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JAXA、3.4PFLOPSの次期スパコンに富士通製品を採用

~2016年4月より全面稼働を開始

現在のJAXAスーパーコンピュータシステム
4月7日 発表

 富士通株式会社は7日、2014年10月からの段階的な導入を計画している、独立行政法人宇宙航空研究開発機構の次期スーパーコンピューターシステムとして、「PRIMEHPC FX10」の後継機が採用されることを発表した。2016年4月より全面稼働の予定。

 JAXAは現在、同じく富士通のSPARC64 VII搭載システム「FX1」を中心とした、計135TFLOPS(メインシステムとプロジェクトシステムの合計)のJAXAスーパーコンピュータシステム(JSS)を稼働させている。

 新スパコンでは、1TFLOPS級の性能を持ち、Tofuインターコネクトを統合したSPARC64の最新プロセッサや、3次元積層により広帯域幅を実現するメモリ技術「Hybrid Memory Cube」などを活用する“FX10後継システム”を中心に、サブシステムとして160台の「PRIMERGY RX350 S8」で構成されるPCクラスタシステム、大規模メモリ空間を利用するシミュレーションのためのサーバーなどを持つ。ピーク性能は3.4PFLOPS。

 JAXAでは、ロケットエンジンの流体、熱、構造の研究や、航空機の機体空力騒音に関する研究などでシミュレーション技術の適用を進めてきたが、近年は、乱流や音響のシミュレーションなど大規模なデータ解析が盛んで、計算処理能力が向上が求められていた。同じSPARC64をベースとしたシステムにより、JAXAが保有するアプリケーションでの高い実効性能、確実かつ容易な資産移行、環境負荷の軽減、使いやすさなどが認められて導入に至ったという。

(多和田 新也)