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ソニー、バイオの出荷計画を大幅に下方修正
~第3四半期決算は過去最高の実績

徳中暉久副社長兼CFO

1月29日発表



2002年第3四半期の連結業績

 ソニー株式会社は29日、2002年第3四半期(2002年10~12月)連結業績を発表した。売上高は前年同期比1.2%増の2兆3,077億円と、四半期ベースとしては過去最高を記録。営業利益は前年同期比25.8%増の1,995億円、税引前利益は69.3%増の2,019億円、当期純利益は95.9%増の1,254億円の増収増益となった。

 エレクトロニクス事業は、市場環境の低迷によって597億円の減収となったものの、損益面ではコンポーネント、半導体、コンシューマ向けAV機器が収益構造改革の影響によって好調に推移。エレクトロニクス全体での営業利益は、前年同期比14.1%増の821億円と増加した。

 プラズマテレビ、デジタルスチルカメラ、クリエが大幅に増収となった一方、市場環境の悪化でバイオが大幅な減少。情報・通信分野は営業損益がマイナス122億円、売上高で18%減。さらに、PC用のブラウン管ディスプレイが減収となった。地域別には、日本および米国で減収、アジア地域を含むその他地域が増収となった。

 バイオシリーズは、全世界で440万台の年間出荷計画を130万台下方修正し、310万台とした。形態別の内訳は、デスクトップPCが120万台(70万台の下方修正)、ノートPCが190万台(60万台の下方修正)としている。

エレクトロニクス事業は減収増益 堅調のAV機器に対し、情報通信は減収減益 バイオの出荷見通しを下方修正

 バイオの事業に関して、徳中暉久副社長兼CFOは、「第3四半期は、急激な価格変動の影響を受けた。バイオは、PCのプラットフォームを使いながら新しい市場を創出するというコンセプトであり、事業担当部門では価格競争に追随しない形でいくという考え方は変わらない。バイオの生き様は変えるつもりはない。全体価格が下落する中で、コストダウンの努力には取り組んでいく。ソニーらしい、よりよい機能を訴えられるようにマーケティングのやり方にもひと工夫加えて、考え方、コンセプトをユーザーにご理解いただけるように努力することが重要だと考えている」とした。

 また映画分野では、「スパイダーマン」、「MIB II」など上期に劇場公開された映画作品のDVDおよびVHSソフトが好調な売れ行きを見せ、売上高で980億円の増収となる2,563億円、営業利益で314億円の増益となる317億円と大幅な増収増益。

 ゲーム分野では、ハードウェアの戦略的な販売価格の値下げで減収となったものの、販売量が欧米を中心に大幅に増加、ソフトが全世界で増収となったことで、売上高3,841億円、営業利益717億円という高水準の売上高、営業利益を達成した。

 一方、通期の業績見通しについては変更しない。

 「第4四半期は、前年同期比4%減と見込んでおり、厳しい環境には変わりない。とくに、日本は1割減と見ている。体質に一層の改善を加え、来年度以降の収益基盤を作りたい」(徳中副社長)とした。

 なお、エリクソンとの合弁会社であるソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズABに対して、合計3億ユーロの追加増資を決定したことを明らかにした。

ゲームの売上は微増も、増益 通期見通しは変更しない

□ソニーのホームページ
http://www.sony.co.jp/
□ニュースリリース
http://www.sony.co.jp/SonyInfo/News/Press/200301/03-005/
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(2003年1月29日)

[Reported by 大河原克行]


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