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東北大とNEC、スピントロニクス技術により無線センサの電池寿命を約10倍に

試作した16bit不揮発MCU
2月12日 発表

 東北大学とNECは12日、スピントロニクス論理集積回路技術を応用した無線センサー端末向けMCUを開発し、消費電力を80分の1にまで削減できたと発表した。

 新開発のMCUでは、論理回路中の電源制御回路や複数の機能ブロックにスピントロニクス素子を適用。必要な機能ブロックへは約120nsで移行できるため、こまめな電源オフができる。

 また、消費電力の大きな、レジスタ内の不揮発素子への書き込みを、電源オフ状態に移行する直前に実施するCPUを新開発。また、書き込み前後のデータが同一の場合は、上書き処理をキャンセルする制御機構も導入した。

 これらにより、待機電力を最小限に抑えつつ、高速な電力制御を実現。具体的には、同MCUの搭載により、センサー端末の電池寿命を約10倍に延ばせるという。

MCU全体のイメージ
消費電力を80分の1に削減

(若杉 紀彦)