)専用になっていて「テレビの前に座る=ゲームをする」という図式となっているのだ。そしてゲームをしながらテレビ放送や録画したビデオを見たいな、と思った場合は、このPCからガリレオにアクセスする。不条理に思われるかもしれないが、我が家ではテレビにテレビ放送やガリレオの画面が映ることは、ほとんどない。
「いつどこでテレビを見るの?」と聞かれれば「いつでも見られるし、見ている」と、なんか胡散臭いユビキタスなんちゃらの標語みたいなことを答えられる。筆者は仕事をするときも作業用のPCの前に座りっぱなしだし、本を読むときもテレビの前の椅子に座りつつPCの電源を入れておくし、寝るときも枕元にバイオUを置いている。要するに四六時中PCの前にいるわけだ。そしてガリレオがあれば「PCの前にいる=テレビを見られる」ということになるので、筆者は四六時中、テレビを見られる環境にいることになる。 ちなみに筆者には、大画面でテレビを見たいという欲求はほとんどない。PCで他の作業をしながら、VGAくらいのウィンドウで見ることで、十分だと考えている。 ●操作性はテレビよりPCのほうがよい もちろん、ガリレオをテレビ画面とリモコンで操作することは可能だ。しかし小さなリモコンと解像度の低いテレビ画面での操作は、キーレスポンスも悪く、PCに比べると使い勝手は良くない。また、テレビ画面とリモコンでガリレオを直接操作するときよりも、PCから操作したときのほうが利用できる機能は多い。後述するルーター機能やインターネット公開機能などネットワーク関連機能はPCから設定するようになっているし、そもそもファイル共有機能はテレビで利用する意味がない。またビデオに関しても、低ビットレートのMPEG-4を作成・閲覧するのはPC独自の機能だ。PCから行なえないのは、ごく初期の設定とソフトウェアアップデート作業くらいのものだ(ちなみに発売から1カ月程度ですでに2回アップデートされている)。 ガリレオのビデオデッキとしてのほとんどの機能は、常に目の前にあるPCから利用できる。テレビとビデオを、どのPCからも利用できる1つの機能にしてしまう。ガリレオは、PC依存症な筆者に最適なデバイスなのだ。
●「ながら作業」向きのビデオ再生 PCからガリレオにアクセスするには、最初に「MediaPalette」という専用ソフトをガリレオからダウンロードしてPCにインストールする。ちなみにガリレオにアクセスできるのはガリレオに事前に登録された5台のPCまでに限られる。登録PCは簡単に消去・追加が可能だ(登録消去はPCからは行なえない)。 MediaPaletteを起動するとガリレオとの認証が自動で行なわれ、メインメニューが表示される。メインメニューでは放送中のテレビ画面と各局の番組名、録画したばかりのビデオや未視聴ビデオなどのリスト、そして公開アルバムなど様々な項目が表示される。ウィンドウのサイズは可変で、XGAの画面があれば余裕を持って表示できるだろう。 テレビ放送や録画ビデオの表示には、別画面を立ち上げられる。こちらのウィンドウのサイズはVGA、QVGA、QQVGAを切り替えられる(不思議なことに切り替え動作は異常に速い)。 この表示ウィンドウは「ながら作業」に向いたデザインになっている。チャンネル切り替えや再生ボタンなどが最低限表示されるだけなので、画面の占有面積が少ないのだ。筆者の仕事用のPCのSXGA×2環境では、セカンダリディスプレイ全面にタブブラウザを表示させた状態でも、プライマリディスプレイにガリレオの映像をVGA表示させつつ、さらにエディタやメーラで作業が行なえる。究極の「ながら」スタイルだ。 【お詫びと訂正】記事初出時、「MediaPaletteでは全画面表示ができない」旨を記述しましたが、MediaPaletteをダブルクリックすることで全画面表示は可能でした。ご迷惑をおかけした皆様にお詫びするとともに、ここに訂正させていただきます。 ビデオ再生時のウィンドウも気が利いている。再生・停止などのボタンのほかに、シークバーと30秒巻き戻し・早送りボタンが表示される。たとえば映画やドラマを見ていて「ちょっと今のシーンを見逃した」という場合に、このボタンが便利だ。「ビデオを見ながら作業する」といった場面では、重要なシーンの見逃し・聞き逃しも多いので、非常にありがたい。
ちなみに、ガリレオ画像の再生に当たっては、筆者の環境では2つ問題が発生した。まずはノートPCでの利用だ。ビデオの再生やテレビ放送の閲覧はMPEG-2のストリーミングをPC側で再生する、という形式になっているのだが、ビットレートの問題からIEEE 802.11bの無線LANでは満足に閲覧ができないのだ。ただ、ストリーミング処理には貧弱といわれるCrusoe搭載のバイオU(PCG-U3)でも、有線LANではコマ落ちせずに見られているので、IEEE 802.11gなど高速な無線LANを導入すれば改善されると期待している(未導入だが)。 もう1つは厄介な問題だった。筆者の作業用PCはデュアルDVIに対応する数少ないビデオカードの1つ「Millenium G550」を搭載している。コイツがくせ者で、オーバーレイ表示に関してはよく問題を起こすのだ。そして案の定、Intel 845のマザーボードとWindows 2000の環境では、ガリレオの画像を一切表示できないという状況に陥ってしまった。 結果としては、マザーボードを交換することで表示可能となり、そのマザーボードもビデオカードを換えれば表示可能になるという、自作PCでありがちな「よくわかんないけど解決」という結論を迎えた。それ以外の環境では問題は起きていないので、かなり珍しいケースだと思われるが、偏ったPC環境の方は気をつけられたほうが良いだろう。 ●テレビ放送をPCコンテンツに落とし込む録画予約 ガリレオ導入後、筆者の見るドラマやアニメの数は極端に増えてしまった。元々アニメオタクなので、それなりに録画する本数は多かったのだが、現在はちょっと気になるドラマなども気軽に予約するので、毎週24番組となっている。このほかに突発的に映画やドキュメンタリーを録画するので、もはやガリレオの120GBのハードディスクがギリギリ、という状況だ。 このビデオ録画増加の原因は「ガリレオの映像がPCで他の作業をしながらも見やすい」ということもあるが、それよりも「ガリレオの録画予約が非常に簡便」ということが大きい。 ガリレオ導入以前から、筆者はハードディスクビデオレコーディングをヘビーに使っていた。サーバーマシンにビデオチューナーカードを挿し、録画ビデオを共有フォルダに保存するようにして、家中どのPCからでも録画ビデオを閲覧できるようにしていた。非常にガリレオに近い機能だが、この環境では問題があった。というのも、サーバーマシンは頻繁に操作するものではないと決め付け、電話機などと同じ棚に設置し、立ったまま操作する形式でセッティングしてしまったのだ。 このような状況では、リモートデスクトップ機能を使って、サーバーをネットワーク経由でコントロールできるようにするのが通常だ。そう思って筆者はまず、リモートデスクトップ機能を使えるようにした。しかし本来ビデオカードが行なうテレビ画面のオーバーレイ表示は、リモートからログオンすると使えなくなり「オーバーレイができません」というアラートウィンドウが絶えず開くという問題が発生した。 動作の軽いリモートコントロールソフト「VNC」を使うという選択肢もあった。しかし、2年以上ビデオサーバーを運用し、何度もOSの入れ替えを行なった経験は「サーバーは極力シンプルで、安定性を重視しなければいけない」という鉄則を告げていた。WMVのリアルタイムエンコードを行なうようヘビーなテレビ録画ソフトを常時起動させている環境だと、どんなソフトとコンフリクトするとも限らない。自動時刻調整ソフトが時刻調整を行なうと同時に、正時から開始されたビデオ録画がサーバーを停止させ、毎週楽しみにしていた深夜アニメの録画に失敗しようものなら、その日いっぱいは暗い気持ちで過ごさざるを得なくなる(経験談)。 けっきょく、筆者はサーバーをテレビ録画ソフト以外、何もインストールしていないWindows 2000 Professionalで稼動させることを選んだ。そしてこの環境では、録画したビデオの閲覧はネットワーク経由で行なえるが、録画予約操作は立ったまま行なわなければならないのだ。これが、面倒だった。 しかしガリレオの場合、ほぼすべての操作をネットワーク経由でPCから行なえる。録画予約だろうがなんだろうが、PCの前にいれば行なえる。そして筆者は、四六時中PCの前にいる。つまり筆者は四六時中ガリレオにアクセス可能で「この番組を見たい」と思った次の瞬間に録画予約できるのだ。
そしてもう1つ、重要なポイントは、ガリレオでの録画予約の簡便さだ。 ハッキリ言って、ガリレオでの番組表の閲覧性は高くない。たとえば筆者がサーバーマシン上で使っている録画ソフト「bitcast.tv」では、インターネットで配信される番組表データ「ADAMS-EPG+」を元に、全チャンネル・1日分を一気に番組表として表示する。スクロールの必要があるものの、閲覧性しやすい。一方、ガリレオの番組表はというと、単一のチャンネルの1日の番組しか一度に表示できない。 筆者は当初、ガリレオの一覧性の低い番組表にガッカリした。せっかく広いPCの画面があるのに、それを活かしきれていないのだ。しかし、その落胆が間違いであることをすぐに思い知らされた。いや「番組表の一覧性だけが重要」という認識自体が間違いであることを思い知らされた。ガリレオの番組表は、一覧性こそ低いが、シンプルながら強烈な検索性があるのだ。 たとえば番組表の上にあるキーワード入力部に「森」と入力し、リターンキーを押す。すると画面には、森繁久弥出演番組から「ニュースの森」まで、ADAMS-EPG+のテレビ情報に「森」が含まれるすべての番組が表示される。今度はキーワード入力部を空のまま、となりのジャンルを「アニメ・人形劇」にして検索ボタンを押そう。すると今度はADAMS-EPG+の分類上「アニメ・人形劇」となっている番組が、すべて表示される。
非常にシンプルな検索機能だが、これが果てしなく便利なのだ。たとえば通常のビデオデッキで録画予約をすることを考えてみよう。
普通はこのような3段階を踏むことが多い。しかしガリレオの場合は、この3段階の手順「情報収集・検索・予約登録」を一気に行なえる。これは一度経験すると、やめられない。 番組表データを検索して録画予約する機能は、ソニーの「CoCoon」などにも搭載されている。しかし、やはりPCに深く依存した生活を送る筆者には、この検索録画機能がPCから使えることに強い意義を感じる。 たとえばニュースサイトを閲覧しているとき、ふと好きな女優がドラマに出る情報を仕入れたとする。こんなとき、筆者はすかさずMediaPaletteを立ち上げ、その女優の名前かドラマのタイトルをガツンと入力し、録画予約を入れる。 また、たとえば録画したビデオを見ている最中。番組宣伝CMで、来週に見たかった映画が放送されることを知ったとする。こんなときはすかさずバックグラウンドに回っていたMediaPaletteのウィンドウをアクティブにして、その映画を検索し、録画予約できる。 四六時中PCの前にいる筆者にすると「ガリレオでビデオ録画予約する」という行為は、作業をほとんど中断させないで済む、空気みたいに当たり前な行為となったのだ。そして空気を吸うように、ガンガンと録画予約をしてしまうようになった。 筆者は、このガリレオの使い勝手は「インターネットのコンテンツ」に良く似ていると感じた。Googleでサイトを検索し、その先でコンテンツをダウンロードしたりブックマークする。一方のガリレオは、インターネットのコンテンツを扱う感覚で気軽に検索し、録画予約・閲覧できる。まさにガリレオは、テレビ放送をPCコンテンツへと落とし込むデバイスなのだ。 ●あっさり導入できる外部アクセス機能 ガリレオにはルータとしての機能がある。これを利用するかどうかはユーザー次第なわけだが、ガリレオをルータとして使用すると「ガリレオにインターネット経由でアクセスできる」という強烈な機能を簡単に利用できる。 たとえば、自宅でノートPCにMediaPaletteをインストールし、ガリレオにアクセス権を登録する。ついでにガリレオに外からアクセスできるように設定しなおしておく。そのノートPCを会社に持っていき、会社のインターネット環境を拝借してMediaPaletteを起動させると、MediaPaletteは勝手に「ここは自宅じゃない」と認識し、インターネット経由で自宅のガリレオに接続する。もちろんADSLなどの常時回線が必要だが、導入はいたって簡単だ。 ちなみに外からのアクセスは、LAN内で登録したPCからしか行なえない。ネタをばらせば、筆者はガリレオでシンガポールで暮らす兄と母に日本のテレビ番組を見せることができるのではないか、と考えていた。しかし、ウチのLAN内で登録したPCを向こうに持っていく必要があり、まだ実現できていない。 また外からの利用には、いくつか制限がある。たとえば放送中の番組視聴はできない。見られるのは録画ビデオだけだが、アップロード回線の遅いADSLでは、通常のMPEG-2録画を外から見ることは事実上、不可能となってしまう。 この外からのアクセスを補助する機能として、ガリレオにはMPEG-4の自動作成機能がある。録画予約時に、ついでにMPEG-4のコピーを作成する、というものだ。MPEG-4は300kbps程度固定と、少々ビットレートが低すぎる感もあるが、これならばADSL経由でも外から見ることができる。またビットレートが低いので、無線LAN経由で見る際にもコマ落ちの心配はない。 ただ、録画時に自動MPEG-4作成を指定すると、MPEG-4作成にかかる時間(録画時間の6倍程度)はガリレオは他の番組を録画できなくなってしまう。つまり18時~19時までの番組を録画予約し、MPEG-4自動作成を指定した場合、18時~25時までの7時間、ガリレオの録画機能が停止してしまう。MPEG-4のエンコードはかなりマシンパワーが必要な作業だが、自動でスケジューリングしてMPEG-4作成を後回しにする、くらいの機能が欲しかったところだ。 ちなみにMPEG-2もMPEG-4も、ガリレオ内部に保存されたビデオは、MediaPaletteでPCにダウンロードすることも可能だ。長時間回線を占有してもいいというならば、インターネット経由で録画したMPEG-2ビデオを取り出すこともできるわけだが、やはりADSL回線ではつらいところだろう。 ●何故かサーバー機能が豊富なガリレオ ガリレオは、シャープが無料で提供するDynamic DNSのサービスを利用することで、インターネットサーバーとして機能するようになる。登録もいたって簡単なので、ぜひもなく利用するべき機能だ。ちなみにDynamic DNSとは、ドメイン名(たとえばpc.watch.impress.co.jp)を一般のISP経由でつなぐエンドユーザーのルータ(もしくはPC)に割り当てるという機能だ。 たとえばDynamic DNSを使えば、ガリレオのホームページフォルダ内のファイルに「(好きな文字列).dhs1.sst.ne.jp/MyHomepage/」などというURLでアクセス可能になる。HTMLファイルを置けば、普通のインターネットコンテンツとして公開できるのだ。ちなみに筆者の場合、記事に使用する画像などの大きいデータの受け渡しにガリレオを利用している。 さらにガリレオには、携帯電話からも利用できるアルバム作成機能もある。こちらは友人同士でカメラ付きケータイの画像を投稿・閲覧しあうのに便利だろう。ホームページやアルバム作成機能にはパスワードを設定できるほか、細かいアクセスログも記録されるので、不正アクセスを監視できる。 また、携帯電話から録画予約や録画されたビデオタイトルの確認も可能だ。録画予約はガリレオが取り込んだADAMS-EPG+の番組表データを見ながら行なえる。メールを介しての録画予約もできるが、直接ガリレオにアクセスしての録画予約なら、録画設定のタイムラグも気にする必要はない。 なお、対応する携帯電話はiモードとJ-スカイだけとなっている。最近のauの携帯電話はiモードのページも問題なく表示できるようになっているので、このあたりは改善して欲しいところだ。
ルーター機能も充実している。スループットの上限は計っていないが、メルコのFTTH対応高速ルータ「BLR3-TX4」と比較しても8MのADSL環境では違いは見られなかった。セキュリティも各種パケット破棄機能などを持っていて十分だ。 またガリレオには何故か802.11bのアクセスポイント機能もある。ただ筆者の場合、ガリレオを決して電波状況が良いとはいえないビデオラックの中に収めているため、ガリレオの無線LANアクセス機能は使っていない。 ●ちなみに本体のデザインは ガリレオは製品写真では両脇に青いスタンドが付いているが、これは取り外すことが可能だ(筆者は取り外しの際に、見事にねじ頭を潰してしまった)。ガリレオのサイズは一般的なVHSレコーダーより小さいくらいだが、ビデオラックなど設置スペースが限られている人は、こちらを外してしまうといいだろう。また縦置き用のスタンドも付属している。
インターフェイスは後ろに集中している。ファンもあるが、音はほとんど気にならない。特に筆者の場合、ガラス戸付きのビデオラックに入れてしまっているので、よほど近づかない限り駆動音は聞こえない。 ガリレオにはUSBとPCカードのインターフェイスもある。これは作成したMPEG-4ファイルをUSBやPCカードのストレージに保存し、ザウルスやノートPCなどのモバイル機器で再生することを前提にした機能なのだが、USBポートは背面、PCカードスロットは本体前面にあるので、これらを利用する場合は設置場所に気を使う必要があるだろう。 本体前面にボタンがあるが、正直にいえば、筆者は電源ボタン以外触っていないし、電源ボタンも強制リセットをかけるときしか触っていない。そのくらいの物なので、ビデオラックに収めて問題はないだろう。 ●PC依存症の方にオススメ ガリレオを買ってよかったか、と言われれば、筆者は「サイコー」と答える。それだけ最適な機能をガリレオが持っていた。 「画質がどう」とか「5.1chがアレ」などのこだわりは、筆者には一切ない。そもそも筆者の家の地上波放送は、機器の設置状況やチャンネルによっては「みなさん分身してますね?」というくらいゴーストがクッキリ見える。最高の設置状況を作り上げても、画質へのこだわりは無駄だ。 となるとこだわるべきポイントは使い勝手となる。そしてPCに深く依存した生活を送る筆者にとって、ガリレオの使い勝手は「サイコー」といえる。四六時中PCの前に座っていれば、四六時中ガリレオにアクセス可能で、すでに生活に浸透したインターネットの検索と同じ感覚でテレビ番組を検索・録画・閲覧できるのだ。 万人にガリレオが薦められるかというと、それは別問題だ。正直、筆者ほどPCに依存した生活を送っている人間はマレだろう。少なくとも普通の人間は、テレビの前に座ったらそのテレビでテレビ放送を見るはずだ。テレビの前に座っておいて、PCでテレビ放送を見るような筆者は、変態の域に達しているといわれても仕方がない。 しかし、そこまで行かないでも、ネットワーク経由でビデオを利用したい、PCで録画予約をしたい、というニーズには、ガリレオは答えてくれる。万人に薦められる製品ではないが、ちょっとPC依存症の兆候が見られる人には「購入検討の価値あり」な製品だ。
□シャープのホームページ (2003年4月30日) [Text by 白根 雅彦]
【PC Watchホームページ】
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