GIGABYTEは6日、同社製ビデオカード製品に関する記者向け説明会を東京・秋葉原で開催した。
●マザーと同等の品質を実現したGIGABYTEのビデオカード倉本豊和氏 |
冒頭では、CFD販売株式会社 事業推進部 玄人志向マーケティンググループの倉本豊和氏が、GIGABYTE製ビデオカードの品質について説明。「GIGABYTE製のビデオカードは“TRUE GAMING”と“REAL GRAPHICS”をコンセプトに、マザーボード製品と同様、2ozの銅箔層を内含した放熱性に優れた基板、日本製固体コンデンサ、フェライトコアなど高品質部品の採用により、長寿命/低発熱/高信頼を実現した」とアピールした。
一方、あらかじめ大幅なオーバークロックを施した「SOC(Super Over Clock)」シリーズの製品については、マルチフェーズ電源の採用、フィルムコンデンサプロードライザの採用による電流ノイズの低下により、ユーザーはさらなるオーバークロックが可能だとアピールした。
GIGABYTEビデオカードのコンセプト | マルチフェーズ電源の採用 |
SOCシリーズで採用採用されているプロードライザ | シリーズ展開と特徴 |
また、冷却についても「WINDFORCE」と呼ばれる独自の特許取得済みの冷却機構で、放熱性と静音性の両立を図ったという。
2連ファンの「WINDFORCE 2X」では、100mm角の大型ファンと、エアフローを考慮した傾斜ファン設計、そしてヒートパイプが直接GPUに触れる構造により、冷却性の向上を図った。「GV-N56GSO-1GI」の例を挙げると、負荷時でも29dBの静音性と66℃の冷却性を実現し、競合他社より優れるとした。その一方でオーバークロックされているため、競合他社よりも高性能を実現できるという。
一方、3連ファンの「WINDFORCE 3X」も、ベイパーチェンバー、ヒートパイプ、そして3次元傾斜のファンにより、冷却性を高めつつ静音性を実現したとした。
WINDFORCE 2X | ヒートパイプが直接GPUに触れる構造 | WINDFORCE 3X |
WINDFORCE 3Xの構造を示すスライド | ベイパーチェンバーを採用 | WINDFORCE 3Xの手前側のファンは外に向かって傾斜している |
奥側もケース側面に向かって傾斜していることがわかる | 他社製品との騒音と温度の比較 | 騒音と温度を抑えながらも他社より高性能を実現 |
●フラグシップの「GV-N580SO-15I」
Etien Tsai氏 |
現在発売中の製品であるフラグシップの「GV-N580SO-15I」について、台湾GIGABYTE本社でマーケティングを担当しているEtien Tsai氏が解説を行なった。
まず、同社のSOCシリーズの共通する特徴として、独自のGPU選別プロセス「GPU Gauntlet Sorting」を採用していることを紹介し、オーバークロック耐性が高いロットのみを選別してSOCシリーズに搭載していることを明らかにした。
また、先述の独自基板や高品質パーツの採用により、GV-N580SO-15Iはリファレンスより16%高い性能、33%低い温度、そして8%低い消費電力を実現したという。
独自のGPU選別プロセス「GPU Gauntlet Sorting」 | GV-N580SO-15Iの性能/機能の特徴 |
さらに、GIGABYTEマザーボードにも採用されている特許技術「Dual BIOS」を適用。2つのBIOS ROMチップに、通常時用BIOSと、液体窒素冷却時用BIOSをそれぞれ入れ、スイッチで切り替えられる仕組みを取り入れた。この液体窒素冷却時用のBIOSには、-98℃以下の低温環境でGPUの性能が低下するコールドバグを回避する仕組みが採用されており、さらに低い温環境でオーバークロックすることで性能を高められるとした。
カード上備え付けのBIOS切り替えスイッチ | |
通常のBIOSでは-98℃付近で性能が低下する | 液体窒素専用のBIOSに切り替えることで-150℃環境でも正常駆動できる |
加えて、12フェーズの電源回路設計や、5個のフィルムコンデンサプロードライザにより、オーバークロックの可能性をさらに高めた。この結果、同社のビデオカードはオーバークロックランキングのビデオカード部門で、上位スコアの常連になっているという。
続いて、WINDFORCE 3Xの採用による冷却性と静音性の高さと、独自ソフト「OC Guru」によるオーバークロックの容易性をアピールした。
12フェーズ電源回路の採用 | 5個のプロードライザによりノイズをさらに低減 | WINDFORCE 3Xによる放熱性と静音性 |
海外誌による測定結果 | リファレンスファンとの比較 | オーバークロックランキングで常にランクインするという |
会場には、日本エヌビディアのテクニカルマーケティングのスティーブン・ザン氏が招かれ、GV-N56GSO-1GIを用いたオーバークロックがデモされた。デモでは、電圧を変更せずに、そのままコアクロックを1GHzに引き上げ、GIGABYTE製ビデオカードの高品質ぶりをアピールした。
スティーブン・ザン氏 | GPUのオーバークロックデモ |
会場で展示されたシステム |
(2011年 10月 6日)
[Reported by 劉 尭]