KDDI、国内初のWindows Phone 7.5搭載スマートフォン
~富士通・東芝初協業による防水/防塵機能搭載機

Windows Phone IS12T

9月 発売



 KDDI株式会社は、国内で初めてWindows Phone 7.5を搭載するスマートフォン「Windows Phone IS12T」を9月より発売する。

 端末は富士通東芝モバイルコミュニケーションズ製で、耐指紋コーティングされた480×800ドット表示対応/3.7型液晶、1,320万画素カメラなどを搭載。CPUはMSM8655。IPX5/IPX8の防水、IP5X相当の防塵機能を搭載。インターフェイスは、IEEE 802.11b/g/n無線LAN、Bluetooth 2.1+EDR、microUSBを装備。外部メモリには対応しないが、32GBのストレージを内蔵する。

 そのほかの機能として、FMラジオ、GLOBAL PASSPORT、Eメール(@ezweb、10月上旬対応予定)、リンクキャビネット(DLNA連携)に対応。バッテリ容量は1,460mAhで、連続待ち受け時間は最大約280時間、連続通話時間は最大約400分。本体サイズは約59×118×10.6~13.3mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約113g。本体色は、ブラック、シトラス、マゼンタの3色。

 料金は、従来のスマートフォン向け料金プラン、パケット定額プランが利用可能。

シトラスモデル正面本体背面。1,320万画素カメラはスマートフォンとしてトップクラス上面。防水仕様だがイヤフォンジャックがある
右側面。左からシャッター、音量、電源ボタン底面。国産機らしくストラップホールがある左側面には特になにもない
ブラックモデル正面ブラックモデル背面マゼンタモデル正面
マゼンタモデル背面カバーの中にmicroUSB防水をアピールするデモ

 Microsoftは、携帯電話向けプラットフォームとしてWinows Mobileの後継として2010年にWindows Phone 7を投入。今回のWindows Phone 7.5(コードネームMango)は、そのアップデート版で、日本語を含む16の言語に新たに対応。国内ではIS12Tが初の搭載機となるが、このまま9月まで海外で製品が発売されなければ、世界でも初のWindows Phone 7.5搭載端末となる。このほか、7.5では、7から500以上の機能追加がなされ、アプリのマーケットプレースも18カ国/地域から35カ国/地域に増えた。

 メトロ・デザインと呼ばれるユーザーインターフェイスを採用。その第一の特徴は、ライブ・タイルと呼ばれるホーム画面。iOSやAndroidでは、基本的にアプリのアイコンがずらりと並ぶが、Windows Phone 7.5では、1つの画面に8つ程度の大きめの「タイル」が表示。各タイルはアプリのショートカットであると同時に、電話の着信、メールの未読数、直近の予定など、各アプリの情報も表示されるようになっている。

 また、例えば連絡先においては、まず直近のコンタクト履歴がタイル表示され、右へスクロールさせると、アドレス帳→SNSフィードというように、大枠の情報から詳細へと遷移するパノラマUIも特徴の1つで、「ハブ」と呼ばれている。なお、Facebook、Twitter、Windows LiveはOSに統合されており、「Peopleハブ」にはそれらの情報が一元表示される。

 Microsoftならではの機能として、Internet Explorer 9(IE9)、Officeを標準搭載。IE9は、PC版のサイトをそのまま表示可能。Officeは、Word、Excel、PowerPointの文書を閲覧だけでなく編集でき、25GBのWindows Live SkyDriveとの連携も可能。このほか、音楽機能はZune、ゲーム面ではXbox LIVEが利用できる。

 文字入力に関しては日本独自のカーブフリック入力機能を搭載。「は」をタップすると、上下左右に「ひふへほ」が表示され、「ひ」にフリックするとその斜め上に「び」と「ぴ」が表示されるので、1回の指の移動で濁音なども入力できる。

ライブ・タイル、ハブ/パノラマUIを搭載するメトロ・デザイン実際のホーム画面。カスタマイズも出来る矢印ボタンを押すと、アイコン画面と切り替わる
日本独自のカーブフリック入力機能を搭載Excel文書を開いたところ
Word文書を編集しているところIE9によりPC版と同じサイトを表示できるもちろん横表示も対応
国内ソフトベンダーからも対応アプリが続々登場予定標準でぐるなびなどのアプリが搭載されるAngry Birdsも用意

●「使うごとに気持ちよくなるスマートフォン」

 27日に行なわれた発表会では、キャリア、OS、端末を担当した各社の首脳陣が登壇した。まず、KDDI株式会社代表取締役社長の田中孝司氏は、「これまで当社は“選べるスマートフォン”のコンセプトの下、多種多様なAndroid端末を発売してきたが、これからは“いいモノを、いち早く”というスローガンを加えていく」と述べ、Windows Phoneを他社に先駆け国内に投入することを発表した。

 田中氏は、これまでのWindows MobileがPC色/ビジネス色が強かったのに対し、Windows Phoneはスマートフォンとしての使い勝手を最重視し、直感的に使いやすいUIを実現したと紹介。田中氏自身も、1カ月ほど実際に使ってみた感想として、最初の1日は取っつきにくかったが、コンタクトリストを充実させるにつれ、SNSの世界をじわじわと堪能でき、どんどん気持ちよくなっていったと語った。

 ただし、個人/法人とも使える仕様になっているので、幅広い層への訴求を行なう。

田中孝司氏いいモノを、いち早く…ということでWindows Phoneを国内初投入

 日本マイクロソフト株式会社代表取締役社長の樋口泰行氏は、Windows Phone 7.5の特徴を紹介するとともに、同社のもつ資産、技術、開発環境などを総動員し、最も支持されるOSを目指して、キャリアやメーカー、ユーザー、販売店などをバックアップしていくと、並々ならぬ決意を語った。

 なお、質疑応答でのおサイフケータイ、ワンセグ、赤外線通信搭載の予定については、ノーコメントとした。

樋口泰行氏マイクロソフト資産を総動員してモバイルに注力

 富士通東芝モバイルコミュニケーションズ株式会社代表取締役社長の大谷信雄氏は、今回のIS12Tが富士通と東芝の携帯電話事業が合併して以降、初めて両社の技術者が協業して開発した製品であり、「世界一使いやすい端末」を目指したと語った。

 デザインについては、防水/防塵性能を備えた上で、横幅59mmと日本人の手に馴染むサイズにし、ヨーロッパの文具を彷彿とさせるカラーリングを採用したと説明。また、機能面での差別化ポイントとして、周囲に騒音がある時に、通話相手の声の高音域を強調して聞きやすくする「スーパーはっきりボイス3」や、質感や精細さを高める画像エンジン「Milbeaut Mobileエンジン」を搭載している点などを紹介した。

大谷信雄氏騒音の中でも聞きやすいスーパーはっきりボイス3を搭載

(2011年 7月 27日)

[Reported by 若杉 紀彦]