大河原克行の「パソコン業界、東奔西走」

地上40階、IT完備の高級マンションが秋葉原に出現
~ソニープロデュースのモデルルームなどが公開



 秋葉原駅前の再開発プロジェクトが進む中、2004年9月に同再開発地区に竣工予定の千代田区内最高層マンション「TOKYO TIMES TOWER」のモデルルーム「TOKYO TIMES TOWER STATION」が3月8日に公開される。それに先立って、報道関係者向けにその内容が公開された。

鹿島建設 山口皓章取締役

 東京都は、2000年に発表した「東京構想2000」のなかで、秋葉原地区をIT関連産業の世界的な拠点として形成することを明らかにしているが、TOKYO TIMES TOWERは、再開発の核となる31階建ておよび22階建ての「ITセンター(仮称)」に隣接する形で、営団地下鉄末広町駅寄りの敷地に建つことになる。

 鹿島建設の山口皓章取締役は、「秋葉原は、IT関連だけでなく、自動車の部品成形に必要な金型の部材が入手できるなど、まさに、日本の物づくりの拠点となる場所。再開発によって、シリコンバレーをそのまま秋葉原に持ってくるような世界的なITの拠点として、また、千客万来の商業施設としての役割、そして、TOKYO TIMES TOWERによる新しい生活スタイルの空間が実現することができる。電気街としての秋葉原をさらに大きく拡充することができる」とした。


●最高級の規模と設備を備えた「TOKYO TIMES TOWER」

ミニチュア模型

 TOKYO TIMES TOWERは、建築面積1,479平方m、地上40階、地下1階、延床面積39,518平方mという大規模タワーマンション。

 1LDKから4LDKまで46タイプの部屋を用意。広さも約40平方mから約200平方mまである。最多価格帯は、2LDK、60平方m、6,000万円台。広さや機能性だけでなく、愉しい、気分がいい、といった人の感性や価値観までも大切にした暮らしをデザインしている、というのが基本コンセプトだ。

 鹿島建設独自のスーパーRCフレーム構法を採用、柱や梁(はり)が少なく空間を有効活用できるのが特徴。高強度コンクリート、高強度鉄筋の採用、スーパービーム、制震装置の採用により、耐久性、耐震性を向上させているという。

 3階から37階までは44平方m~129平方mまでの38プランを用意、メニュースタイルによる自由設計が可能。38階は間仕切りが自由にできるオーダースタイルとして7プランを用意。同フロアの居室では2.7mの天井高を確保している。39階、40階は自由設計が可能なフリースタイルとしている。

 特徴的な設備として、インターネット接続用に光ファイバーが各戸に接続。戸内のすべての部屋にLANポートが用意され、プロバイダーは自由に選択できる。セキュリティ対策の一環として、携帯電話を利用した入館システムも稼働させる考えだという。

 熱反射ガラスによる外観デザインを採用しており、1階にはタイムズカフェ(エスプレッソ・アメリカーナが入居予定)が設置。居住者はコーヒーなどの割引や宅配サービスを受けられる。また、13階にはフィットネススクエア、31階にはスカイラウンジ、ゲストルームが設けられる。エントランスホール、スカイロビー、タイムズカフェは、無線LANスポットとなる予定だ。

「東京構想2000」は、9ヘクタールの敷地に、地上31階建ておよび地上22階建ての「ITセンター(仮称)」と、「TOKYO TIMES TOWER」で構成される ITセンターには、オフィス、コンベンションホール、イベントスペース、各種飲食店が入居する予定。TOKYO TIMES TOWERにはスカイラウンジ、スカイロビーなどのほかゲストスイートも用意される。各エリアとも光ファイバー、無線LANが利用可能
光ファイバーは、1本を1住戸で占有。安定したインターネット環境も売り物 モデルルームでは、iMacが置かれた部屋のシーンも。これは、25階の2506号室を想定したもの
38階のオーダースタイルの部屋では間仕切りが自由にできる


●ソニーがプロデュースする「S-STYLE」

 それ以外の大きな特徴として、TOKYO TIMES TOWERでは、オプションでソニーとタイアップした「S-STYLE」を用意している。

浴室に用意されたプロジェクション

 S-STYLEとは、ソニーのAV機器を利用して、室内の機器を統合コントロールするとともに、ソニーが空間デザインまでもプロデュースしたもの。

 ソニーでは、「量販製品とは違う形で、空間モデルをソニーならではのテイストで実現した。基本的には、機器の存在を排したものになっているが、見せる部分や隠す部分、あるいはしまう部分、飾る部分を切り分けて空間を演出した。壁や天井、浴室でも映像が見られるような仕掛けを施している」としている。

 モデルルームのTOKYO TIMES TOWER STATIONには、3タイプの部屋が用意されるが、そのうちの一室がS-STYLEを実現した部屋となっている。

 4台のプロジェクターを配置し、各部屋で映像が見られるほか、キッチンに置いたエアボードから、AV機器や照明をコントロールすることが可能。

 鹿島建設開発事業本部 山本俊行課長は、「S-STYLEは、単なるAV機器の導入に留まらず、ステンレス床、ガラスによる壁などの内装デザインまでも含めたもの。配線に関しては、天井配線を採用しており、AV機器だけのオプションセットであれば、300~400万円の上乗せとなる。内装、AV機器などを含めたフルセットの場合、2LDK、63平方mの部屋で約1,200万円の上乗せになる」とした。

 モデルルームで用意しているのは、1,200万円のタイプで、エアボード1台、プロジェクター4台、バイオ、オーディオシステム、ガラス壁、ステンレス床などが含まれる。

 鹿島建設によると、「全戸数のうち、S-STYLEの対象となる部屋は約2割で、60平方m以外の部屋にも、120平方mまでいくつかの部屋を用意する予定。入居者全体の1割程度がS-STYLEになれば大成功だと思う」(山本課長)という。

 しかし、60平方mで6,000万円台という価格に加えて、1,200万円の上乗せというのは、鉄道6線が乗り入れる都心の一等地とはいえ、かなり高価な印象は拭えない。あまりにも高嶺の花と思う人は少なくないのでは?

 なお、モデルルームであるTOKYO TIMES TOWER STATIONは、東京駅八重洲南口に開設される。ちょうど八重洲ブックセンターの道を挟んで反対側の位置だ。一般公開は3月8日からで、営業時間は、平日午前11時から午後6時まで、土日祝日は午前10時から午後5時まで。水曜日が定休日。住所は、東京都千代田区丸の内1-26-11。電話番号は0120-36-5531。

リビングルームには、大型PDPと5.1Chスピーカーによるシステムを設置。ガラスによる間仕切りと、独創的なライティングで独特の雰囲気を演出する DENと呼ばれるスペース。バイオと、透明の床の下には、砂利が敷かれ、さらに床からの照明。これもソニーのプロデュースによるもの
隠すところは隠すというコンセプト通り、天井からぶら下げたプロジェクターも見えないようにする工夫が取り入れられている S-STYLEでは、エアボードから全室のAV機器をコントロールする

□TOKYO TIMES TOWERのホームページ
http://www.t-t-t.jp/
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~2つの超高層ビルの建設を予定
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0219/akiba.htm

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(2003年2月26日)

[Text by 大河原克行]


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