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エプソングループの新宿新本社に「EOS」!?

~オフィスとショールームを報道関係者に公開

エプソングループの本社機能が集約されたJR新宿ミライナタワー

 エプソングループは、セイコーエプソン本店(本社は長野県諏訪市)、エプソン販売本社、オリエント時計本社の拠点機能を、東京・新宿のJR新宿ミライナタワーに集約。このほど、オフィスおよび新設したBtoBショールーム「エプソンスクエア新宿」を公開した。JR新宿ミライナタワーは、JR新宿駅に直結した新たなビルで、注目を集めるバスターミナル「バスタ」とも直結。複合施設の「NEWoMan」が入居する。

 エプソングループでは、最上階となる32階から29階までの4フロアを使用。2月から順次移転を開始し、4月8日に全ての移動が完了。セイコーエプソンが約100人、エプソン販売が900人、オリエント時計が約100人の3社合計で1,100人の社員が、新オフィスで業務を開始している。

 エプソン販売 経営推進本部・佐藤賢司取締役は、「セイコーエプソンの本社がある長野県から東京に来ると、必ず新宿を通ることになる。また、エプソン販売も日野に拠点があり、中央本線を利用している。新宿駅の上というこのビルは、エプソングループにとっては、願うことができないほどの場所である。オリエント時計も神田に拠点があったが、なかなかお互いに足が向かなかった。今後のエプソングループのシナジーに期待を寄せている」とした。

 また、新オフィスの設計に際して、ペーパーレス化やバーチャルオフィス、モバイル機器の先進利用をしている企業のほか、フリーアドレスに取り組んでいる先進企業を直接訪問して研究を行なったというが、それらの研究成果をもとに、エプソングループならではの工夫を凝らして、組織を超えたコミュニケーションを行ないやすいような環境を実現した。「コンセプトはオープンコミュケーションオフィス。空間の有効活用、意思決定のスピードアップ、情報共有と生産性の向上の3つの成果を狙った」という。

ミライナタワーはJR新宿駅と直結する形でオフィスの入口がある
話題のバスタとも直結している

 基本的には、管理部門以外はフリーアドレス方式としているが、完全なフリーアドレスとは異なり、関連部門がある程度まとまって仕事ができるようにエリアを区分けしているのが特徴。また、プリンタメーカーという立場もあり、紙を有効に使用する一方で、オープンスペースではプロジェクタを活用し、紙を使わずに情報を共有する仕組みとしている。

 社内のあちこちに、短焦点型プロジェクタを配置し、すぐに会議ができるようにしていたり、ロッカーの上のデッドスペースを活用して、会社に関連がある情報を、プロジェクタで随時配信するデジタルサイネージとしての活用も、エプソン流のオフィス作りだと言えよう。

 このように、オフィス内には、エプソンのプリンタやプロジェクタを効果的に配置しているが、これは、社員同士のオープンなコミュニケーションを育むスペースとしても活用できるという。

 例えば、一般的なオフィスの場合、複写機は壁際などに配置することが多いが、エプソンでは、スマートチャージをオフィスの中央に配置。「他部署の人と偶然であって会話が始まり、コミュニケーションが活発化するということを期待している」という。

 ちなみに、JRミライナタワーには、エプソングループ以外は、まだオフィススペースに入居していないため、5階のオフィスのエントランスフロアでは、社名を示す看板には、現時点では、セイコーエプソン、エプソン販売、オリエント時計の3社の名前だけが表示されている。これをアルファベット順に並べたところ、「E(エプソン販売)」、「O(オリエント時計)」、「S(セイコーエプソン)」となり、頭文字が「EOS」と表示される結果になった。

 よりによって、プリンタ事業でライバルとなるキヤノンのレンズ交換式デジタルカメラのブランドになってしまったというわけだ。だが、今後、新たな会社が入居すれば、このEOSという順番も崩れることになるだろう。

バスタをエプソンのオフィスから見るとこんな感じだ
オフィスエントランスは5階。エスカレータあるいはエレベータを使用
5階のオフィスエントランスの様子
なんと頭文字を並べると「EOS」になる
事前に登録しておけば、ここからセキュリティパスが発行される
5階のセキュリティゲートを通過する
エレベータをあがると29階に受付がある
29階の受付の様子
受付エリアの様子
EPSONブランドのもとになったミニプリンタ「EP-101」も展示
左は世界初のポータブル型高精度水晶時計「QC-951」、右は世界初のクチォーツウォッチ「セイコーアストロン 35Q」
29階のエプソン販売のオフィスの様子。フリーアドレスとなっている
社員の私物はすべてロッカーに入れることになる
ロッカー上のデッドスペースをデジタルサイネージとして利用
オープンスペースでは社員同士がコミュニケーションを図ったり、会議を行なったりする
オープンスペースの下には事務用品やカタログなど共有するものを収納しててる
フリーアドレスにしたことで効率的にスペースを活用。それにより、リフレッシュコーナーを用意している。このテーブルは卓球台にもなるという
円形のテーブルで仕事ができるスペースも用意
スマートチャージをオフィスの中央に配置して、コミュニケーションにきっかけに活用する
独立スペースも用意。ここではTV会議などに利用する社員もいる
こちらは管理部門のスペース。固定席となっている
ミーティングを行なうスペースを各所に用意している
すでに社封筒の住所もミライナタワーに変わっている
29階フロアからみた新宿副都心の様子。セイコーエプソンが約30年入居していたNSビルもわずかに見える
新宿御苑も一望できる。向こう側には新国立競技場の建設地も
渋谷方向を見るとこちらには代々木公園が見える
こちらは歌舞伎町方向の様子

 一方、29階に設置されたBtoBショールーム「エプソンスクエア新宿」は、4月15日にオープン。同社の製品を一堂に展示するエリアとなっている。なお、29階にはセキュリティゲートを通らなければならないこと、展示製品がBtoB製品が中心となっていることもあり、完全予約制となっている。

 エプソンスクエア新宿のエントランスでは、今年6月に発売予定の4K対応プロジェクタを設置。250型の画面サイズで4K映像を投射している。

 そのほか、スマートチャージの全モデルや、オフィス向けビジネスプリンタ、日本でも販売を開始した大容量インクタンクプリンタ、隠れた人気を集めているモバイルプリンタなども展示。また、コンシューマ向け製品としても、最新インクジェットプリンタ「EP-808AR」や、エプソンダイレクトのEndeavorシリーズも展示している。

 さらに、ゴルフクラブにモーションセンサーのM-Tracerを取り付けてパットの動きをデータとして収集したりといったデモストレーションも行なえるようにしている。

 写真で、エプソンスクエア新宿の様子を見てみよう。

エプソンスクエア新宿の様子
エプソンスクエア新宿のエントランスを入ると250型の大画面投射が迎える
6月に発売の4Kプロジェクタ「EB-G7900U」を先行展示
小型6軸ロボット「N2」を展示。小型のアームロボットはエプソンの得意分野
最新のカラリオプリンタ「EP-808AR」
モバイルプリンタも人気を博している製品の1つ
日本でのいよいよ投入した大容量インクカートリッジプリンタ
エプソンが最も力を入れている領域のオフィス向けインクジェットプリンタ
スマートチャージのコーナー。全機種を展示しているという
モノクロ印字に特化したプリンタも展示
A2ノビ、17型ロール紙に対応した「SC-PX3V」
大容量スキャンに対応した「DS-70000」
モバイルスキャーナー「DS-40」などを展示
工業用途に利用するカラーラベルプリンタ「TM-C7500」
レシートなどを打ち出すシートプリンタ
大判インクジェットプリンタ「SC-P9050V」もデモができる
エプソンダイレクトのEndeavorシリーズコーナーもある
タッチパネルPCと呼ぶ「Endeavor TD160E」
WristableGPSシリーズ。センサー技術を活かしたウェアラブルデバイス
Smart Canvasは、カラフルなデザインが人気だ
オリエント時計のORIENT STARシリーズ
高層階の風景を眺めながらモーションセンサーのM-Tracerによるゴルフの体験ができる
エプソンが発売するプロジェクタを展示
短焦点プロジェクタのデモストレーションも行なっている
短焦点プロジェクタを使って、机に映し出すデモ
ショールーム内では大阪の拠点と結んだ会議も可能だ
スマートグラス「MOVERIO BT-200AV」も体験できる
今後このスペースにPaperLabが展示されることになる
商談・打ち合わせスペースも用意している

(大河原 克行)