イベントレポート

NEC、「LAVIE Hybrid ZERO」の11.6型液晶搭載新モデルをCESで公開

~簡易計測では本体重量は400g台

LAVIE Hybrid ZEROの11.6型液晶搭載新モデル(正式名称未定)

 NECパーソナルコンピュータは、CES 2016のLenovo展示スペースにおいて、現在開発中の「LAVIE Hybrid ZERO」の新モデルを同社顧客や報道関係者に対して公開している。11.6型の液晶ディスプレイを採用している新モデルは、13型の従来モデルと同じく2in1デバイスだが、液晶回転式から脱着型に変更されており、ピュアタブレットとしても利用できるようになった。

 特徴的なのは、タブレット単体で500g以下、キーボード込みでも1kg以下という軽量さを実現している点。実際に触ってみると非常に軽く、同社関係者は明確にはしなかったものの、400gを切っている可能性すらありそうだった。本体側、キーボード側に、ほぼ同じ容量のバッテリが入っている構造になっているのも特徴だ。

 NECパーソナルコンピュータでは、この製品を2016年の春モデルとして発表する計画になっており、まもなく世界最軽量の11.6型液晶搭載タブレット兼世界最軽量の11.6型液晶搭載2in1デバイスが市場に登場する見通しだ。

タブレットとキーボード側にバッテリを配置することで、軽量さを実現

 今回公開されたLAVIE Hybrid ZEROの新モデル(以下本製品)は発表によると以下のようなスペックになっている。

【新製品の現時点での仕様】
CPU第6世代Core m
ディスプレイ11.6型ワイド
バッテリキーボードにセカンドバッテリを搭載
WebカメラRealSence 3Dカメラ(フルHD解像度対応)
発売日2016年春モデルとして発売予定

 液晶ディスプレイはタッチ対応で、段差があるタイプになっており、表面にガラスが貼られていないタッチパネルである。このため、液晶ディスプレイと縁の枠部分には段差が生じているが、Windows 10になって縁からのスワイプジェスチャーの機能はほとんど使われなくなっているので、それで問題ないと判断したと言うことだろう。ガラス面を1枚貼り付けると、それだけで重量増となってしまうので、その点を考慮したと考えられる。13型のLAVIE Hybrid ZEROでも、ダイレクトボンディングFFFタッチパネルというタッチパネルを採用しており、タッチパネルそのものがフィルム形状になっている軽量なセンサーを採用している。おそらく今回のモデルでもそれと同じようなタッチパネルを採用していると推測される。

 Windows 10のpowercfgコマンドで調べてみたところ、バッテリは本体内部に2つあり、それぞれが約15Whだった。現時点ではバッテリ駆動時間を明らかにしていないが、システム全体で30Whで、SoCがCore mであることなどを考えると、JEITA 2.0で平均消費電力が3W程度だと想像されるので、10時間という辺りが妥当なのではないだろうか。

 軽量なFFFタッチパネルを採用し、表面のガラス面を省く設計にし、本体側のバッテリは15Whと割り切り(PCとして使う時にはキーボードと合体して使うから30Whの容量で使えるので問題ない)、それをNECパーソナルコンピュータが得意としているマグネシウムリチウム合金を使った軽量で強固なカバーを使って包む、それにより500g以下という重量を実現したと言えるだろう。

バッテリの容量、15Whのバッテリが2つあるので、本体側に15Wh、キーボード側に15Whのバッテリがあると考えられる
InstantGoに対応

USBポートはキーボード側に集中

 USBポートやディスプレイ出力などはすべてキーボード側に集中しており、本体側にはUSB Type-C(ただしUSB 3.0でPower Deliveryには未対応)とmicroSDカードスロットのみとなっている。設計したエンジニアが、PCとして使う時にはキーボードにドッキングしてクラムシェル型PCとして利用し、タブレットの時にはPCとしてのポート類は必要ないと考えたことが見て取れる。

 タブレットとキーボードのドッキングは、専用のコネクタで行なわれており、タブレットはそのコネクタとゴムの圧力によって本体に固定されるようになっている。脱着型2in1デバイスの弱点は、ドッキング機構が複雑にならざるを得ないことで、それがクラムシェルモードにした時の重量増に繋がってしまう。しかし、この形であれば、必要最低限の構造になり、大幅な重量増にならない。実際に秤を持ち込んで測ってみると、800g台であることが分かった。11.6型のクラムシェル型ノートPCだと考えると、かなり軽量な部類であると言える。

 このほか、展示機のスペックは、CPUがCore m3-6Y30、メモリが4GB、ストレージが128GBのSSDというスペックになっていた(製品では異なる可能性がある)。

 新しいLAVIE Hybrid ZEROはユニークな設計を施すことで、実機の計測で500g(簡易的な重量計は400g台)というタブレット重量、クラムシェル時で1kg以下(簡易的な重量計では800g台)という驚きの軽量さを実現している。とにかく少しでも軽いPCで、かつタブレットとしても使うことを考えると2in1デバイスであって欲しいというユーザーには福音となる製品だと言えるだろう。さほど遠くない時期(例年春モデルの発表は1月~2月あたり)に行なわれるであろう正式発表を待ちたい。

CPUはCore m3-6Y30、メモリ4GB
デバイスマネージャ、SSDは東芝製
2in1デバイスなので、Continuumも有効
キーボード側のドッキングコネクタ
本体側のドッキングコネクタ
RealSenseのカメラは本体の背面に用意されているため、Windows Hello用ではない
キーボード側の右側面に用意されているポート、USB×2、HDMI×1、DC入力
本体の側面にはHZ300の型番が書かれていた
本体の右側面にはDC入力、USB Type-C(USB 3.0、PDは未対応)、ヘッドフォン端子、microSD
キーボードとタッチパッド
左がLAVIE Hybrid ZEROの11.6型液晶搭載新モデル、右側が2014年型LaVie Z(13型)相当のVersa Pro
左がLAVIE Hybrid ZEROの11.6型液晶搭載新モデル、右側が2014年型LaVie Z(13型)相当のVersa Pro、厚さの比較、ほぼ同じかやや薄い
ドッキングコネクタ部はやや厚い
上にあるのがLAVIE Hybrid ZEROの11.6型液晶搭載新モデル
本体だけを簡易重量計で測ると400g台だった。簡易的な重量計なので、もっと軽い可能性もある
本体とキーボードを合わせた時の重量。800g台だったが、袋の分の重量もあるので、これによりも軽い可能性もある
シルバーカラーも用意されている
液晶部分がスタンドになってやや傾いてキーボードを打ちやすくする

(笠原 一輝)