【COMPUTEX 2010レポート】【ノートPC編】
東芝の3D Vision対応ノートをNVIDIAが展示
~CLEVOからはFermi SLI仕様のノートPCも

CLEVOブースは、入り口すぐのところに日本橋プロジェクトの音々PCを展示

会期:6月1日~6月5日(現地時間)
会場:Taipei World Trade Center Nangang Exhibition Hall
   Taipei World Trade Center Exhibition Hall 1/3
   Taipei International Convention Center



●NVIDIAが屋外ブースで東芝の3D Visionノートを展示
NVIDIAブースで展示された3D Vision対応の東芝製ノート

 NVIDIAは今回のCOMPUTEX TAIPEIには正式には参加をしていないものの、「3D Experience Center」と呼ばれる屋外ブースを設置。その名のとおり、多数の3D Vision体験コーナーが設けられている。

 ここに、東芝製の3D VisionノートPCが展示されている。仕様などについては「秘密」とされているうえ、キーボード上にプラスチックカバーを設置して来場者が触れられないようにしているため、詳しい情報は一切得られていない。

 液晶下には「Satellite」のブランド名が書かれているが、国内ブランドとしては、むしろQosmioに近い印象を受ける。正式な発表を待ちたい製品だ。

●GeForce GTX 480M×2基搭載のノートPCを展示

 ネットブックから、デスクトップCPUを使った大型ノートPCまで、幅広いジャンルのノートPCをラインナップするCLEVOのブースでは、5月に発表されたばかりのGeForce GTX 480MをSLI構成とした大型ノートPCが展示された。

 それが「X7200」モデルで、プラットフォームはデスクトップPCのIntel X58 Expressをベースとしている。CPUは顧客オーダーによるが、6コアのCore i7-980Xにも対応可能。メモリはSO-DIMMスロットを3基装備。オーバークロック動作も考慮されており、メモリはDDR3-1600までサポートしている。

 肝心のGPUであるが、MXM3.0のType Bカードを2枚装着することで、GeForce GTX 480MのSLI動作を実現。GeForce GTX 480Mを2枚稼働させることを前提としたシステムであるため、ACアダプタはなんと300Wのものが付属するという。

 ディスプレイは17.3型のフルHD(1,920×1,080ドット)液晶または1,600×900ドットを選択できる。展示機は1,600×900ドットが搭載されていた。ストレージは3台の2.5インチHDDを搭載可能でRAID 0/1/5をサポートしている。光学ドライブはオプション扱いとなるが、Blu-ray Discドライブを内蔵できる仕様となっている。

 本体サイズは419×286×56.5~60.7mm、重量はバッテリ込みで5.3kg。すでに受注は開始しており、出荷開始は7月中旬以降を予定しているという。

GeForce GTX 480MのMXMカードを2枚搭載するCLEVOの「X7200」本体左側面にUSB 3.0×2ポートを装備。光学ドライブもこちらに備える本体右側面のインターフェイス
NVIDIAコントロールパネルのシステム情報とSLI設定画面展示機はCore i7-930を搭載。SLI時の3DMark06のスコアはOverall:18162、SM2.0:6845、HDR/SM3.0:9135となっている参考までに非SLI時の3DMark06のスコア。Overall:16620、SM2.0:6787、HDR/SM3.0:7446(いずれの結果も解像度設定は1,280×800ドット)

 CLEVOのブースでは、このほかにもGeForce GTX 480Mを搭載可能な製品を2モデル展示。1つは「X8100」で、過去から同社が手がけている18.4型液晶のゲーミングPCをベースとしたデザインのPC。ハードウェアはCore i7+Intel PM55チップセットの構成。GPUは柔軟な仕様となっており、GeForce GTX 480Mのほか、GeForce GTX 285MやRadeon HD 5870にも対応。Quadroをパッケージすることもできるそうだ。ストレージは2.5インチHDDを3台搭載可能となっている。

 もう1つのGeForce GTX 480M搭載ノートは「WU880」。Intel PM55チップセットに、Core i7/i5/i3の各種モバイル向けCPUを搭載可能。液晶サイズは17.3型。HDDは2.5インチHDDを2台まで搭載可能でRAID 0/1をサポート。X7200では2基備えていたUSB 3.0ポートは1基となっている。

 また、このほかに目立ったところでは、3D Vision対応のノートPC「WU860」を展示。液晶サイズが15.6型(1,366×768ドット)で、プラットフォームはIntel PM55ベース。GPUはGeForce GTX 285MまたはGeForce GTS 360Mを選択できる。

 Optimus Technologyに対応するノートPCも展示している。「B4100M」は14型(1,366×768ドット)液晶搭載ノートで、Core i7+Intel HM55ベース。GPUはGeForce G310Mとなる。このほか展示はなかったものの、上位モデルの「B5100M」も用意され、こちらは液晶が15型、GPUがGeForce G330Mになるとのこと。

「X8100」はGeForce GTX 480MのRadeon HD 5870なども搭載可能で、展示機はGeForce GTX 285Mを搭載していた。サイズ/重量は439×299×44~59.1mm/5.6kg「WU880」はGeForce GTX 480Mを搭載する製品としては、X7200よりは標準的な製品。サイズ/重量は412×279×39~56.8mm/約4kg
3D Vision対応の「WU860」。374×263.5×42mm、3.3kgのサイズとなる。こちらもUSB 3.0ポートを2基備えているOptimus Technology対応の「B4100M」。14型液晶のノートPCで、サイズ/重量は346×238×24.8~35mm/2.3kgとなる

●Acerブースには新CPU搭載ノートが多数

 ノートPCメーカーとして、日本でも一定の地位を築いたAcerのブースでは、5月に発表されたモバイル版Phenom IIシリーズや、このCOMPUTEXで発表されたDDR3対応版Atom、超低電圧版Core iシリーズの新モデルなど、最新CPUを搭載するノートPCが数多く展示された。それらを中心に、Acerブースで目に留まったノートPCを写真で紹介しておきたい。

「Aspire 7552G」はPhenom II N930を搭載する17.3型液晶のノートPC。メモリは4GB。GPUはRadeon HD 5850を搭載する「Aspire 5625G」はPhenom II P920を搭載する15.6型液晶のノートPC。メモリは4GB、GPUはRadeon HD 5650を搭載するこちらは10.1型液晶のAspire Oneシリーズにラインナップされる「Aspire One 521」で、AMD V105を搭載する
packard bellブランドの「dot a」は、Athlon II Neo K325を搭載する11.6型液晶のノートPC。本体重量は1.35kgeMachinesブランドの「E640G」。Athlon II P320、Radeon HD 5470を搭載している
Atom N455を搭載する10.1型(1,280×720ドット)液晶搭載ノート「Aspire One 533」。1GBのDDR3メモリを搭載「Aspire One D260」は、従来のAtom N450版と、DDR3対応のAtom N455版を展開するAspire One D260は、これまでの10.1型(1,024×600ドット)液晶搭載のAspire Oneとは異なる新デザインとなっている
Core i5-520UMを搭載していた「Aspire Timeline X 1830T」のCore i3-330UM搭載版となる「3730」モデル。11.6型(1,366×768ドット)液晶を搭載Gatewayブランドの「EC39C」は、Core i5-520UMを搭載する13.3型液晶ノート。GeForce 310Mを搭載しており、Optimus Technologyをサポートする

 最後に少し余談気味にはなるものの、Acerブースで展示されたAndroidスマートフォンにも触れておきたい。5月末に発表されたAndroid 2.1採用スマートフォン「Stream」は、HDMI出力端子を持つのがユニークな製品。本体下部にある3つの独自ボタンでメディア操作や画面出力設定などを行なうようになっている。Dolby Mobileにも準拠。CPUはQualcommのSnapdragon 1GHzで、512MBフラッシュ、512MBメモリといった仕様。液晶は3.7型AMOLED、解像度は800×480ドットとなっている。

 「bTouch E130」は、このCOMPUTEXのタイミングで発表された新製品だが、Android 1.6ベース。2.6型(320×240ドット)タッチスクリーン液晶のほかに、QWERTYキーボードを備えるのが特徴。システムメモリは256MBで、フラッシュは512MB。CPUはST-EricssonのPNX6715 416MHzを採用する。

 このE130からQWERTYキーボードを取り払って、タッチスクリーンのみの仕様にしたといえる仕様の製品が「bTouch E120」。Android 1.6、PNX671 416MHz、システム・フラッシュの容量はE130と共通。液晶サイズは2.8型と若干大きいが、解像度は320×240ドットとなっている。E130、E120の両製品は8月の出荷を目指しているとのこと。

 このほか、2月に登場したLiquid Eのフェラーリコラボモデルも展示されている。

AcerのAndroid 2.1スマートフォン「Stream」。UIや最下部のボタンなど、Acer独自のユーザーインターフェイスを持つStreamから動画をHDMI出力して再生するデモを実施した
QWERTYキーボード搭載のAndroid 1.6端末「bTouch E130」2.8型(320×240ドット)液晶搭載のAndroid 1.6端末「bTouch E120」Liquid Eのフェラーリモデルも展示

(2010年 6月 4日)

[Reported by 多和田 新也]