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おみくじなど裏コマンドも存在。日本語版Windows 10 Cortanaは何ができるのか
(2015/11/19 06:00)
日本マイクロソフト株式会社は18日、12日に提供開始となったWindows 10初のメジャーアップデート(November Update)の概要についての説明会を開催した。本稿では、そのうち、今回より日本語版にも正式実装された「Cortana」(コルタナ)についてお伝えする。
Cortanaは、元々Windows Phone向けに開発されたデジタルパーソナルアシスタント。文字あるいは音声入力による指示で、検索や各種操作を行なうことができる。Cortanaの背景にあるのは技術的に言えばBingの検索機能と機械学習による分析結果となるが、Cortanaは単なる検索マシンではなく、人間の秘書のような信頼され得る存在となることを目指している。
Windows 10においてCortanaは、米国では7月29日の公開当初から利用可能になっていたが、日本ではNovember Updateから利用可能になった。このタイムラグは、マイクロソフトが、ユーザーが気軽に口語体で発言しても理解できる高度かつ各言語に最適化された認識技術の搭載や、国や地域によって異なる文化やマナーまでもCortanaに反映させることを目指したために発生した。つまり、日本語版のCortanaは日本語を深く理解し、日本のマナーにも通じているわけだ。機能的にも、発言のアクセントの面でも、まだ、発展途上な部分もあるが、同社が「日本語版Cortanaは立ち上げるとお辞儀をする」と説明するのに現われているとおり、日本人が想像・期待する秘書像に近い性格付けがなされている。
実は、米国と比べると3カ月遅れの投入だが、同じ英語圏でもカナダなどでは、日本と同じタイミングでCortanaが利用可能になっていることが示す通り、日本語への対応はかなりの優先度を持って実施されているほか、日本独自の拡張も実装されている。例えば、米国には「晴れのち雨」や「雪だるま」という天気のアイコンが存在しないので、これは日本向けに新規に作られた。また、世界に先駆けて日本語版Cortanaでは地震情報も得られるようになっている。
そんなCortanaは、具体的に何ができるのか? ざっと挙げると、現時点の日本語版Cortanaは下記の事柄を実行できる。
- カレンダー(追加/変更/閲覧)
- リマインダー(場所/時間/人の設定)
- アラームの設定
- 音楽をかける
- 追跡(フライト情報)
- ファイナンス(為替と株)
- 数字(計算と単位変換)
- 天気
前述のとおり、ユーザーは、Cortanaに対して、音声あるいはキーボード入力で、自然な文体で質問/指示できる。例えばカレンダーの場合、「金曜に歯医者の予約を入れる」、「午後3時の約束を4時に変更」、「次の予定は何?」、「週末の予定を見る」、「土曜日のサーフィンの予定をカレンダーに追加」といった具合だ。
アップデートしたユーザーは実際に試してみると分かるが、確かにきっちりとした書式に則った文章でなくてもCortanaは認識してくれる。だが、できることのリストを見る限り、用途はまだまだ限定的だと言える。
しかし、Cortanaはまだ成長の余地を大きく残している。機能面で言えば、例えば英語版では乗り換え案内や、手書き文字も認識できるなど、一歩進んでおり、Windows自体がインターネットサービスのような日々進化する存在になったのと同様に、機能は随時追加されていく予定だ。
また、Cortanaがお勧めしてくるニュースなどは、使い込むほどにユーザー個人の嗜好を理解し、精度が高まってくる。
さらには、CortanaのAPIはサードパーティにも公開されており、今後他社のアプリもCortanaと連動できるようになる。実際、今回の説明会では予定管理ソフト「JORTE」のベータ版を使った連動デモも行なわれた。スタートメニューから、階層を辿っていったり、アプリの設定変更がどのメニューから実行できるのかなどを把握していなくても、Cortanaに指示を出すだけでさまざまなことができるようになるだろう。
ちなみに、Cortanaが実行できるのは、実は上記に挙げたものが全てではない。「おみくじ」と入力すると、おみくじが引けるし、「冗談を言って」と言うと冗談を返してくれたりもするなど、裏技的なコマンドも存在している。日本マイクロソフトでは、そういった隠しコマンドを探すのも1つの楽しみにして欲しいとしている。