GIGABYTE、ビデオカードの高品質をアピール

フラグシップの
「GV-N580SO-15I」

10月6日 開催



 GIGABYTEは6日、同社製ビデオカード製品に関する記者向け説明会を東京・秋葉原で開催した。

●マザーと同等の品質を実現したGIGABYTEのビデオカード
倉本豊和氏

 冒頭では、CFD販売株式会社 事業推進部 玄人志向マーケティンググループの倉本豊和氏が、GIGABYTE製ビデオカードの品質について説明。「GIGABYTE製のビデオカードは“TRUE GAMING”と“REAL GRAPHICS”をコンセプトに、マザーボード製品と同様、2ozの銅箔層を内含した放熱性に優れた基板、日本製固体コンデンサ、フェライトコアなど高品質部品の採用により、長寿命/低発熱/高信頼を実現した」とアピールした。

 一方、あらかじめ大幅なオーバークロックを施した「SOC(Super Over Clock)」シリーズの製品については、マルチフェーズ電源の採用、フィルムコンデンサプロードライザの採用による電流ノイズの低下により、ユーザーはさらなるオーバークロックが可能だとアピールした。


GIGABYTEビデオカードのコンセプトマルチフェーズ電源の採用
SOCシリーズで採用採用されているプロードライザシリーズ展開と特徴

 また、冷却についても「WINDFORCE」と呼ばれる独自の特許取得済みの冷却機構で、放熱性と静音性の両立を図ったという。

 2連ファンの「WINDFORCE 2X」では、100mm角の大型ファンと、エアフローを考慮した傾斜ファン設計、そしてヒートパイプが直接GPUに触れる構造により、冷却性の向上を図った。「GV-N56GSO-1GI」の例を挙げると、負荷時でも29dBの静音性と66℃の冷却性を実現し、競合他社より優れるとした。その一方でオーバークロックされているため、競合他社よりも高性能を実現できるという。

 一方、3連ファンの「WINDFORCE 3X」も、ベイパーチェンバー、ヒートパイプ、そして3次元傾斜のファンにより、冷却性を高めつつ静音性を実現したとした。

WINDFORCE 2Xヒートパイプが直接GPUに触れる構造WINDFORCE 3X
WINDFORCE 3Xの構造を示すスライドベイパーチェンバーを採用WINDFORCE 3Xの手前側のファンは外に向かって傾斜している
奥側もケース側面に向かって傾斜していることがわかる他社製品との騒音と温度の比較騒音と温度を抑えながらも他社より高性能を実現

●フラグシップの「GV-N580SO-15I」
Etien Tsai氏

 現在発売中の製品であるフラグシップの「GV-N580SO-15I」について、台湾GIGABYTE本社でマーケティングを担当しているEtien Tsai氏が解説を行なった。

 まず、同社のSOCシリーズの共通する特徴として、独自のGPU選別プロセス「GPU Gauntlet Sorting」を採用していることを紹介し、オーバークロック耐性が高いロットのみを選別してSOCシリーズに搭載していることを明らかにした。

 また、先述の独自基板や高品質パーツの採用により、GV-N580SO-15Iはリファレンスより16%高い性能、33%低い温度、そして8%低い消費電力を実現したという。

独自のGPU選別プロセス「GPU Gauntlet Sorting」GV-N580SO-15Iの性能/機能の特徴

 さらに、GIGABYTEマザーボードにも採用されている特許技術「Dual BIOS」を適用。2つのBIOS ROMチップに、通常時用BIOSと、液体窒素冷却時用BIOSをそれぞれ入れ、スイッチで切り替えられる仕組みを取り入れた。この液体窒素冷却時用のBIOSには、-98℃以下の低温環境でGPUの性能が低下するコールドバグを回避する仕組みが採用されており、さらに低い温環境でオーバークロックすることで性能を高められるとした。

カード上備え付けのBIOS切り替えスイッチ
通常のBIOSでは-98℃付近で性能が低下する液体窒素専用のBIOSに切り替えることで-150℃環境でも正常駆動できる

 加えて、12フェーズの電源回路設計や、5個のフィルムコンデンサプロードライザにより、オーバークロックの可能性をさらに高めた。この結果、同社のビデオカードはオーバークロックランキングのビデオカード部門で、上位スコアの常連になっているという。

 続いて、WINDFORCE 3Xの採用による冷却性と静音性の高さと、独自ソフト「OC Guru」によるオーバークロックの容易性をアピールした。

12フェーズ電源回路の採用5個のプロードライザによりノイズをさらに低減WINDFORCE 3Xによる放熱性と静音性
海外誌による測定結果リファレンスファンとの比較オーバークロックランキングで常にランクインするという

 会場には、日本エヌビディアのテクニカルマーケティングのスティーブン・ザン氏が招かれ、GV-N56GSO-1GIを用いたオーバークロックがデモされた。デモでは、電圧を変更せずに、そのままコアクロックを1GHzに引き上げ、GIGABYTE製ビデオカードの高品質ぶりをアピールした。

スティーブン・ザン氏GPUのオーバークロックデモ
会場で展示されたシステム

(2011年 10月 6日)

[Reported by 劉 尭]