やじうまPC Watch

触れるもの全てをタッチ対応にする感熱タッチ技術

5月22日(現地時間)公開

 独Metaioは22日(現地時間)、赤外線カメラとAR技術を組み合わせた、「感熱タッチインターフェイス」を考案し、そのプロトタイプを公開した。

 「感熱タッチインターフェイス」の仕組み自体は単純だ。人間がモノに触れると、(熱せられたものなどでなければ)基本的にその対象は一瞬表面温度が上がるので、その温度上昇を赤外線カメラで検知する。続いて、AR(Augmented Reality:拡張現実)技術を使い、検出されたタッチに応じたインタラクションを、通常のカメラで捉えた画像に重ね合わせる。これでありとあらゆるものが一種のタッチ画面に成り代わる。

 プロトタイプは、タブレットに赤外線カメラと通常のカメラを装着しているが、今回の技術が想定しているのは、Googleグラスのようなアイウェアへの実装だ。これにより、ユーザーが何かを持ち歩かなくても、見たものに直接触れるというもっとも自然な動作によって、デバイスやネットを経由して付随/関連する情報が得られるという、SF映画で見たような世界が実現できる。

 例えば動画では、読んでいる雑誌に紹介されているものをタッチすると、その詳細情報が浮かんで表われる、何もないテーブル上でチェスをプレイするといったシーンが登場するが、幅広い応用用途が考えられるだろう。

この技術を使うと、何もないテーブルでもチェスができる

 とはいえ、対象物に対するGUIがあらかじめ用意されている必要があるし、この技術が必要とする赤外線カメラがGoogleグラスのようなデバイスに組み込めるようになるにはあと5~10年はかかると見られているが、逆に言うと10年後には感熱タッチインターフェイスが当たり前の技術になっているのかもしれない。

(若杉 紀彦)