イベントレポート

SamsungのVRゴーグル「Gear VR Innovator Edition」、日本登場にも期待

Galaxy S6 Edge。本体色は右から順にブラック・サファイア、ホワイト・パール、ゴールド・プラチナ、グリーン・エメラルド

 既報の通り、次期フラッグシップ製品となる「Galaxy S6 Edge」と「Galaxy S6」を発表した韓国Samsung Electronicsだが、Mobile World Congressのブース展示においては、一般来場者がアクセスできるエリアではこれらの製品はハンズオンができない。アクリルケースに納められた製品がオートデモを繰り返しているだけだ。

 2014年における「Galaxy S5」でも同様だったが、ハンズオンできる展示はブースの奥に位置するメディア向け、パートナー向けのエリアに限られ、入場パスの種別や招待によってのみアクセスできるようになっている。新製品のハンズオンはこのエリアに展示された製品を元に紹介する。

 Galaxy S6 EdgeおよびGalaxy S6の周辺機器として同時に発表されたのが「Gear VR Innovator Edition」だ。S6 Edge/S6をVR対応のヘッドマウントディスプレイ(HMD)にするもの。Facebook傘下のOculusと提携し、昨秋はGalaxy Note 4向けの周辺機器として販売されたが、日本市場向けではNote 4自体が販売されなかった。S6 Edge/S6向けの機器となる今回のGear VR Innovator Editionは、日本市場での発売も期待される。

Gear VR Innovator Editionを付けた様子。Galaxy S6シリーズに搭載される加速度センサーを利用することで、顔を向けた方向の映像が立体的に表示される

 スマートフォンをマウントして利用するという機能自体は変わらないが、対応機種をGalaxy Note 4からGalaxy S6シリーズとしたことで、本体サイズは約15%ほどコンパクトになった。VRのHMDの場合は、どうしても前部に重量負担があるので小型軽量化がいくらかでも進むのはありがたい。頭部に取り付けるための構造は専用品であるだけにしっかりしており、頭頂部をサポートするベルトのほか、背面もプラスチックパーツを併用することで、しっかり固定できるようになっている。

 本体には、ゴーグル上部にあたる部分に視度調整のダイヤルを搭載。ゴーグル下部には給電用のMicro USB端子を備えている。側面にはタップに対応するトラックパッドに加えて「戻る」ボタンを備える。映像を表示するパネルはNote 4でもS6でも同じWQHD(2,560×1,440ドット)だが、パネルサイズが5.7型から5.1型になっていることで、より高精細な表示が可能になり没入感は増すことになる。

昨秋に発表されたOculusとの提携。Galaxy Note 4に続いてGalaxy S6シリーズで利用できるHMDが出荷される。Note 4向け製品の価格は約199ドルだった
ゴーグル内部の様子。左右の眼で視差のある映像を個別に見ることで、立体感を得られる仕組み
右側面にはタップにも対応したトラックパッドが用意される。このトラックパッドのほか、Bluetooth接続されたゲームパッドなどにも対応
上部には視度調整のダイヤルを搭載
下部には給電用のMicro USB端子を用意。バッテリ負担の大きい動画視聴時に、給電しながらの利用を可能にする
しっかり固定するために、頭頂部に加えて後頭部にもパッド入りのベルトで装着する

 第一報で紹介したとおり、Galaxy S6 EdgeとGalaxy S6のスペックにおける違いはほとんどない。S6 Edgeの場合、両端がカーブしたパネルを採用しているため、それが特徴的なデザインとなっている。また、これまでの樹脂製リアパネルから、両面をガラス素材に変更したこと、ガラス素材の下に光学フイルムを入れることで、特徴的な光沢を見せている点などが外観デザインの見るべき点だ。

 本体色は、ブラック・サファイア、ホワイト・パール、ゴールド・プラチナ、グリーン・エメラルド、ブルー・トパーズの5色。このうち、グリーン・エメラルドはS6 Edgeのみに設定され、ブルー・トパーズはS6のみの設定となるので、各モデル4色ずつのラインナップとなる。

Galaxy S6 Edgeの本体色。写真は背面の様子。左から順にグリーン・エメラルド、ブラック・サファイア、ゴールド・プラチナ、ホワイト・パール
Galaxy S6の本体色。写真は背面の様子。左から順にブルートパーズ、ブラック・サファイア、ゴールド・プラチナ、ホワイト・パール
同じブラック・サファイアでのGalaxy S6(左)、Galaxy S6 Edge(右)の比較。側面が湾曲しているかどうかの違いだが、ずいぶんと印象が異なるモデルになっている
同様に側面から。Galaxy Note 4では明確に追加されたパネル部分であることが強調されていたが、Galaxy S6 Edgeでは、湾曲範囲が小さくデザイン面での工夫が主体
背面カメラ部分が張りだしているので、スクリーンを上に向けて置いた場合はフラットにはならない。S6 EdgeとS6の側面の比較
光線の向きでかなりイメージの変わる背面
グリーン・エメラルドはこれまでの製品ではあまり見ない傾向の色使い
艶のある黒となっているブラック・サファイア
ホワイト・パールはあまり光線の影響を受けないので、落ち着いたイメージがある

 S6 Edgeには「ピープルエッジ」と呼ぶ、コンタクトリストをもとにした UI/UXが用意されている。最大5件のよく使う連絡先が登録でき、右端あるいは左端からのスワイプ操作で呼び出すことができる。このピープルエッジでは、不在着信の折り返し連絡などにも利用が可能だ。

よく利用する連絡先を登録しておけるピープルエッジ
ピープルエッジの設定画面
不在着信などはピープルエッジの登録とは別に、コンタクト方法が表示される

 Note Edgeのようにスワイプでエッジスクリーンの表示画面が切り替えられるほど多機能ではないが、Galaxy S6 Edgeでもいくつかの機能をエッジ部分にわりあてることができる。

インフォメーション・ストリーム機能を設定すると、いくつかのフィードをエッジ部分に流しておくことができるようになる

 常時表示できるのはインフォメーション・ストリーム機能で、各種通知やTwitterのフィード、株価、スポーツの結果などを流しておくことができる。そのほか、ナイトクロック機能があり、会場のような明るさでは撮影が難しいほどのわずかな輝度で指定した時刻の間だけ、時計をエッジ部分に表示させておくことができる。

エッジスクリーンの設定画面
エッジライティングをオンにすると、着信時やメッセージの受信時に点灯色を設定できる
ピープルエッジ機能は有効、無効を選択することが可能
ナイトクロック機能。指定した夜間において、ディスプレイがオフでも時間を表示させておける
ナイトクロック機能はバッテリ残量が15%を下回ると自動的に停止する
純正アクセサリーケースと、ブランドとのコラボレーションアクセサリ

(矢作 晃)