【COMPUTEX 2012】GIGABYTEブースレポート
~Thunderbolt搭載マザーや5連ファン搭載のGTX 680を展示

会期:6月5日~6月9日(現地時間)
会場:Taipei World Trade Center Nangang Exhibition Hall
   Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/3
   Taipei International Convention Center



 GIGABYTEブースでは、マザーボードやグラフィックカード、ゲーミングデバイスなどの新製品を展示している。

●ラインナップ一新のマザーボード

 まず、GIGABYTE製マザーボードで初めてThunderboltを搭載する、Intel Z77 Expressマザーボードとして、「GA-Z77X-UP5 TH」と「GA-Z77X-UP4 TH」の2製品が展示されていた。双方ともバックパネル部にThunderboltコネクタを2個備え、10Gbpsの帯域を双方が同時に発揮するとしている。

 GA-Z77X-UP5 THが上位モデルで、電源フェーズ数が8フェーズ。電源部やチップセットが大型のヒートシンクとヒートパイプで強力に冷却できる構造となっていたり、Wi-Fi+Bluetooth 4.0カードが付属する点などが異なっている。メインメモリスロットや拡張スロットの数、mSATA SSD用のmSATAスロットが用意される点などはどちらも同じ。既に発売されているZ77マザーボードなどに採用されている、Dula 3D UEFI BIOSやGIGABYTE 3D Powerなども継承。Lucid Virtu MVPにも引き続き対応している。

Thunderbolt搭載マザーボード「GA-Z77X-UP5 TH」。8フェーズ電源、大型ヒートシンク搭載、Wi-Fi+Bluetooth 4.0カードが付属する上位モデルバックパネル部にThunderboltを2ポート備え、同時に10Gbpsの帯域を確保する
こちらもThunderbolt搭載マザーボード「GA-Z77X-UP4 TH」。電源部やヒートシンクの形状などが異なる下位モデル。Wi-Fi+Bluetooth 4.0カードも付属しない同様にThunderboltは2ポート搭載する

 LGA2011対応Core i7に対応するマザーボードとしては、「GA-X79S-UP5 WiFi」と「GA-X79-UP4」の2製品を展示している。このうちGA-X79S-UP5 WiFiは、製品型番に“X79S”とあるが、Intel X79 Expressではなく、Xeon用チップセットとして用意されている、Intel C606 Chipsetを搭載した製品だ。そのため、LGA2011対応Core i7だけでなく、LGA2011対応Xeonも利用でき、メインメモリにもECCメモリが利用できる。

 また、SASコントローラをオンボード搭載する点も特徴の1つで、チップセットが提供するSATA 6Gbps×2ポートとSATA 3Gbps×4ポートに加え、SASポートが8ポート用意されている。電源フェーズ数は8フェーズで、大型のヒートシンクがヒートパイプで結ばれ、優れた冷却性も確保。

 さらに、3-way CrossFire Xおよび3-way SLIに対応し、Wi-Fi+Bluetooth 4.0カードも付属する。エンタープライズクラスのストレージ環境を必要とするワークステーションやサーバーなどの用途をターゲットとしている。

 GA-X79-UP4は、Intel X79 Express搭載マザーボード新モデルだ。GA-X79S-UP5 WiFiとは異なり、既存のX79マザーボードに近い構成となっている。また、こちらは4-way CrossFire Xおよび4-way SLIに対応する。上で紹介したZ77搭載マザーボードも含め、これらIntelチップセット搭載マザーボードの新モデルは、なるべく早い段階で発売するとしている。

Xeon向けチップセット「Intel C606 Chipset」搭載マザーボード。ワークステーションやサーバ用途をターゲットとするSASコントローラをオンボード搭載し、SASポートを8ポート用意。SATA/SASポートは全14ポート備え、エンタープライズクラスのストレージ環境を構築可能Intel X79 Express搭載マザーボード「GA-X79-UP4」。仕様は既存の製品に近いが、GIGABYTE独自の品質規格「UltraDurable 5」に対応。今回展示されていたマザーボード新製品は、全てUltraDurable 5に対応する
未発表チップセット「AMD A85X」を搭載する「GA-F2A85X-UP4」。AMD A10 APUに対応。Lucid Virtu MVPも利用可能だ

 AMD製チップセット搭載マザーボードの新モデルとしては、未発表チップセット「AMD A85X」を搭載する「GA-F2A85X-UP4」を展示。コードネーム「Trinity」AMD A10 APUに対応するマザーボード。CPUソケットはFM2。電源フェーズは6+2。メインメモリはDDR3-2400+のデュアルチャネル動作をサポート。また、AMD製CPU対応マザーボードながら、Lucid Virtu MVPに対応している点も特徴の1つ。こちらは発売時期は未定だ。


●「WINDFORCE 5X」搭載GeForce GTX 680

 次に、グラフィックカードの新モデル「GV-N680SO-2GD」を紹介しよう。これはGeForce GTX 680のオーバークロック動作に対応するハイエンドグラフィックカード。特徴は、搭載されている冷却システム「WINDFORCE 5X Cooling Technology」だ。140×86mmと大型のベイバーチャンバーとビデオカードのほぼ全体を被う大型ヒートシンクを、9本の6mmヒートパイプで結ぶとともに、ヒートシンク側面側に5個のファンを取り付けた、これまでにない仕様となっている。

 このWINDFORCE 5Xは500WのGPUまで対応する優れた冷却能力を備える。また、静音性にも優れ、ノイズレベルが35dBの状態でも、通常のファンを利用するのに比べ放熱能力が46%高いとしている。ちなみに、GPUの動作クロックがどの程度になるかは、検証中のため未定だそうだ。7月以降の発売を予定している。

GeForce GTX 680のオーバークロック動作に対応する「GV-N680SO-2GD」独特な冷却システム「WINDFORCETM 5X Cooling Technology」を搭載
140×86mmと大型のベイバーチャンバーと大型ヒートシンクを、9本の6mmヒートパイプで結ぶ側面に5個のファンを搭載。500W GPUに対応する優れた冷却能力と高い静音性を実現

●ゲーミングデバイス関連

 ゲーミングデバイスの新製品としては、キーボード、マウス、マウスパッドなどが展示されていた。

 「Aivia Osmium Mechanical Keyboard」は、Cherry REDメカニカルキースイッチを採用するゲーミングキーボード。右上“Aivia”ロゴボタンを押すことで最大5種類のプロファイルを切り替えられ、左上部の5個のマクロキーに最大64個のマクロを登録可能。また、接続インターフェイスはUSB 3.0で、USB 2.0とUSB 3.0の接続ポートも1個ずつ備える。マクロキー右のダイヤルキーは、キーボードバックライトの輝度調節用とサウンドのボリューム調節用。7月下旬の発売を予定。

Cherry REDメカニカルキースイッチを採用するゲーミングキーボード「Aivia Osmium Mechanical Keyboard」キーボード左上に5個のマクロキーを用意。マクロキー右のダイヤルは、キーボードバックライトの輝度調節とボリューム調節用。キーボードバックライトはブルーキーボード右“Aivia”ロゴボタンを押すと最大5個のプロファイルを切り替えられる。プロファイルの種類はロゴの色で見分ける
接続インターフェイスはUSB 3.0に対応し、USB 3.0 Hub機能も搭載。USB 2.0ポートやサウンド端子も用意されているパームレスト部は着脱可能

 ゲーミングマウスの「Aivia Krypton Dual-chassis Gaming Mouse」は、スピード重視の滑りやすい底面と、コントロール重視のやや滑りにくい底面の、滑り具合の異なる2種類の底面パネルが付属する。また、1.3g、5.3gのオモリが合計10個付属し、ウェイトバランスも自由に調節可能。解像度は4レベルに切り替えられ、最大8,200dpi。5種類のプロファイル、最大70個のマクロを登録可能。表と裏で滑り具合の異なる素材を利用したマウスパッドも用意される。発売時期は6月下旬を予定。

ゲーミングマウスの「Aivia Krypton Dual-chassis Gaming Mouse」スピード重視の滑りやすい底面(左)と、コントロール重視のやや滑りにくい底面(右)の2種類の底面パネルが付属1.8gと5.3gのおもりが合計10個付属し、重量バランスの調節が可能
側面にマクロボタンが用意され、5種類のプロファイル、最大70個のマクロを登録可能。dpiは4レベルに切り替えられ、最大8,200dpi滑り具合の異なる素材を表裏に利用したマウスパッド。こちらは表面が滑りやすい素材となっているこちらはラシャのような素材を利用し、滑りにくい

 ゲーミングデバイスではないが、HDMI出力をワイヤレス伝送するシステム「SkyVision WS100」も同時に展示されていた。PCや家庭用ゲーム機などのHDMI出力に専用アダプタを取り付け、ディスプレイ側にはレシーバーを接続し利用する。WHDI 1.0準拠のシステムで、5GHz帯域の無線を利用してHDMIの映像信号を転送。遅延が1ms以下と非常に短く、アクションゲームも問題なくプレイ可能とする。転送距離は最大10m。ヨーロッパで8月末に発売し、アジアでは年内に発売したいとしている。

 この他に、Ultrabookやゲーミングノートの新モデルも展示されていたが、それらは別の記事で紹介する。

HDMI出力のワイヤレス伝送するシステム「SkyVision WS100」。PCや家庭用ゲーム機のHDMI出力に専用アダプタを取り付けて利用するディスプレイ側に接続するレシーバ。WHDI 1.0準拠のシステムを採用、5GHz帯域の無線を利用。転送距離は最大10m映像の遅延は1ms以下で、アクションゲームも問題なくプレイ可能。ノートPCで利用する場合には、大画面でゲームをプレイしつつ、ノート側で異なる作業も可能

(2012年 6月 7日)

[Reported by 平澤 寿康]