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NEW PRODUCTS TESTREPORT |
NEC | ||
SmartVision Pro 3 | ||
三次元Y/C分離回路を採用したテレビチューナーカード | ||
TEXT:天野 司 Tsukasa Amano |
より小型化されたテレビチューナーユニットや新しいキャプチャチップを搭載したSmartVision Pro |
ボードは、従来製品のSmartVision Pro 2 EXよりも小型化され、テレビチューナーカードとしてはかなり小型になった。同シリーズは、もともとこの種の製品としてはかなり小型のアルプス電気製チューナーユニットを搭載していたが、今回更新されたチューナーも同じアルプス電気製ながら、さらに小型化されたものを採用している。しかもこのチューナーは、新しくPLL完全同期検波方式を採用し、低ノイズ化が図られていると言う。
画質を決めるもう1つの要素となるY/C分離には、今回から三次元Y/C分離回路が採用された。これによりドット妨害などをはじめとした色のにじみが減少するほか、原理的には画像中に含まれるノイズ成分が1/√2になるというノイズリダクション効果も得られるので、画質面ではかなりの向上が期待できる。この三次元Y/C分離は、設定によって使わないようにすることも可能だ。
背面部には新たにS-Video入力端子が搭載されているので、外部入力ソースもきれいに扱うことができる | 新たに採用されたPhilipsのSAA7130HL。9bit処理に対応したキャプチャチップだ |
このようにハードウェアの変更点は多いが、これらはいずれも画質に関する改良だ。カノープスのMTV-1000が登場して以来、テレビキャプチャカードは画質を重視したものが人気を集めているが、この手の製品の元祖とも言えるSmartVision Proも、他製品に比べて引けを取らないものに強化されたことになる。
SmartVisionTVの機能はほとんど変わっていないが、それでも十分使いやすくなっている(画面ははめ込み合成) | 設定画面では、三次元Y/C分離回路のON/OFFが新たに用意されているので、必要に応じて切り換えることができる |
とくに注目したいのが、高画質モードでの録画時にもプレビュー画面が表示できるようになった点だろう。これまではチップ機能の制限から、高画質モードでのキャプチャ時はウィンドウ表示でテレビを見ることができなかったのだが、やっとこれが改善されたわけだ。
EPG機能はこれまで同様ADAMS-EPGだが、こちらは同社ホームページ( http://121ware.com/ )から無償のアップデータをダウンロードすることで、地上波データ放送だけではなく、インターネットからも番組表データをダウンロードできるADAMS-EPG+に対応できるようになっている。これにより、データ放送が行なわれていないときでも番組データが更新できるようになり、使い勝手は大幅に向上した。
SmartVisionシリーズは、もともと完成度が高い製品であっただけに、今回のPro3でも大幅な機能強化というわけにはいかなかったようだが、細かな使い勝手の向上と画質面での改善の結果、製品の魅力がますます向上していることは確かだ。これと18,000円という価格を考慮すると、コストパフォーマンスの高いテレビキャプチャカードであることが分かるだろう。
■写真撮影
若林直樹(STUDIO海童)
□NECのホームページ
http://www.nec.co.jp/
□製品情報
http://121ware.com/
□関連記事
【2001年10月22日】NEC、タイムシフト録画とWindows XPに対応したビデオキャプチャカード
http://pc.watch.impress.co.jp/docs/article/20011022/nec4.htm