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約3,000年の時を経て、人工授粉の自動化に向けて一歩前進

 産業技術総合研究所は9日(米国時間)、米化学誌「Chem」に蜂の代わりに花を受粉させる小型ドローンの論文を掲載した。

 気候変動や病気のため全世界的に減少しているマルハナバチにより、農作物の減少が問題となっており、農家は手作業で受粉をしなければならない状況が続いていた。そのような状況を背景に、産業技術総合研究所はマルハナバチの代わりに花粉を移動させ、受粉させる小型ドローンを発表した。

 チームの都英次郎氏はマルハナバチを真似し、ドローンの表面を馬の毛で覆い、自身がたまたま開発した粘着性のゲルを塗ることでマルハナバチと同じ機能を持ったドローンを作成した。テスト飛行では、タカサゴユリの受粉に成功したという。

 本実験で、ドローンは遠隔操作によって操られていたが、都氏はコンピュータビジョン技術の進歩によって、自動操縦も可能だと考えているという。

 人工授粉の形跡は紀元前アッシリア文明からあるとされており、3,000年の時を経て自動化される日は近いのかもしれない。