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ソースネクスト、留守電をテキスト化して通知するサービス

~音声を聞くことなく内容を把握可能に

ソースネクスト株式会社 代表取締役社長の松田憲幸氏(右)と、イメージキャラクターを務める女優の剛力彩芽さん

 ソースネクスト株式会社は23日、留守番電話の内容が“読める”ようになるアプリ「スマート留守電」を発表した。Android版はGoogle Playで月額290円(税別)、iOS版はApp Storeにて月額360円で本日より発売する。

 スマート留守電は、留守番電話サービスに預けられたメッセージをテキスト化してユーザーに通知するというもので、利用者は音声を再生する手間なしに、留守電の内容を即座に把握できるようになる。録音メッセージはソースネクストが用意するサーバー上に記録される仕組みを採用し、国外からの留守番電話でも国際料金がかからない。また、音声とメッセージは無制限に保存できるという。

 なお、スマート留守電では留守電の内容を転送するために、専用電話番号をユーザーごとに発行する。各キャリアからその番号への転送という形を採るが、転送先への通話料は基本的に有料となるため注意が必要だ。また、MVNOの業者やプランによっては転送サービスを備えていない可能性もある。

発表当日には都内で製品発表会が開催された。会場には、スマート留守電を実際に試すことができる試用機を設置
筆者の携帯電話からスマート留守電がインストールされた試用機に留守電を残してみた。筆者が告げたメッセージを一字一句漏らすことなくテキスト化して見せた。「PC Watch」をきちんと横文字で変換しているのには正直驚かされた

 スマート留守電ではテキスト化したメッセージをメールで読むこともでき、音声ファイルは添付されて届けられる。メッセージ中の特定の箇所を指定して、その部分のみ音声を再生する「このへん再生」機能も搭載する。テキスト化を行なうソフトウェアはドラゴンスピーチシリーズなどを販売するNuance Communicationsの技術を採用。変換の精度はかなり高いそうだが、基本的に標準語に特化しており、関西弁も多少は聞き取れるそうだが、各地域の方言の変換は難しい。

 このほか、自身のスマートフォンに登録されていない番号からの着信でも、590万件の法人データを照合し、発信者の名称を表示できる機能を備え、宅配業者や銀行から、さまざまな店まで、発信者を表示できるようになっている。複数端末の留守電メッセージを一括管理する機能も備え、台数に制限なく転送が可能。会社/プライベートのスマートフォンから固定電話まで、留守電メッセージも本アプリから読むことができるのが特徴。

留守電の音声を自動的にテキスト化
留守電サービスへの問い合わせは不要
音声中に発音された折り返しの電話番号もしっかりテキスト化し、タップで電話をかけられる
メールで読める
特定の部分のみ音声を再生する「このへん再生」機能搭載
知らない番号でも発信者が分かる
留守電を聞けない状況で力を発揮するスマート留守電の活用シーン

サービス内容に自信。海外展開を視野に

 ソースネクストは「スマート留守電」の発表に伴い、都内で製品発表会を開催。同社のイメージキャラクターを務める女優の剛力彩芽さんも登場した。

 同社代表取締役社長の松田憲幸氏は、今回発表したソフトが日本ではほかにはない無類のサービスであるとし、ソースネクストの社名に込められた“次の常識をつくる”というメッセージを色濃く反映したものであるとアピールした。

プレゼンで松田氏は、同社が手掛けてきた“次の常識”となったソフトや事例を紹介。1997年にはタイピングソフトの「特打」をリリース
2003年にはソースネクストシリーズのコモディティ化
2006年には業界初の更新料無料のウイルスセキュリティを販売してヒットを飛ばした。現在は業界大手のトレンドマイクロに次ぐシェアを持っているという
1996年からの創業で述べ4,000万本を販売
松田氏は「スマート留守電」を“次の常識”はを築く代表的ソフトと位置付ける

 実際に、NTTドコモ、KDDI、ソフトバンクモバイルの3キャリアと比較した場合の導入メリットを提示し、料金はスマート留守電が他社よりも10円だけ安い290円だが、留守電の保存制限および保存期間に制限がないこと、590万件の法人のデータベースと電話番号の照合を行なうこと、そして唯一留守電のテキスト化が行なえるサービスであるという強みを比較して訴えた。

留守番電話サービスの比較

 松田氏は電話機が脈々と大きな進化を遂げて来た中で、留守番電話サービスのみ昔からほとんど進化していないという問題点を指摘。留守番電話に関して一番困っていることとして、40.6%ものユーザーが「メッセージを聞くのが面倒」であるとの調査結果を示した。また、そのほかの調査結果として、留守電に保存されたメッセージをすぐに聞くかという問いでは約40%のユーザーがすぐには聞かず、その理由として60%が会議や移動中であるためと回答している。

留守電サービスに対する調査結果

 松田氏は不便さを強いられていることに慣れてしまっている現状を打破するサービスとして、スマート留守電を打ち出したいとの意向を示すとともに、2017年末までには利用ユーザーを100万人まで拡大するという目標を掲げ、同サービスに対する強い自信を見せる。

 現状は国内サービスのみだが、今後は海外での展開も視野に入れ、アメリカ、イギリス、シンガポール、台湾、オーストラリア、カナダなど、具体的な国名を挙げる。言語は、英語、中国語、スペイン語、フランス語、ドイツ語など、5カ国語以上に対応予定としている。また、スマートウォッチのFitbit Blazeに対応させると明言しており、かなり具体的な構想を持って海外展開を進めていることをうかがわせた。

 松田氏のプレゼン後には女優の剛力彩芽さんが登壇し、スマート留守電の良さを語った。剛力さんは母親からの留守電といったプライベートなことから仕事まで留守電をよく利用すると語り、仕事中などはどうしても内容を聞くことができず、後で聞こうと思っても通知が消えてしまっていて忘れてしまうことが多いといった不満や、登録されていない番号からの電話だと怖くて内容を聞きづらい、といった女性ならではの視点で現行の留守電サービスへの不満を述べた。

 そんな剛力さんは既にスマート留守電を契約済みとのことで「昔から当たり前に使っていた留守電がこんなに便利に活用できるなんて」と、スマート留守電にご満悦の様子だった。

留守電をよく使うという剛力さんはスマート留守電にご満悦だった

(中村 真司)