イベントレポート

Dell、2in1やノートPCを第8世代Coreに刷新。白いWindows MR用HMDも公開

Intelの記者説明会で展示された第8世代Core搭載XPS 13。論理コアが8つあることがわかる

 米Dellは、8月28日にプレスリリースを行ない、秋冬商戦向けとなるノートPCやWindows Mixed Reality用HMD(ヘッドマウントディスプレイ)「Dell Visor」などを発表した。これらの新製品は、9月1日からドイツ連邦共和国ベルリン市において開催されている世界最大の家電展示会IFA 2017の同社ブースにおいて展示されている。

 展示されているのは、「XPS 13」、「Inspiron 7000 2-in-1」シリーズ、「Inspiron 7000 laptop」などのプレミアム/一般消費者向けノートPCおよび2in1で、いずれも従来は第7世代Coreプロセッサが搭載されていた製品が、第8世代Coreプロセッサに強化された製品となる。

第8世代のCPUが選択可能になった「XPS 13」

 XPS 13は、13.3型のQHD(3,200×1,800ドット)ないしはフルHD(1,920×1,080ドット)の狭額縁ディスプレイを採用したクラムエシェル型ノートPC。狭額縁パネルにより底面積が12型級と同じ程度になっており、コンパクトにまとまっているため人気を集めている製品だ。

 XPS 13はタッチ対応/非対応の2つがあり、デジタイザペンが利用できる製品は「XPS 13 2-in-1」として別途ラインナップされている。今回第8世代Coreプロセッサ版が追加されたのは、クラムシェル型のXPS 13の方になる。

Dellブースに展示されたXPS 13
カラーバリエーション
キーボードとタッチパッド
カメラ
左側面
右側面

 選択できる第8世代のCPUは、Core i7-8550UとCore i5-8250Uで、いずれもIntel UHD Graphics 620のGPUを内蔵している。引き続き第7世代CPUを搭載した製品も販売され、CPUの選択肢として第7世代と第8世代のCPUが混在するかたちになる。

 CPUに第8世代Coreプロセッサが選択肢として追加された以外は、基本的にはスペックはほぼ同じで、最大で16GBまでのメモリ、最大で1TBのSSD(PCI Express接続)、60Whのバッテリとなっている。

 ポート類は、Thunderbolt 3/USB PDに対応したUSB Type-Cが1つ、USB 3.0×2、オーディオ端子、SDカードリーダとなっており、こちらも従来製品と同等だ。

 なお、Dellブースには第7世代Coreプロセッサ搭載製品が展示されていたが、IFAに先立って行なわれたIntelの記者説明会では、XPS 13の第8世代Coreプロセッサ搭載モデルが展示されていた。

 第8世代Coreプロセッサを搭載した新XPS 13は米国では9月12日より受注が開始され、Dell.comでの直販価格は799.99ドル(1ドル=110円換算で、87,890円)となっている。

展示されていたのは第7世代Core搭載製品だった

第8世代Coreプロセッサ搭載の「Inspiron 7000 2-in-1」、「Inspiron 7000」

 「Inspiron」シリーズも、第8世代Coreプロセッサを搭載した新製品へと刷新されている。今回は2in1が5製品、クラムシェル型が2製品、第8世代Coreプロセッサ搭載の新製品として発表されており、ブースには5製品(いずれも7000番台の製品)が展示されていた。

 Inspiron 7000シリーズは、シリーズの中で最上位に位置づけられている製品で、パネル回転型の2in1とクラムシェル型の2つのシリーズが用意されている。今回展示された製品は、いずれもCore i7-8550U/i5-8250Uを搭載している。

 Inspiron 17 7000 2-in-1は17型フルHD液晶を搭載した2in1型デバイスで、狭額縁のディスプレイを採用しており、17型級でありながら15.6型のパネルを搭載したノートブックPCと底面積があまり変わらないのが1つの特徴になっている。ただし、ほかのInspiron 7000 2-in-1がタッチとペンに対応しているのに対して、Inspiron 17 7000 2-in-1はタッチのみに対応している。

 狭額縁ながら液晶ディスプレイの上部にIRカメラが内蔵され、Windows Helloの顔認証を利用できるほか、GPUとしてNVIDIAのPascal世代のGeForce MX150を搭載している。

Inspiron 17 7000 2-in-1
Inspiron 17 7000 2-in-1のおもな仕様
形状パネル回転型2-in-1
CPUCore i7-8550U/Core i5-8250U
GPUGeForce MX 150
メモリ最大16GB
ストレージ最大1TB SSD(SATA)/最大512GB SSD(NVMe)/最大2TB(HDD)/128GB SSD+1TB HDD
ディスプレイ17.3型 フルHD IPS(タッチ対応)
Windows Hello顔認証対応
サイズ(幅×奥行き×高さ)412.5×277.5×22.1~22.6mm
重量3kg~
米国での発売時期10月3日
Dell.comでの価格949.99ドル~

 Inspiron 15 7000 2-in-1は15.6型のUHD(4K)とフルHD、Inspiron 13 7000 2-in-1は13.3型のフルHDのパネルを採用しており、いずれもタッチとペンの両方に対応している。

 17型のモデルと同じように狭額縁になっており、1つ下のサイズの液晶を搭載するPCと同じ底面積で1つ上のサイズのディスプレイを実現している。Inspiron 15 7000 2-in-1はCPU内蔵のGPUに加えて、dGPUとしてGeForce 940MXも選択もできる。

Inspiron 15 7000 2-in-1
Inspiron 13 7000 2-in-1
Inspiron 15 7000 2-in-1のおもな仕様
形状パネル回転型2-in-1
CPUCore i7-8550U/Core i5-8250U
GPU内蔵/GeForce 940MX
メモリ最大16GB
ストレージ最大521GB SSD(SATA)/最大512GB SSD(NVMe)/最大2TB(HDD)/128GB SSD+1TB HDD
ディスプレイ15.6型UHD IPS/15.6型フルHD IPS(タッチ/ペン対応)
Windows Hello顔認証対応
サイズ(幅×奥行き×高さ)361.36×244.5×18.81mm(FHD)/18.91mm(UHD)
重量2.1kg~(FHD)/2.17kg~(UHD)
米国での発売時期10月3日
Dell.comでの価格849.99ドル~
Inspiron 13 7000 2-in-1のおもな仕様
形状パネル回転型2-in-1
CPUCore i7-8550U/Core i5-8250U
GPU内蔵
メモリ8GB
ストレージ最大512GB SSD(SATA)/最大512GB SSD(NVMe)
ディスプレイ13.3型フルHD IPS(タッチ/ペン対応)
Windows Hello顔認証対応
サイズ(幅×奥行き×高さ)309.6×215.7×15.51mm
重量1.45kg~
米国での発売時期10月3日
Dell.comでの価格899.99ドル~

 クラムシェル型はInspiron 15 7000とInspiron 13 7000の2つの製品がある。それぞれ15.6型と13.3型のパネルを採用しており、15.6型はUHDとフルHDの2つのパネルから選択できる。また、フルHDにはタッチと非タッチの選択肢があり、タッチ製品ではWindows Helloの顔認証を利用できるIRカメラも搭載されている。

Inspiron 13 7000
Inspiron 15 7000
Inspiron 15 7000のおもな仕様
形状クラムシェル型ノートPC
CPUCore i7-8550U/Core i5-8250U
GPU内蔵/GeForce 940MX
メモリ最大16GB
ストレージ最大521GB SSD(SATA)/最大512GB SSD(NVMe)/最大1TB(HDD)/128GB SSD+1TB HDD
ディスプレイ15.6型UHD IPS(タッチ/ペン対応)/15.6型フルHD IPS(タッチ/ペン対応)/15.6型フルHD IPS(非タッチ)
Windows Hello顔認証対応(タッチモデルのみ)
サイズ(幅×奥行き×高さ)361.4×244.5×18.91~21.12mm(UHD)/361.4×244.5×18.81~20.04mm(FHD)
重量1.995kg
米国での発売時期10月3日
Dell.comでの価格799ドル~
Inspiron 13 7000のおもな仕様
形状クラムシェル型ノートPC
CPUCore i7-8550U/Core i5-8250U
GPU内蔵
メモリ4/8GB
ストレージ最大512GB SSD(SATA)/最大512GB SSD(NVMe)
ディスプレイ13.3型フルHD IPS(非タッチ)/13.3型フルHD IPS(タッチ/ペン対応)
Windows Hello顔認証対応(タッチモデルのみ)
サイズ(幅×奥行き×高さ)309.7×215.7×15.19~16.42mm(非タッチ)/309.7×215.7×15.51~16.74mm(タッチ)
重量1.4kg
米国での発売時期10月3日
Dell.comでの価格799ドル~

Windows Mixed Realityに対応したHMD「Dell Visor」

 Visorは、10月17日に公開されるWindows 10 Fall Creators UpdateでサポートされるWindows Mixed Realityに対応したMR HMDで、USBおよびHDMIケーブルでPCと接続して利用する。

Visor
Dellブースでは実際に装着して体験できた

 Dell Visorは2.89型の1,440×1,440ドット/90HzのLCDが両目用それぞれに用意されており、内蔵のインサイドアウトカメラを利用してユーザーの位置を検出する仕組みになっている。このため、HTCのVIVEやOcculus Riftのような外部トラッキングセンサーが不要で、より低価格にできる。

 ただ、これは他社のWindows MR用のHMDも同様で、技術的な差はなく、Visorはデザインがホワイトベースになっているのが大きな違いになっている(他社はブルーとブラックベース)。

 Windows MR専用のオプションコントローラであるMotion Control for Windows Mixed Realityも用意されており、こちらもほかのメーカーと同じくMicrosoftの標準デザインそのままとなっている。

 Dellからは提供開始は10月からとだけ発表されていたが、その後10月17より提供開始ということがMicrosoftから明らかにされているため、10月17日以降に販売開始される可能性が高い。Dell.comでの直販価格はHMD単体が349.99ドル(1ドル=110円換算で、約38,499円)、コントローラが99.99ドル(同、約10,999円)、HMDとコントローラのセットが449.99ドル(同、約49,499円)となっている。

 なお、いずれの製品も日本での販売、時期、価格などに関しては未定だ。