特集
Android 5.0 Lollipopの主な仕様をおさらい
(2014/10/22 06:00)
Googleの次期モバイルOS「Android 5.0 Lollipop」は、11月上旬発売のNexus 6/9に搭載される。また、ほぼ同じタイミングで、現行のNexus 5や7向けにもアップデートが予定されており、すでにアプリ開発者向けにプレビューイメージ(SDK)が公開されている。
それに合わせGoogleは、Android史上最大のアップデートと謳う同OSの主立った機能や仕様をブログにまとめているので、ここに紹介する。ユーザーにとっては、新たな体験が利用可能になるアップデートだが、Android向けにアプリを提供している開発者は、新OS公開までに各種修正が必要になることもあるだろう。
英文となるが、各項目の詳細情報は、ブログから辿ることができる。
ユーザー体験
マテリアルデザイン
Android 5.0では「マテリアルデザイン」と呼ばれるデザインが採用。マルチデバイスを想定しており、大型タブレットからスマートウォッチまで、デバイスの画面サイズに合わせてレスポンシブに変化し、デバイスごとに最適な表示を行なう。見た目だけでなく、アニメーションや、インタラクションについても、共通化を図る。
通知の拡張
ロック画面の通知が拡張され、ロック解除することなく、コンテンツ、更新、アクションなどを確認できる。「ヘッドアップ通知」が新たに実装され、優先度の高い通知は、他のアプリの前面にウインドウ表示されるようになる。
履歴機能の拡張
アプリの履歴画面では、これまで1アプリ1タスクのみが表示されていたが、1アプリで複数のタスクを扱えるようになる。例えば、Webブラウザで複数のタブを開いている場合、履歴画面のサムネールをフリップしてタブを選んだり、チャットアプリのサムネールをフリップして、表示したい過去のチャットに直接飛んだりできるようになる。
性能
Android Runtime(ART)
Android 4.4では、実行エンジンとしてDalvikのほかにARTがサポートされたが、Android 5.0では、ARTのみのサポートになる。ARTは、AOT(Ahead-of-Time)方式でコンパイル変換し、ガーベッジコレクションの効率が改善されたほか、開発/デバッグ機能も強化されている。多くの場合、アプリのコードは変更せずとも、性能が向上するという。
64bit対応
64bit対応によりアドレス空間が広がり、特定のコンピュート作業では性能が向上する。Javaで書かれたアプリは、修正することなく64bit環境で動作するようになる。
Project Volta
新しいツールとAPIにより、よりバッテリ効率の高いアプリを開発できるようになる。SDKに収録されている「Battery Historian」ツールにより、電力イベントを可視化でき、アプリのバッテリ消費量を把握できる。「JobScheduler」APIにより、バッテリ消費量を抑えるべく、デバイスがアイドルである、あるいは固定料金回線、充電器に繋がっているといった条件に応じて、バックグラウンドタスクの実行状況を変更できる。
WebViewの更新
WebViewで、WebRTC、WebAudio、WebGLがサポート。また、カスタムエレメンツ、シャドウDOM、HTMLインポート、テンプレートなど、Web Components仕様の全てにネイティブ対応。WebViewはシステムと統合され、定期的にGoogle Play経由で更新される。
職場向け
メディア
カメラ能力の拡張
新しいカメラAPIにより、画像の記録およびプロセシングが拡張され、非圧縮YUVで、800万画素の動画を30fpsで記録可能に。また、RAWイメージで記録したり、露出時間、ISO感度、フレーム間隔などのパラメータをフレームごとに制御できる。
オーディオの拡張
サウンドアーキテクチャが拡張され、OpenSLにおけるより低遅延な入力、マルチチャンネルミキシングの追加、USBデジタルオーディオモードがサポート。
接続性
BLE Peripheralモード
Bluetooth Low Energy Peripheralモードが追加。このモードを利用してアプリは、近くの端末に自身の存在をブロードキャストできる。
マルチネットワーク
アプリが、固定料金・従量課金のネットワークを動的に選んで接続できるように。また、アプリがインターネット接続回線の再評価をプラットフォームに要求できる。これにより、特定のネットワークが暫定的に重い時、アプリがより良い回線への接続を指示できる。