システムバス533MHz時代を切り開くIntel 845Gを試す
~Intel、ALi、SiS、VIAのP4対応チップセットガチンコバトル!



CeBIT 2002で公開されたIntel 845G

 Intelはシステムバスのデータレートを533MHzに引き上げたPentium 4 2.53GHzなどを5月7日に発表したが、同時に発表されたチップセットはIntel 850EというDirect RDRAMをサポートするものだけだった。

 現在メインストリーム向けに採用されているIntel 845ではシステムバス533MHzはサポートされていなかったが、本日発表されたIntel 845G、Intel 845Eという第2世代のIntel 845ファミリーのチップセットでついに533MHzのサポートが開始されている。Intel 845G、Intel 845Eの2つは現在最もコストパフォーマンスの高いメモリになりつつあるDDR SDRAMをサポートする最新チップセットとして注目を集めており、これを待っていたというユーザーも少なくないだろう。

 今回はIntel製のIntel 845Gマザーボードを入手したので、そのパフォーマンスなどをチェックしていきたい。



●第2世代Intel 845ファミリーとして大きな機能向上を果たす

 今回発表されたのはIntel 845G、Intel 845E、Intel 845GLの3製品で、細かな機能などは以下のようになっている。

【Intel 845ファミリーのスペック】
 Intel 845(SDRAM)Intel 845(DDR SDRAM)Intel 845EIntel 845GIntel 845GL
ノースブリッジ593ピン593ピン593ピン730ピン730ピン
システムバスP4バスP4バスP4バスP4バスP4バス
クロック100MHz100MHz100/133MHz100/133MHz100MHz
データレート400MHz400MHz400/533MHz400/533MHz400MHz
ピーク時帯域幅3.2GB/sec3.2GB/sec4.2GB/sec4.2GB/sec3.2GB/sec
メモリSDRAMDDR SDRAMDDR SDRAMDDR SDRAM/SDRAMDDR SDRAM/SDRAM
クロック133MHz100/133MHz100/133MHz100/133MHz100/133MHz
データレート133MHz200/266MHz200/266MHz133/200/266MHz133/200/266MHz
最大容量3GB/sec2GB/sec2GB/sec2GB/sec2GB/sec
ピーク時帯域幅1.06GB/sec2.1GB/sec2.1GB/sec2.1GB/sec2.1GB/sec
バンク数64444
グラフィックスAGP(2X/4X)AGP(2X/4X)AGP(2X/4X)AGP(2X/4X)、内蔵内蔵
AGP帯域幅1GB/sec1GB/sec1GB/sec1GB/sec-
内蔵コア---インテルエクストリームグラフィックスインテルエクストリームグラフィックス
ICHICH2ICH2ICH4ICH4ICH4
PCIマスター66666
IDEUltra ATA/100Ultra ATA/100Ultra ATA/100Ultra ATA/100Ultra ATA/100
USBv1.1、4ポートv1.1、4ポートv2.0、6ポートv2.0、6ポートv2.0、6ポート
AC'97
Ethernet

 表1から抜き出して差を明確にしてみると以下のようになっている。

【Intel 845ファミリーの機能比較】
 Intel 845(SDRAM)Intel 845(DDR SDRAM)Intel 845EIntel 845GIntel 845GL
NBピン数593ピン593ピン593ピン790ピン790ピン
システムバス400MHz400MHz400/533MHz400/533MHz400MHz
メモリPC133PC133/DDR200/266DDR200/266PC133/DDR200/266PC133/DDR200/266
グラフィックスAGPAGPAGPAGP/内蔵内蔵のみ
USBV1.1/4ポートV1.1/4ポートV2.0/6ポートV2.0/6ポートV2.0/6ポート

 まずIntel 845Eだが、ノースブリッジのピン数が無印Intel 845と同じことからもわかるように、ノースブリッジは無印Intel 845のシステムバスを533MHzに引き上げ、新しいサウスであるICH4に変更したという、実際には1.9世代とでもいうべきチップセットだ。

 対してIntel 845Gはグラフィックス機能を新たに統合しているため、全くブランニューのチップセットになっており、Intelが“Intelエクストリームグラフィックス”と呼ぶグラフィックスコアが内蔵されている。

 Intel 845GLは、Intel 845Gのローコスト版。Intel 845Gでは内蔵グラフィックスだけでなくAGPスロットにAGPビデオカードをさして利用することができるのだが、Intel 845GLではその機能がない。さらにIntel 845GLでは、システムバス533MHzには対応していない。これはIntel 845GLが、バリューPC向け、つまりシステムバス400MHzのPentium 4やCeleron向けとされているためだ。

 発表時の価格は、Intel 845Gで40ドル半ば、Intel 845Eは40ドル弱、Intel 845GLが30ドル前後となっている。SiS645DXやSiS650などが20ドル~30ドル台の価格で販売されている現状を考えると、やや高いという感が否めないのは事実だろう。


●進化した“Intelエクストリームグラフィックス”を内蔵

 Intel 845G/GLに内蔵しているグラフィックスコア(Intelでは“Intelエクストリームグラフィックス”と呼んでいる)は、基本的にIntel 830M(モバイルPentium III-M向けチップセット)に内蔵しているグラフィックスコアと同じコアだ。

 Intel 810/815ファミリーに内蔵されていたグラフィックスコアと比べるといくつかの機能拡張がある。1つは32bitカラーモードのサポートだ。Intel 810/815に内蔵されていたコアは、24bitフルカラー(1,677万色)はサポートしていたのだが、32bitフルカラー(1,677万色)はサポートされていなかった。最近の3Dゲームなどは、16bit(65,536色)、32bitカラーから選ぶようになっているものがほとんどで、24bitカラーを選べないことが多い。そうしたゲームでは16bitカラーを選択せざるを得なかった。Intel 845Gのグラフィックスコアではそれらの問題が解消されている。

 また、Intel 830MではDirect RDRAMを、ローカルのフレームバッファとして利用することができたが、Intel 845G/GLでは省略されている。ビデオメモリはIntel 810/815ファミリーと同じようにDVMT(Dynamic Video Memory Technology)という機能で、動的にメインメモリから割り当てられる。PC起動時に8MB(BIOSセットアップで1MB、512KBも選択可能)をビデオメモリとして割り当て、OS起動時にはアプリケーションの要求に応じて必要なだけをビデオメモリとして割り当てるのだ。

 従来のメインメモリ共有型の統合グラフィックスでは、PC起動時にメインメモリのうちビデオメモリをあらかじめ割り当てる必要がある。この場合、たとえば2Dのみを使う場合には4MBもあれば十分だが、3Dを利用する場合には32MBなどの大容量を割り当てる必要がある。2Dなどではできるだけメインメモリとして使ったほうがパフォーマンスは改善されるので、2Dと3Dでビデオメモリに割り当てる容量を変更したいところだろう。だが、この場合にはOSを一度終了してBIOSセットアップを呼び出す必要があった。こうした面倒がIntel 845Gではない。

 Intel 830MではDVO(Digital Video Output)ポートと呼ばれる、DVIやTV出力などのトランスミッタを接続するポートが3ポート用意されていた。このうち1ポートはマザーボード上、2ポートはAGPスロットにさして利用するADD(AGP Digital Display)カードという拡張カードを利用して接続される形状になっていた。

 Intel 810/815ファミリーでは、DVOポートは1ポートしかサポートされていなかったので、Intel 830Mで2ポート増えたことになる。これに対して、Intel 845Gでは、オンボードのDVOポートが廃止されて、合計で2ポートがサポートさている。Intel 830Mはモバイル向けの製品となっていたため、実際のところDVOはオンボードのものしか利用されてこなかったが、Intel 845Gは、ADDカードを利用してDVOポートが利用されることになる。実際に、2月に開催されたIntel Developer ForumではADDカードが展示されており、DVIポートやTV出力をあとからIntel 845Gマザーボードに追加することができる。

 ただし、DVOではコントロールに必要なソフトウェアコードをBIOS側に持っているため、基本的には他のベンダーのADDカードとは互換性がない。従って、エンドユーザーというよりは、BTOメーカーのオプション用途として使われることが多いだろう。

 3Dでもいくつかの機能拡張が行なわれている。DirectX 7でサポートされているハードウェアT&L、DirectX 8でサポートされているバーテックスシェーダ、ピクセルシェーダなどはサポートされていないが、すでに述べたように32bitカラーモードが追加されている。3Dのレンダリングパイプラインの構成は公開されていないが、シングルパスで4テクスチャの描画可能となっている。

 3D系で最も大きな拡張はZoneレンダリングと呼ばれる機能がサポートされていることだ。Intel 845G/GLではフレームバッファを長方形のZoneに分割し、書き換える必要のあるZoneだけを書き換えることで、無駄な処理を減らすことにより、ビデオメモリ帯域幅の有効活用をはかる技術だ。統合型チップセットでは、ビデオメモリがメインメモリを共有する形となるため、メモリの帯域幅をいかにうまく使うかがポイントとなっており、これもそうした手法の1つと考えてよい。

 また、コアの動作クロックもIntel 830Mの166MHzから200MHzに引き上げられており、これらによりIntel 845G/GLの3D描画能力は、Intel 810/815ファミリー、Intel 830Mなどから比べて大きなパフォーマンスアップを果たしている。


●実測値で14倍近いパフォーマンスを発揮するUSB 2.0

 新しくサポートされたICH4では、USB 2.0コントローラが内蔵されている。USB 2.0は480Mbps(60MB/sec)の転送速度をサポートする最新シリアルバスで、現在ほとんどのPCに搭載されているUSB 1.1のポートを置き換えるものだ。

 従来のUSB 1.1の転送速度が11Mbps(1.375MB/sec)となっているのに対して、実に44倍近いパフォーマンスアップとなっている。ICH4では、USB 2.0に対応したEHCI(Enhanced Host Controller Interface)コントローラが1つ、USB 1.1に対応したOHCI(Open Host Controller Interface)コントローラが3つ搭載されており、OHCIは1コントローラが2ポート担当し、EHCIは6ポートすべてを担当することになる。

グラフ1

 今回は、実際にUSB 2.0に対応した2.5インチハードディスクケースを利用してUSB 2.0のパフォーマンスを計測してみた。その結果がグラフ1だ。利用したのはIntel 845Gで、USB 2.0を有効にした状態、さらにはデバイスマネージャでUSB 2.0コントローラを無効にし、USB 1.1だけで使える状態の両方を試した。

 結果はグラフの通りで、見てわかるように圧倒的な差となっている。特にシーケンシャルの転送速度を計測するDisk Transfer Rateのテストでは、USB 2.0のデバイスがディスクの外周(Beginning)において13,800KB/sec、つまり14MB近い転送速度を実現しているのに対して、USB 1.1のデバイスは993KBと1MB弱という結果となっている。つまり、実に14倍近い性能を実現しているといってよい。

 なお、USB 2.0では外周(Beginning)と内周(End)で結果に開きがあるため、この結果はインターフェイスの限界というよりは、ドライブ側の性能の限界と考えることができる。逆にUSB 1.1では外周と内周で差が出ないので、インターフェイスの限界が結果に影響しているといっていいだろう。このため、もっと高速なドライブを利用すれば、まだまだ高速に使うことができそうだ。


●Intel 850Eに迫るパフォーマンスを発揮するIntel 845G

 それでは、実際のベンチマークを利用してIntel 845Gのパフォーマンスに迫っていこう。

 今回テストに利用したのはIntel純正のIntel 845GBVで、Intel 845Gチップセットを搭載したATXマザーボードだ。今回は比較対象として、表3に示したような複数のPentium 4チップセットを用意した。

 IntelのIntel 850E、Intel 845(DDR SDRAM)、Intel 845(SDRAM)、SiSのSiS645DXとSiS650、VIA TechnologiesのP4X266A(システムバス533MHzへの対応BIOSアップデート済み)とP4M266、ALiのAladdin P4とIntel 845Gを入れて合計で9種類のチップセットを準備した。Intel 850、P4X266、SiS645に関しては新バージョンがでているので落とし、Intel 845に関しては比較の意味で残した。

 CPUには533MHz版と400MHz版の2つのPentium 4 2.40GHzを用意し、533MHzをサポートしているチップセットは533MHzに、533MHzがサポートされていないチップセットでは400MHzに設定して実行した。

 また、Intel 845Gに関しては、内蔵のグラフィックスを利用した状態もテストした。なお、メモリはその環境で利用できる最高のものを用意した、Direct RDRAMはPC800-40、DDR333が使えるSiS645DXに関してはPC2700(2.5-3-3)、DDR266に関してはPC2100(2-2-2)、PC133はPC133(2.5-3-3)を利用した。

 テスト環境は下表の通りで、テストの結果はグラフ2~6の通りだ。グラフから恣意的な作為を排除するため、すべてのグラフは0から始まるグラフにしてある。なお、グラフにはしていないベンチマークの結果も多数あるので、別途掲載しておくので興味がある方は参照してほしい。

【テスト環境】
CPUPentium 4/2.40GHz
チップセットIntel850Intel850EIntel845(DDR)Intel845Intel845GP4X266ASiS645DXAladdin P4Intel845GSiS650P4M266
マザーボードIntel D850MDLIntel D850EMV2Intel845Intel845Intel D845GVVIA P4PAASUS P4S533Iwill P4DAIntel D845GVJetway S450LECS P4VMM
チップセットドライバ3.10.10083.10.10084.00.10034.00.10034.00.10034in1 v4.38SiS AGP 1.09fAli Integrated 1.074.00.1003SiS V2.054in1 v4.38
メモリDirect RDRAMDirect RDRAMDDR SDRAMSDRAMDDR SDRAMDDR SDRAMDDR SDRAMDDR SDRAMDDR SDRAMDDR SDRAMDDR SDRAM
メモリモジュールPC800-45PC800-40PC2100(2-2-2)PC133 SDRAM(3-3-3)PC2100(2-2-2)PC2100(2-2-2)PC2700(2.5-3-3)PC2100(2-2-2)PC2100(2-2-2)PC2100(2-2-2)PC2100(2-2-2)
容量256MB
ビデオチップNVIDIA GeForce3(64MB、DDR SDRAM)内蔵内蔵内蔵
ビデオドライバNVIDIA Detonator XP(v28.32)Intel 6.13.01.3091SiS Version 6.13.10.2079S3 4.10
ハードディスクIBM DTLA-307030
フォーマットNTFS
OSWindows XP Professional

■ベンチマークテスト全結果
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0521/bench.xls (Excel形式)
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/2002/0521/bench.csv (CSV形式)

グラフ2 グラフ3 グラフ4

グラフ5 グラフ6

 グラフ2はStream for DOSというメモリの帯域幅をチェックするテストだ。これはユーザーの体感を示すベンチではなく、純粋にメモリの帯域幅だけをはかるものだ。これでは、みてわかるようにメモリの帯域幅順となっている。Intel 850E(3.2GB/sec)、SiS645DX(2.7GB/sec)ときて、3番目にIntel 845Gがきている。PC2100(DDR266搭載)を利用した中ではIntel 845Gが最高となっている。CPUに533MHzベースのPentium 4を利用しているためもあるが、もちろん無印Intel 845を上回っている。

 グラフ3、グラフ4はBAPCoのSYSmark2002に含まれるOffice ProductivityとInternet Contents Creationで、それぞれオフィスアプリケーションを利用している場合の性能とコンテンツ作成ソフト(PhotoshopやPremiereなど)を利用した場合の性能を指し示すベンチマークとして、ユーザーの体感に近い結果を出すと定評があるものだ。

 みてわかるように、いずれのテストでもIntel 845Gは、Intel 850Eに迫る結果を出している。両テストとも、Intel 850Eをのぞけば最高の結果を出している。SiS645DXはメモリテストでは、2番手だったが、ここでは埋もれている。ここにはグラフとして掲載していないが、PCMark2002というテストでディスク周りのベンチマークをしてみると、ディスク性能がIntel系に比べて一割ほど低いことがわかる。こうしたことからも、SiS645DXがSYSmark2002で高い性能を発揮できないのは、ディスク周りの性能が今ひとつであるためだと考えることができるだろう。

 ちなみに、メモリ帯域幅では不利なはずのVIAのP4X266Aだが、ディスク性能ではIntelをも上回っているため、実際SiS645DXとほぼ変わらない性能を実現している。

 グラフ5、グラフ6はMadOnion.comの3DMark2001 Second Edition、id SoftwareのQuake III Arenaの3D系のベンチマークで、640×480ドット/32bitカラーというチップセットの差が出やすい解像度における結果だ(他の解像度での結果は上記の別ページを参照してほしい)。

 いずれの結果においてもIntel 845Gは、Intel 850Eに迫る結果を出しており、他のチップセットを上回っている。特に、帯域幅では上回っているはずのSiS645DXも上回っていることにも注目したい。

 さて、統合型グラフィックスを利用した場合の比較だが、これにはSiS650に軍配を上げざるを得ないだろう。SiS650は、Intel 845Gの内蔵グラフィックスを利用した場合と比較して、SYSmark2002では若干下回るがほぼ同等、3D系の結果ではSiS650が上回っている。

 今回Intel 845Gのドライバは最終版にかなり近いベータ版であったため、今後改善される可能性もあるが、SiS650が400MHzベースのPentium 4で、Intel 845Gが533MHzベースであることも考慮に入れると、SiS650の方が優れているといわなければいけないだろう。SiS650は、Intel 845GやGLに比べて圧倒的に安価といわれており、そうした意味では統合型としてSiS650は今のところベストな選択であるといえる。

 まもなくSiSはシステムバス533MHzとDDR333に対応したアップデートバージョンのSiS651を投入するとみられており、さらなる性能向上も期待することができる。


●単体型チップセットとしてみれば優れたチップセットだが課題は価格

 以上のように、Intel 845GはAGPビデオカードをさして単体チップセットして利用した場合には、Intel 850Eに迫るパフォーマンスを発揮し、非常に高い性能を備えているといっていいだろう。

 依然として、RDRAMとDDR SDRAMの間には価格差があること、さらには、今後RDRAMがどうなっていくかが不安定であることを考えると、現時点でのベストな選択はこのIntel 845G、さらには今回は締め切りの都合上間に合わなかったがその単体版といえるIntel 845Eであると言っていいだろう。

 統合型チップセットしてみた場合には評価は異なると思う。すでに述べたように3D性能面に関してはSiS650にやや劣っており、価格でもSiS650に比べてやや高い。その点では、値段を下げるなり、Intel側ももう少し努力が必要だろう。

 ただ、SiS650は現時点でUSB 2.0をサポートされていない。筆者はUSB 2.0が標準でサポートされているということは、Intel 845E/G/GLを評価する上で非常に重要なことだと思う。

 一例をあげるなら、グラフ1のベンチマークだが、USB 2.0で実行したときには20~30分ほどで終わったが、USB 1.1で実行したときは9時間近くかかった。実際にユーザーがストレージとして使う場合にも、(ここまで極端ではないと思うが)かなり大きな差がでるだろう。使い勝手が大きく改善されるという意味で、USB 2.0がサポートされているかどうかは、かなり重要視してよいと思う。

 さて、チップセットの今後についてもふれておく必要があるだろう。Intelは第4四半期にIntel 845GE、Intel 845PEというDDR333に対応したIntel 845ファミリーの後継をリリースする予定がある。確かに、これらによりさらにパフォーマンスが改善される可能性はあるが、半年も待つほどの差があるかといわれれば、そうではないと思う。そうした意味では、今Intel 845G(やIntel 845E)を買い控える理由はあまりないと思われる。

 また、今後SiSやVIAからもSiS648やP4X333などの最新チップセットがリリースされる予定となっており、今後もPentium 4のプラットフォームはより充実していくことになりそうだ。

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(2002年5月21日)

[Reported by 笠原一輝@ユービック・コンピューティング]


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