【増税&新生活企画】4月までに買い(替え)たいNAS

　春と言えば新生活シーズンで、入学や就職で色々なものを買ったり、買い替えたりするだろう。だが、今年の4月のそれは、1つの点で今までと大きく異なる。それは5%から8%への消費税増税実施だ。3%とは言え、単価の高いものだとそれなりに効いてくる。

　今回はネットワーク接続ストレージ「NAS」の2ドライブ以上の個人向け製品を中心に紹介する。耐用年数もそれなりに長く、2000年代に導入したNASを、大容量かつ高速で多機能な最新製品にリプレースするのはちょうど良い機会かもしれない。2014年4月にはWindows XPがサポート終了となるが、NASを使って古いPCからWindows 7/8.1の新PCへデータを移行することも可能だ。

　初期に登場した個人向けNASはシンプルで、データを保存して共有というファイルサーバーそのものだったが、昨今の製品は機能が充実している。アクセスできる機器も増え、DLNAサーバーによってTV/レコーダといったAV機器、ゲーム機などからマルチメディアファイルを再生できたり、リモートアクセス機能では外出先からスマートフォン、タブレットで接続したりといったことが標準機能になっている。クラウドストレージやWebサービスとの連携、自動アップロード機能などを搭載する製品もある。プロセッサも高速になり、データ転送も向上している。

　携帯電話などのモバイル機器が進化し、大きなファイルも扱えるようになってきているが、本体のストレージはフラッシュメモリのため大容量化が難しい。ノートPCもモバイル機はSSD化が進んでおり、HDDと比べて容量面の不安が残る。そこで、保存先を外部の専門家(NAS)に任せるというのは理にかなっている。昨今はゲーム機、スマートフォン、タブレットなどを家庭内ネットワークにWi-Fiで接続するのが当たり前になってきているのも追い風で、Wi-Fi機器を自宅のルーターに接続できるということは、ルーターやスイッチングHubにNASを繋ぐだけで使えることになり、かなりハードルが下がっている。

　海外メーカーの製品は、HDDレスのベアボーンも用意されている。この場合は、別途HDDをベイの数だけ用意する必要があるが、好きなブランドや容量を選択できる。3.5インチドライブでは、WDの「WD Red」がNAS向けとして謳われており、消費電力が低く常時稼働のNASに適している。最近ではHGSTの6TB、東芝の5TBなども登場しており、省スペースで大容量のNASも視野に入るようになった。5TBや6TBのHDDは高価なため増税の影響をもろに受けるが、いわゆるご祝儀価格なので、待てば今回の増税分以上に下がることが予想される。こればかりは欲しい時が買い時と言えそうだ。

　国内限定の機能になるが、DTCP-IP対応製品なら日本の著作権保護されたTV録画ファイルをLAN内で視聴でき、さらにDTCP+対応製品では外出先からも見られるようになった。ただし、DTCP+サーバー機能は受信機の機能として搭載できないため、録画したDTCP-IP対応レコーダやnasneから、DTCP+対応NASへダビングするという作業が発生する。ユーザーの使い勝手という面では、電波産業会(ARIB)の規定が足枷になっている。そこで、アイ・オー・データ機器、バッファローの製品では、録画ファイルをDTCP-IPで自動ダウンロードする機能をファームウェアで実装している。

　現状、DTCP+対応NASは1ドライブの製品しかなく今回は取り上げないが、トランスコーダ内蔵の製品は下位の2TBモデルでも3万円を超えるため、消費税増加で1,000円程度からの違いが出てくる。なお、購入を検討する場合は、事前に対応クライアントの確認もしていただきたい。特にAndroid端末は少数(というより2013年夏以降の富士通製、京セラ製「DIGNO M」のみ、3月4日現在)なので注意が必要。Windows Vista/7/8用アプリケーション「DiXiM Digital TV 2013」はNASにバンドルされており、iOS端末はiTunes Storeの「DiXiM Digital TV for iOS」アプリ内課金でリモートアクセスを追加することで対応可能だ。

　最近では、ネットワークオーディオ向けとしてDSD配信対応の製品も登場している。数はまだ少ないが、CDよりも高いサンプリング周波数/ビット数で音楽を楽しみたい、色々な機器から聴きたいという用途に適している。ストレージを専用ファームウェアのSSDにしたり、USBとLANの回路を分離した産業用の電源を搭載したり、常時起動ではなくオーディオ機器のように使うため起動を高速化するといった高級品も出てきた。

　ホームユースの製品はおおむね4ベイまでラインナップされることが多い。5ベイを超えると個人向けとされる製品が一気に減るが、本体数万円ほどの製品も存在する。希望小売価格は税抜き、実売価格は3月5日時点の消費税5%込み。

2ドライブ

バッファロー「LS420D」

バッファロー「LS421D」

バッファロー「LS-WXL/R1」

バッファロー「LS-WXSL/R1」

アイ・オー・データ機器「HDL2-A」

2ドライブベアボーン

ネットギア「ReadyNAS 102/312」

QNAP「TS-221」

QNAP「TS-220」

ASUSTOR「AS-202T」、「AS-202TE」、「AS-302T」

Thecus「N2520」

Thecus「N2800」

4ドライブ

バッファロー「LS-QVL/R5」

アイ・オー・データ機器「HDL-XRW」

4ドライブベアボーン

ネットギア「ReadyNAS 104/314」

QNAP「TS-421」

QNAP「TS-420」

ASUSTOR「AS-204T」、「AS-204TE」、「AS-304T」

Thecus「N4100EVO」

Thecus「N4800ECO」

5ベイ以上

ネットギア「ReadyNAS 316/516」

Thecus「N5500」

Thecus「N5550」

Drobo「Drobo 5N」