【増税&新生活企画】4月までに買い(替え)たい15型級フルHD液晶搭載ノートPC

　春と言えば新生活シーズンで、入学や就職で色々なものを買ったり、買い替えたりするだろう。だが、今年の4月のそれは、1つの点で今までと大きく異なる。それは5%から8%への消費税増税実施だ。3%とは言え、単価の高いものだとそれなりに効いてくる。そこで本稿では10万円以下で購入可能な、15型前後のフルHD(1,920×1,080ドット)液晶を搭載したノートPCをまとめて紹介する。

　15型クラスのノートPCは、家庭の中心としても、ビジネスのメインPCとしても利用できる汎用性の高さが魅力だ。ボリュームゾーンであることから、多くのPCメーカーは、もっとも安価な製品を15型クラスに設定することが多く、フルHDパネルを搭載しても10万円を切る価格の製品が存在する。

　フルHD液晶のメリットは詳しく説明するまでもないだろう。ノートPCで広くされている液晶パネルは、低解像度が1,366×768ドット、次に1,920×1,080ドットとなり、ドット数(≒情報量)は約2倍となる。例えば、Webページは慣例的に横幅800ドット程度を想定したデザインであることが多いが、1,920ドットの横幅があれば、半分程度のスペースを占有するだけでフルにWebを閲覧しながらできることになる。

　特にノートPCの場合、液晶を後からアップグレードすることが難しく、増設ということになるため、内蔵ディスプレイのスペックは後々まで使い勝手に影響を及ぼすことは言うまでもない。それだけに、フルHDであることの重要性はより高いと言える。

　注意が必要なのは、画素密度(ppi)が高まること。15.6型フルHD液晶は約141ppiで、11.6型/1,366×768ドットよりやや高い画素密度となる。15.6型という液晶サイズを利用する距離を考えると、11.6型/1,366×768ドットよりも文字を小さく感じる人はより増えると思われる。そのように感じたら、Windowsのコントロールパネル→ディスプレイから文字解像度(DPI)設定を変更して、読みやすいサイズで利用することをお勧めする。

　コストパフォーマンスを重視した製品ということもあって、各社似通った製品は多いものの、インターフェイスやデザインなどBTOでは調整できない部分のように後々までつきまとう部分で製品毎に相違があるので、自身のニーズとのマッチングは慎重に行ないたい。以下、条件に適う10万円以下で15型級フルHD液晶搭載ノートPCをメーカー別に紹介する。なお、価格や仕様はいずれも原稿執筆時点(5%税込み)のものである。

iiyama PC

iiyama PC「15H7000」シリーズ

　ユニットコムが展開する「iiyama PC」ブランドは、同社が運営するパソコン工房を中心に販売されている。

　同社の製品は、基本仕様を設定して販売されている製品のバリエーションが豊富なのが特徴だ。主な違いはCPUやGPUなどで、BTOにも対応しているものの、あらかじめ型番と価格を設定してバリエーションが揃っていることは、費用を概算しやすいメリットがあるだろう。

　液晶ディスプレイはいずれも光沢パネル。DVDスーパーマルチドライブを内蔵し、SDカードとメモリースティックに対応するカードスロットや、USB 3.0×3(うち1個はeSATAと兼用)、USB 2.0×1とインターフェイスも万遍なく搭載され、本体サイズや重量もこのクラスでは標準的。過不足のないバランスの取れたスペックがポイントの製品群だ。

エプソンダイレクト

「Endeavor NJ3900E」

「Endeavor NJ5900E」

　エプソンダイレクトは、2製品の15.6型フルHD液晶の選択に対応するPCを発売している。各製品の個性が強いのがポイントだ。

　「Endeavor NJ3900E」は、標準では1,366×768ドットのパネルとなるが、BTOをフルHDを選択可能。フルHD化しても7万円台と低価格に抑えられる。フルHD液晶搭載PCとしては珍しく、CPU内蔵グラフィックスを用いた仕様を選択できる。本体サイズも薄めだ。メモリは2GBとなるので後々のことを考えると性能面で不足を感じる可能性はあるが、価格を重視するなら有力な選択肢になるだろう。

　一方の「Endeavor NJ5900E」は、フルHD液晶が標準で、Core i3-4000M/GeForce GT 740M搭載と、他社の同クラス製品に近い仕様となる。パネルの表面処理はNJ3900E、NJ5900Eともに非光沢となる。

　なお、両モデルとも無線LANは標準では搭載されていないが、BTOメニューに、3,150円(原稿執筆時)のIEEE 802.11a/b/g/n対応無線LANモジュールが用意されているので、追加した方がいいだろう。

ドスパラ

「Critea VF-HE」

　ドスパラは15.6型フルHD液晶搭載PCとして、「Critea VF-HE」をベースとした仕様違いの製品をラインナップしている。

　ハードウェア上の違いはCPUとGPU、HDDの違いとなる。インターフェイスなどは共通で、Bluetooth 4.0+HSの搭載は目立つものの、全体的にはオーソドックスな仕様だ。

　注意したいのはOSの違い。Windows 8.1モデルと同仕様/同価格でWindows 7 Home Premium搭載モデルがラインナップされているが、Core i5-4200M搭載の標準仕様モデルにはWindows 8.1モデルがラインナップされておらず、BTOでのWindows 8.1への変更も不可。ただし、原稿執筆時点では、Windows 7 Home Premiumと同額でWindows 8.1 64bitプリインストールモデルが特価販売されているので、このようなキャンペーン販売を狙うのも手だ。

日本ヒューレット・パッカード

「ENVY 15」(※写真は英語キーボードモデル、国内モデルは日本語キーボードを搭載)

　日本ヒューレット・パッカード(日本HP)は、同社らしいシルバーを基調としたデザインの15.6型フルHD液晶搭載ノートPC「ENVY 15」を発売している。

　そのポイントは同価格帯におけるスペックの高さに尽きる。特にストレージにハイブリッドHDDを標準採用し、容量も750GBまたは1TBと大きい。さらに指紋センサーも標準も搭載している。

　逆に、USB 3.0のみを4ポート搭載する点に象徴される割り切ったインターフェイスも特徴で、光学ドライブを搭載しないほか、映像の外部出力もHDMIのみ。ミニD-Sub15ピンを備えていない点については、特にプロジェクタなどに接続する必要があるビジネス用途において注意を要するだろう。

Project White

eX.computer note N1540Jシリーズ「N1540J-500/E」

G-GEAR note N1560Jシリーズ「N1560J-500/E」

　「TSUKUMO」ブランドで製品展開するProject Whiteは、2モデルの15.6型フルHD液晶搭載製品をラインナップする。1モデルは一般用途向けの「eX.computer」製品ライン、もう1モデルはゲーミングPCの「G-GEAR」ブランドの製品だ。

　eX.computer「N1540J-500/E」は、Core i5-4200M/GeForce GT 745MをベースにHDDやメモリ、光学ドライブなどは他社と比較として標準的な仕様となっているが、本体サイズが薄めで、価格も8万円前後と抑えめなのが魅力だ。Core i7-4702MQ搭載でも10万円をギリギリ切る。

　一方のG-GEAR「N1560J-500/E」は、GPUにGeForce GTX 765M(4GB)を搭載して10万円を切る価格というコストパフォーマンスが特徴。いずれも、他社とはしっかり差別化された特徴を持った製品を揃えている。

マウスコンピューター

「LuvBook K」シリーズ

「NEXTGEAR-NOTE i520」シリーズ

　マウスコンピューターは、一般向けの「LuvBook」ブランドとゲーミング向けの「NEXTGEAR」ブランドでそれぞれ15.6型フルHD搭載ノートPCを発売するが、いずれも同筐体を用いており、1モデルの仕様違いを各ブランドでラインナップしている格好だ。

　一般向けの「LuvBook K」シリーズ、ゲーミング向けの「NEXTGEAR-NOTE i520」シリーズともに最安構成で8万円前後からで、価格の違いはCPU、メモリのみの違いと、製品ラインナップも分かりやすい。

　いずれも非光沢パネルを用いており、Bluetooth 4.0+LE、SDカード/メモリースティック対応リーダ、USB 3.0/2.0を各2ポート、HDMI出力、ミニD-Sub15ピンを搭載するなどインターフェイスも網羅的に装備。

　オーソドックスな仕様ではあるが、製品選びを失敗したくない人に有力な選択肢となりそうだ。