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睡眠時無呼吸を治療すると体重が増える

 肥満により睡眠時無呼吸症候群になりやすくなることはよく知られているが、治療によってさらに体重が増えやすくなることが京都大学の研究で分かった。

 睡眠時無呼吸症候群には、持続性陽圧気道(CPAP)による治療が有効とされているが、最近になりその治療によって体重の増加現象が見られることが分かってきた。そこで、京大の研究チームが治療前後でのエネルギーバランスの変化と、それに関係する因子について総合的な検討を行なったところ、治療後に基礎代謝が約5%低下し、エネルギー消費量が減る、つまり「省エネ体質」になることが示された。

 基礎代謝量が減っているにもかかわらず、治療後の身体活動量が変わらない場合、同じ食事量を摂取していると、容易に体重が増えてしまう。

 京大では、治療により「体が楽になった分だけ余分なエネルギー消費がなくなった」という観点ではネガティブに捉える必要はないが、体重管理の面からは治療と生活習慣の改善指導を併せて行なうことが重要だとしている。

 この研究結果は、3月1日(米国時間)付けで「American Journal of Respiratory and Critical Care Medicine」のオンライン版で公開された。

(若杉 紀彦)