ファーウェイ・ジャパンの7型Android端末「MediaPad」フォトレポート

ファーウェイ・ジャパン「MediaPad」

7月6日 公開



 ファーウェイ・ジャパンは、7型液晶を搭載するAndroidタブレット「MediaPad」の動作モデルをメディア向けに公開した。MediaPadは、発売時にはAndroid 3.2を搭載して登場する予定となっているが、今回はAndroid 3.2発表前ということもあり、Android 3.1がインストールされた状態での公開であった。また、ハードウェアやOSはまだ調整中ということだった。そのため、今回は本体の外観を中心に写真で紹介していこう。

 MediaPadの本体サイズは、190×124×10.5mm(幅×奥行き×高さ)、重量は390gだ。筆者は比較的手が大きい方だが、片手でも余裕でホールドできる。KDDIが発売している、10.1型液晶搭載タブレット「MOTOROLA XOOM Wi-Fi TBi11M」(以下、XOOM)と比べてみると、フットプリントは当然だが、厚さもかなり薄くなっていることがわかる。液晶サイズの違いがあるとはいえ、非常にコンパクトだという印象が強かった。また、重量もXOOMの半分近くと、非常に軽く、携帯性に関しては雲泥の差だ。

 底面側の側面部に三角形のような形のブラックの樹脂素材が配置されているが、それ以外はシルバーのアルミニウム素材で、他に凝った装飾などもなく、タブレット端末としてオーソドックスなデザインとなっている。尖った個性はないものの、逆に安心して持ち歩けそうだ。

フットプリントは、190×124mm(幅×奥行き)。奥はKDDIの「MOTOROLA XOOM Wi-Fi TBi11M」だが、非常にコンパクトなことがわかる高さは10.5mm。こちらもXOOM(右)との比較だが、XOOMよりかなり薄くなっている。重量も390gと軽く、携帯性は申し分ない

 プロセッサは、ARM系のデュアルコアCPUを内蔵するQualcomm製の第3世代Snapdragon「APQ8060」を採用。動作クロックは1.2GHz。ストレージは、8GBのフラッシュメモリが内蔵され、標準でmicroSDカードも利用可能となっている。microSDカードスロットは、本体裏の側面カバーを外すとアクセスできる。microSDカードスロットの横には3G用のSIMカードスロットも用意されている。

 液晶パネルは7型で、液晶パネルの方式はIPS方式だ。表示解像度は1,280×800ドットと、他の7型タブレットより高精細で、XOOMなどの10.1型タブレットと同じだ。液晶サイズが小さいこともあってか、実際に画面を見ると解像度の数字以上に高精細に感じる。また、Android 3.2では、アプリを液晶パネルの解像度に合わせて表示する機能が盛り込まれ、Android 3.0/3.1などで発生する、アプリの映像が画面内に小さく表示されるといったことがなくなるそうだ。ちなみに、この機能は開発中、Huaweiとの議論のなかで出てきて、基本機能として実装されたそうだ。

液晶パネルには、1,280×800ドット表示に対応する7型液晶を採用。パネルはIPS方式で、視野角は非常に広い7型ながら、10.1型液晶搭載タブレットと同じ1,280×800ドットの表示解像度を持つため、表示映像は非常に高精細だ

 カメラ機能は、裏面側に500万画素のメインカメラに加え、液晶パネル側に130万画素のWebカメラを搭載する。無線機能は、HSPA+ 14.4Mbpsの3G機能と、IEEE 802.11b/g/n対応の無線LAN、Bluetooth 2.1+EDRを搭載。バリエーションモデルとして、3Gを搭載せず無線LANとBluetoothのみを搭載するモデルも用意されるそうだ。センサー類としては、GPSや加速度センサー、電子コンパスなどが搭載される。

 側面の端子やボタン類などは、左側面にヘッドフォン端子とステレオスピーカーが、上部側面に電源ボタンと音量調節ボタンが、右側面にACアダプタを接続する電源コネクタとMicro HDMIコネクタ、micro USBコネクタがそれぞれ配置されている。スピーカーが左側面に配置されているため、横向きでの利用時に音声がステレオで聞こえない点は少々気になる。充電には付属のACアダプタを利用する必要があり、USB充電には非対応。バッテリ駆動時間は、約6時間とされている。

底面側側面部分。こちらには、コネクタやボタン類は配置されていない左側面。ヘッドフォン端子とステレオスピーカーが配置されている。スピーカーはこちら側にのみ搭載のため、ステレオ音声は縦位置でのみ楽しめることになる上部側側面部分。こちらには、ボリュームボタンと電源ボタンが配置されている
右側面には、ACアダプタを接続する電源コネクタ、Micro HDMIコネクタ、micro USBコネクタが配置されているボディにはアルミニウム素材を採用し、底面側の左右にアクセントとしてブラックの樹脂素材が配置されているが、特に凝った装飾などはなく、オーソドックスなデザインという印象だ
裏面には、500万画素のメインカメラを配置。オートフォーカスに対応している液晶側左上には、130万画素のWebカメラが搭載されている底面の樹脂製のフタを外すと、microSDカードスロット(左)と、3G用のSIMカードスロットが現れる。microSDカードは標準で利用可能だ
今回の個体に付属していたACアダプタ。日本で発売される場合には、形状が変更される予定となっている充電はACアダプタを利用する必要があり、USB充電には非対応。バッテリ駆動時間は約6時間とされている

今回の個体では、OSにAndroid 3.1が搭載され、最適化も完了していなかったため、動作がやや重く不安定だった。もちろん発売時には最適化が完了したAndroid 3.2が搭載され、パフォーマンスは向上する予定だ

 今回公開されたMediaPadは、動作があまり機敏ではなく、ホーム画面の切り替えなどに、かなりの引っかかりを感じるうえ、アプリの起動も待たされる印象があった。実は、現在登場済みのAndroid 3.0/3.1タブレットは、全てプロセッサにNVIDIAのTegra 2を採用していることもあり、MediaPadが採用するQualcommのAPQ8060へのOSの最適化がまだ完了していないそうだ。また、今回公開されたMediaPadには、発売時に搭載される予定のAndroid 3.2ではなく、Android 3.1が搭載されており、このあたりも動作に大きく影響を及ぼしているはずだ。Android 3.2が搭載される製品版では、APQ8060に最適化された状態で発売されるそうなので、おそらく、パフォーマンスに関してはTegra 2搭載タブレットと同等以上のレベルになるものと思われる。

 気になる日本での発売時期や販売形態などについては、現時点ではまだ何も決まっていないそうだが、9月頃までには発売にこぎ着けたいとしている。3G機能が搭載されていることを考えると、携帯電話キャリア経由での販売が中心になるものと思われる。また、単体販売も可能性の1つとして考えているそうだ。

 家庭内での利用は、10.1型液晶搭載タブレットの方が画面も大きく使いやすいだろう。ただ、屋外に持ち出して利用するタブレット端末としては、7型液晶搭載のMediaPadは、サイズや重量などを考えても非常に魅力的な存在で、なるべく早期の販売開始に期待したい。

(2011年 7月 6日)

[Reported by 平澤 寿康]