【COMPUTEX 2010レポート】【PCパーツ編】
高級パーツを中心にCOMPUETXで見かけた新製品を紹介

高効率をうたう電源が多いなか、GeILはTHORTECH(ソーテック)というブランドとともに、独自の90PLUSマークでアピールした

会期:6月1日〜6月5日(現地時間)
会場:Taipei World Trade Center Nangang Exhibition Hall
   Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/3
   Taipei International Convention Center



 COMPUTEX TAIPEIには毎年、開催地である台湾ベンダーが多数出展してさまざまな新製品を展示する。それは今年も例外ではない。ここではハイエンドユーザをターゲットにした製品を中心に、会場内で見かけたものをいくつか紹介する。

●OC対応メモリや自社製電源を展示したGeIL

 ゲーマー向けのオーバークロックメモリなどで知られるGeIL。メモリ製品では、現行の「EVO ONE」の後継製品となる「EVO TWO」を展示した。

 EVO ONEとはヒートスプレッダのデザインが大きく異なる。これまで最高DDR3-2133(PC3-17000)相当までであったものが、DDR3-2200/2400/2500(PC3-17600/19200/20000)といった、より高クロックなモデルが投入される予定だ。製品の発売は7月下旬以降が予定されている。

 また、今後、AMDプラットフォームでの推奨メモリを展開していくことも検討されているという。

 GeILブースでは、冒頭の写真でも示したとおり高効率を謳う電源もトピックとなった。「Thunderbolt」シリーズはいずれも80PLUS GOLDに対応。1200〜650Wまでのモデルを展開する。日本では1,000W以下のモデルを発売するかも知れない、としている。

 その上位モデルとなる「Thunderbolt Plus」シリーズは、すべての状態において90%以上の変換効率を発揮することをアピール。5インチベイに収納して、電源の状態やファン回転数、温度などをモニタリングできる「iPower Monitor」も搭載している。

 GeILのスタッフは「他社の多くの電源がOEM品であるのに対して、GeILはすべて自社で製造している」という点もアピールしていた。

EVO ONEの後継モデルとして展示された「EVO TWO」。最高クロックでDDR3-2500。2枚組、3枚組、6枚組などのバリエーションで販売される予定 80PLUS GOLDに対応する「Thunderbolt」シリーズ
90%以上の高効率とiPower Monitorを特徴とする「Thunderbolt Plus」シリーズ iPower Monitorのデモ。表示上は、90%の効率で動作していることも確認できる

●OCZ TechnologyではPCI Express接続SSDの廉価版を展示

 OCZ Technologyは、COMPUTEX会場近くのホテル内にプライベートルームを設置。PCI Express接続のSSDとして注目されたZ-Driveの廉価版となる「Revo Drive」を展示した。

 Revo Driveは、PCI Express x1接続のボード上に、SandForceのSF-1200コントローラ×2基を用いて、独立した2基のSSDシステムを搭載。この2基でRAID 0アレイを構成した製品となる。フラッシュはMLCタイプが用いられる。

 性能面はリード540MB/sec、ライト530MB/sec、75,000IOPSを公称。本製品の容量は128GBとなるが、ボード上にアドオンカード用のコネクタを備えており、ユーザーの手で増量することもできる。

 スタッフは、「Z-Driveはエンタープライズ向けだったので高価だったが、本製品はコンシューマに向けて出荷されるものなので安価だ」としており、128GBの容量で450ドル程度を想定しているという。今後、4〜6週間後に出荷を開始する。

「Revo Drive」はZ-Driveよりも安価に提供されるPCI Express接続のSSD。2台のSSDをRAID 0とする構成を採っている SSDのコントローラはSF-1200。左端にあるコネクタに増設カードを接続して容量追加できる

 SSD関連では、USB 3.0接続の外付けSSDや、1.8インチのSSD。そして、独自インターフェイスを使ったプロトタイプも展示された。

 前者は「Enyo」という製品が付けられており、フラッシュはMLCタイプ、SSDのコントローラにはIndilix製、USB 3.0のマスストレージコントローラとしてSymwave製チップを、それぞれ用いている。性能面はリード260MB/sec、ライト200MB/secを公称。

 容量は64GB、128GB、256GBをラインナップしており、価格は128GBモデルで250ドル程度を想定している。3〜4週間後に出荷を開始する。

 1.8インチSSDは、廉価モデルの「Onyx」とパフォーマンスモデルの「Vertex 2」を展示。ノートPCの換装用として1.8インチのSSDに対する要望が多かったので、製品化を決定したという。

 OnyxがIndilinxを搭載し、リード145MB/sec、ライト120MB/sec。容量は32GBと60GBが提供される。Vertex 2はSandForceのSF-1200を搭載しており、リード285MB/sec、ライト275MB/secの性能。容量は60GB、200GB、240GB。Onyx、Vertex 2ともにMLCタイプのフラッシュを使用する。

 価格は未定ながら、2.5インチの同ブランド/同容量の製品と同程度の価格を検討している。出荷は3〜4週間後を予定している。

USB 3.0接続の外付けSSD「Enyo」。性能とともにスリムなデザインも特徴として挙げていた 1.8インチSSDの2モデル。バリューモデルの「Onyx」と、パフォーマンスモデルの「Vertex 2」

 独自インターフェイスのSSDは、「HSDL(High Speed Data Link)」と呼ばれるインターフェイスで接続したもの。物理的な形状はMini SASに近いものとなっている。転送速度は、リード930MB/sec、ライト790MB/sec、75,000IOPSとされており、IOPSが既存のハイエンド製品並であることから、インターフェイス速度による性能向上であることが分かる。

 このインターフェイス規格についてスタッフは、「他社が対応製品を出してくれることには期待しているが、現在は独自技術」としており、独自規格のようだ。製品化は年末以降としている。

独自規格のHSDLで接続される、コントローラボードどSSD 4ポートのコントローラボードも検討。こちらはRAID構築も可能になる コネクタはMini SASに似たもの

 OCZといえばOC用メモリも主要製品の1つだが、これまでのデザインを基本に高クロックモデルを投入したものの、今回は目立ったトピックはない。

 一方、電源ユニットは80PLUS SILVERに対応した静音電源が紹介された。OCZは日本ではメモリメーカーとして知られているが、今後は電源の市場投入も積極的に検討していきたいとしている。

「Reaper」シリーズにラインナップされるPC3-19200メモリの稼働デモを実施 2週間内の出荷を予定している「Silencer MKII」。135mmファンを備えた静音電源で、500〜950Wのモデルがラインナップされる

●Dark Fleetの廉価版からスピーカーまで多彩なAntecブース

 ゲーマー向けモデルを中心にさまざまな高級ケースを展開するAntecは、今回のCOMPUETXで、もっと手軽に購入できる製品をいくつか展示したのが印象的だった。

 Dark Fleetシリーズでは、現在発売されているDF-85、および先月発表されたDF-35が展示されたほか、さらなる廉価版となるDF-10を計画中だという。

 DF-10は、DF-85/35の特徴であった2.5インチのオープンベイや着脱式のファンフィルター、ホットスワップ用のSATAアダプタなどを廃し、主にデザインのみを踏襲したシンプルなモデルとなる。シンプルとはいっても、フロントファン部分のみを簡単に取り外せるようにすることで、ある程度のメンテナンス性が確保される。価格は1万円程度を想定している。

 なお、Dark Fleetシリーズの上位モデルの特徴となっているホットスワップ対応のSATAアダプタだが、付属品以外に追加購入の要望が多いことから、単品での発売がほぼ決まっているという。こちらも要注目といえる。

AntecのDark Fleetシリーズの廉価版「DF-10」。デザインは似ているが、フロント部のギミックが大きく異なる ファン個別のフィルタ交換などができたDF-85/35とは異なり、パネル部を丸ごと取り外してメンテナンス。ケーブルマネージメント用の穴を設けるなどの工夫は施されているという

 電源ユニットでは、80PLUS GOLDに対応した「HIGH CURRUNT PRO」シリーズを展示。HIGH CURRENT PROは1,200Wや1,000Wの大容量モデルがラインナップされる製品で、1,000Wモデルで12V/40A×4系統、1,200Wで12V/30A×8系統という仕様になっている。

 スイッチング回路に、多くの電源ユニットが採用しているダブルフォワード型ではなく、フルブリッジ型を採用することで高効率と電圧の安定性を実現している点を特徴として挙げている。

 ちなみに、1,200Wモデルと1,000Wモデルでは外観から大きく異なっており、1,200Wモデルがサイドから吹き付ける80mm角ファンを備える一方で、1,000Wタイプが上部に135mファンを備える。これは1,200Wモデルが基板を2枚用いているため、大型ファンで上部から吹き付けることができないためとのこと。

 また、いずれもモジュラー式のケーブルマネージメントが可能。ただし、モジュラー型のケーブルは損失が大きいことから、1,200Wと1,000Wの各モデルを利用するユーザを想定し、多くのケーブルを利用する可能性が高い1,200Wモデルのほうがモジュラー可能ケーブル数を少なくしている。

HIGH CURRENT PROの1,000Wモデル。上部に135mmファンを備えるデザイン こちらは1,200Wモデル。向かい合うように2枚の基板を取り付けているため、サイドから80mmファンを使って冷却。ファンは山洋製 いずれもモジュラー式だが、1,200Wは標準装備のケーブルを多くすることで損失やノイズを減らす構造になっている
1,000Wモデルの仕様。12Vは40A×4で960Wの出力を持つ 1,200Wモデルの仕様。12Vは30A×8で1,188Wとなる

 このほか、Antecでは「soundscience」というブランドでスピーカー製品の投入も計画している。「PCからモバイルデバイスまでさまざまなデバイスで音楽を楽しむ人にマッチするサイズ(物理的な大きさだけでなく価格の意味も含めて)の製品を届ける」というのがコンセプトだ。

 最初に投入されるのが、フロントスピーカー×2とサブウーファのセットモデル。手元で操作できるコントローラも付属し、ここでは音量のほかに、2.1chモードと3D(仮想5.1ch)モードを切り替えるスイッチも付いている。価格は250ドル程度を考えているといい、年内にも投入する予定になっている。

 その後の製品として紹介されたのが一体型モデルだ。左右のステレオスピーカーと、底面のウーファを一体化。iPodやiPhoneなどを置くための窪みを上部に、手前にはスタンドを備えている。こちらの発売時期は未定。

Antecは「soundscience」ブランドでスピーカーの市場投入を計画。まずは2.1chのセットモデルを発売する予定だ こちらはセットモデルのサブウーファー セットモデルのコントローラ。ボリュームのほか、サラウンド効果の切り替えスイッチを持つ
その後の発売が検討されている一体型スピーカー。前面と上部にiPodなどを置くためのギミックを設けている サブウーファは底面に備えている

●SilverstoneはRavenと同コンセプトのPCケース新製品

 SilverstoneはI/Oパネルが上部になる向きに設置するPCケース「Ravenシリーズ」を展開している。今回のCOMPUETXでは、このコンセプトに基づいた新モデルが3製品が展示された。

 Ravenシリーズの最新モデルとなる「RV03」は、Extended ATXにまで対応する製品。RV02からは若干奥行きが短くなり、こうしたマザーボードの回転設置のメリットである背面を奥の壁に近づけられる、という特徴がより活きるとしている。

 この設計を実現した一番のポイントとして、RV02では電源ユニットを本体後方に設置したのに対して、フロントベイの下部へ移動させたことを挙げている。ただし、それで拡張性が損なわれないよう、本体向かって右側(マザーボード固定パネルの裏側)に3.5インチ×2、2.5インチ×1のHDDベイが設けられている。

 前面の5インチベイは7基分で、ここに5インチベイデバイスだけでなく、120mm角ファンを取り付けることもできる。底面には180mm角のAir Penetratorファンを装備してデモ。Air Penetratorファンとは先月発表された同社製ファンで、整流板の工夫でファンの風の直進性を高めたものである。

 RV03は現時点でプロトタイプであるため、どのようなファンが採用されるかなど、すべてが未定の状態。製品化は今年第3四半期から第4四半期を予定しているという。

Ravenシリーズの3世代目となる「RV03」 電源ユニットをフロントベイ下部に設置することで奥行きを短くした マザーボード固定パネルの裏側にHDDベイを装備。この空間を利用してケーブルマネージメントも可能にしている
フロントには5インチベイ×7を装備。自由なレイアウトが可能で、ファンを取り付けることも可能 Ravenシリーズの特徴となるのがI/Oパネルが上向きになるようにマザーボードを取り付ける点。このコンセプトは踏襲している 通常はI/Oパネルを隠すカバーを取り付けて利用。背面方向からケーブルを引き出せる

 TJ型番が付けられるTemjinシリーズの新モデルも、マザーボードの回転設置にコンセプトを転換した。「TJ11」はFull ATXに対応する大型ケースで、本体サイズは225×850×650mm(幅×奥行き×高さ)。全アルミシャーシの特徴はTemjinシリーズを引き継いでおり、全部分で2mm厚以上のアルミパネルが使われる。

 上部に5インチベイ、マザーボード、下部に電源とHDDスペースというセパレート構造になっており、下部のHDDベイユニットは取り外しが可能。そこに水冷用のラジエータを搭載することができるようになっている。5インチベイが9段と余裕があるうえ、その脇に2.5インチサイズのベイを3基備えているので、HDDベイユニットを取り外して利用するユーザーも大丈夫とスタッフは述べている。

 ハイエンド向け製品ということで、価格は500ドルを超える見込み。製品の発売は第4四半期の前半を予定している。

「TJ11」は総アルミの高級ケース。500ドルを超える価格で提供される I/Oパネルが上になるようにマザーボードを設置するタイプとなっている
本体向かって右側から内部へアクセスするが、反対側には2.5インチベイ×3台の金具が用意されており、SSDなどを取り付けられる 本体向かって右側の下部にはHDDベイのユニットが取り付けられているが、それを外して、代わりに水冷用のラジエータを取り付けることもできる

 非常にユニークな見た目を持つ「FT03」も、やはりI/Oパネルを上部に設置する格好でマザーボードを取り付ける製品。といっても、こちらはデザインコンセプトが先にあり、それを実現するために内部構造が工夫されているとしているので、前2モデルとは色合いが少し異なる。

 底面部には電源ユニットや底面ファンを装備。上部はI/Oパネルのほか、スライド式のHDDベイを2基分備えている。HDDベイは内部には3.5インチ×3と2.5インチ×1で、十分な台数のHDDを搭載可能な点をアピールしている。

 内部のファンの位置や向きもポイントで、、ビデオカード冷却用やCPUとメモリをまとめて冷やすファンなど、斜め向きに設置することで、狭いスペースでエアフローを工夫している。

 製品化は今年第4四半期を予定しており、価格は200ドル以下になる見込み。

製品の周囲にI/O部を持たないユニークな外観を持つ「FT03」 底面は電源ユニットやケースファンの吸入口を設けている I/Oパネル類はすべて上部に。通常はここを隠すための「フタ」を取り付けて利用する
上部にはスライド式の3.5インチHDDベイを2基備えている 本体正面から向かって右側にもHDDベイを装備。3.5インチ×3台、2.5インチ×1台の固定が可能 ビデオカードやCPU、メモリを冷却するクーラーが斜めに取り付けられているのも工夫の1つ
本体背面側。所狭しとパーツが詰め込まれており、「一度取り付けたら、外すのは大変」とブーススタッフも笑いながら話していた

 このほかに、ちょっと変わったところでは「Silverstoneで一番安いケース」として紹介された、デスクトップ型のケースが展示されている。同社ではHTPC(Home Theater PC)向けにアルミ製のデスクトップ型ケースをいくつか発売しているが、本製品はそうしたラインナップをもっと安価に提供するというモデル。価格は50〜60ドルとしており、安価な製品の選択肢が少ないデスクトップ型ケースの1つして期待できそうなモデルだ。

 microATXまでのマザーボードに対応し、ベイは外向きに5インチベイを1基、内部に3.5インチベイを1基備える。ファンは80mm角ファンを4基取り付け可能だ。

 また、こうした薄型のデスクトップ型ケース向けに、Intelのリテールクーラーをさらに薄くしたCPUクーラーも展示。95Wまで冷却可能で、性能重視(Performance)モードと、静音(Quiet)モードの切り替えスイッチも備えている。

50〜60ドルの低価格をうりとする「ML03」。microATXまでに対応するデスクトップ型ケース デスクトップ型ケースに向く、95W対応のCPUクーラー。Intel純正クーラーよりさらに薄く、ファンの制御モード切り替えスイッチを備える

(2010年 6月 7日)

[Reported by 多和田 新也]