イベントレポート
Windows 10 Mobile搭載の7/8型ファブレットが展示される
~Acerの「Liquid Jade Primo」も正式発表
(2016/1/8 13:45)
Qualcommは、CES 2016のメイン会場となるLVCC(ラスベガスコンベンションセンター)のセントラルホールにブースを構えており、ソリューションを多数展示している。その一角には、Windows 10 MobileをOSとして採用したSnapdragon搭載スマートフォンが展示されていた。
その中には、日本のメーカーであるマウスコンピューターやトリニティのWindowsスマートフォンが含まれていたほか、まだ日本ではリリースされた例のない7型ないしは8型の液晶ディスプレイを搭載したWindows 10 Mobile搭載のタブレットが展示されており、注目を集めている。
Acerが正式にLiquid Jade Primoを発表、価格は7万円強
現在のWindows 10 Mobileの市場は、Microsoft自身がリリースしている「Lumia 950/950XL」と、AcerがこのCES期間中に正式に発表した「Liquid Jade Primo」を除けば、いずれも普及価格帯~低価格な製品が多い。これは、現在Windows 10 Mobileを搭載したデバイスに参入しているメーカーの多くは、外側のデザインなどは自社でやるが、基板などに関してはODMメーカーが用意しているリファレンスデザインを利用して設計する企業が多いからだ。
ODMメーカーが現状で用意しているデザインは、全世界向けのデザインが多いので、Snapdragon 210、Snapdragon 410などの低価格~普及価格帯向けのSoCを採用した基板が主流だ。現在は、Snapdragon 617という新しいミッドレンジ向けのSoCを搭載したデザインの開発をほぼ終え、今月辺りから量産される製品に採用されるというスケジュールで動き出している。そのため、Lumia 950やLiquid Jade Primoに搭載されているようなSnapdragon 808、さらにはLumia 950XLに採用されているようなSnapdragon 810、そして新しいSnapdragon 820などのハイエンドのSoCを搭載したWindows 10 Mobileのリファレンスデザインが出回るようになるまで、もう少し時間がかかると考えられている。
Qualcommブースに展示されていた7/8型Windows 10 Mobileファブレット
そこで、各メーカーなどが検討しているのが、液晶サイズを大きくしたWindows 10 Mobileデバイスで、それがQualcommブースに展示されていた。現在リリースされているWindows 10 Mobileのデバイスは、いずれも5型程度の大きさの液晶を搭載しており、いわゆるスマートフォンだ。これに対して、今回展示されていたのは中国のODMメーカー“Emdor製”と書かれた8型と7型の2製品、同じく中国のODMメーカー“Foxda”製と書かれた7型の1製品、そして、フランスのOEMメーカーとなる“Alcatel”のブランドがついた8型の1製品となる。
いずれの製品も、Snapdragon 210(MSM8909)、メモリ1GBというスペックで、1,280×768ドットないしは960×540ドットの液晶を搭載していた。モデムを内蔵しており、音声通話機能を備えるいわゆる“ファブレット”となっていた。
既に述べた通り、Alcatelを除けば、ODMメーカーのリファレンスデザインと考えられるので、このデザインを元に、OEMメーカーが国内市場に投入という流れは十分あり得ると考えられる。さすがに、国内向けで960×540ドットの液晶は厳しいと思うが、7型ないしは8型で1,280×768ドットの液晶を搭載し、Snapdragon 210+1GBメモリ+8GBストレージぐらいのスペックなら、1万円台の低価格が可能になると考えられるだけに、気になる展示だと言えるだろう。