ニュース
クラシックUIと新しいUIがシームレスになったWindows 8.1 Update
(2014/4/8 15:49)
日本マイクロソフト株式会社は8日、都内で記者会見を開き、Windowsの市場状況、および9日に提供予定のWindows 8.1 Updateについての説明を行なった。
冒頭では、同社執行役常務 コンシューマー&パートナーグループ担当の香山春明氏が、Windowsビジネスの最新状況について解説。IDC Japanが提供したデータを掲げ、明日9日に控えるWindows XPのサポート終了に向けて、個人/法人ともに順調に買い替えが推移しているとした。
2014年6月末の予測は、PC全体のうち個人向けでは8.7%、法人向けでは6.6%、台数にして合計592万台がWindows XPマシンとして残るが、当初の目標値である10%を下回ることはほぼ間違いないとする。
また、7型~11.6型タブレット市場においてWindowsのシェアも伸ばしており、他OSの出荷がほぼ横ばいで推移しているのに対し、Windows 8.1が登場した2013年第4四半期以降ではほぼ2倍の出荷を記録し、26%のシェアを獲得。将来的には33%前後のシェアを狙うとした。
続いて、同社 業務執行役員 Windows本部 本部長の藤本恭史氏が、9日に提供予定のWindows 8.1 Updateについて解説した。Windows 8以降、同社はユーザーの声を迅速に製品に反映して、最新の体験をユーザーに提供する「ラピッドリリース」の方針のもと、OSの開発を続けているが、Windows 8.1 Updateもその方針に則り、Windows 8.1リリースからわずか半年後に提供されることとなった。
Windows 8と8.1自体、個人ユーザーのみならず法人ユーザーからも良いフィードバックを受けており、Windows XPからの買い替え需要を満たすのみならず、特にタッチを前提としたUI、つまりタブレットとして機能を活用している企業も数多く存在する。
例として、りそなホールディングスは、わずか3カ月という期間で社内の約3万台のPCを置き換えたほか、女性向け下着販売を行なっているPEACH JOHNでは、タブレットで在庫状況をリアルタイムに確認するシステムを構築することで、接客時間を増やすことに成功したという。
そのWindows 8/8.1の使いやすさをさらに向上させるのが、今回のWindows 8.1 Updateである。既報の通り、タッチ向けインターフェイスをほぼそのままに、キーボードとマウスユーザー向けに多数の改良を加えた。
まず、マウスでデスクトップを利用しているユーザーが慣れた「コンテキストメニュー」を新しいUI上のさまざまなところでも有効にした。例えばスタートメニューのタイルの右クリックでさまざまな設定ができるコンテキストメニューを追加したことで、マウスポインタの移動距離を削減した。
また、これまで分かりにくかった電源ボタンや検索ボタンを画面右上に設け、すぐにアクセスできるようにした。なお、InstantGo対応機種では基本的にハードウェアの電源ボタンを利用してもらうことを想定しているため、デフォルト設定では表示されない。
Windowsストアアプリもデスクトップのタスクバーにピン留めすることができるようになり、シームレスにお互いの環境のアプリが利用できるようになった。また、ストアアプリの上の部分にマウスカーソルを持っていくと、デスクトップアプリのタイトルバーに相当するバーが表示されるようになり、ウィンドウの最小化や左右へのスナップができるようになった。
Internet Explorer(IE)はバージョン11となり、WebGLによる3Dレンダリングをサポート。新しいUIの没入型でもアドレスバーやタブを常時表示しておく設定ができるようになった。一方デスクトップ向けのIEはIE8互換の「エンタープライズモード」を実装した。
このほかWindows 8.1 Proの企業向け機能としては、Windowsストアを介さずにストアアプリをインストールするサイドローディングの規制を緩和し、ドメインに加入しているPCであれば標準でサイドローディングを有効にした。
なお、Windows 8.1 Updateは日本時間9日の午前2時から、Windows Update経由で配布を開始する予定。