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日本エイサー、Android 5.1搭載のSIMロックフリースマホを国内投入

「Liquid Z530」

 日本エイサー株式会社は、OSにAndroid 5.1 Lolipopを搭載したSIMロックフリースマートフォン「Liquid Z530」を本日より予約開始し、11月13日に発売する。価格はオープンプライス。

 日本エイサーとしては初めて単体で発売するSIMロックフリーのスマートフォン。本機種を皮切りにSIMロックフリースマートフォン市場に本格参入する。第1弾のLiquid Z530は、クアッドコアCPU搭載やLTE対応、広角の前面カメラ、ハイレゾ/DTS Studio Sound対応など、高性能/高機能が特徴となっている。

 老若男女に使いやすく設計したというクイックモードを搭載。多機能なStandard Modeに加え、手軽さ重視のEasy Mode、子供向けの安全なBasic Modeの3種類を切り替えられる。タッチパネルと液晶間の隙間を取り除き、反射を抑えて色再現性を高めた「Zero Air Gap」設計を採用。液晶はIPS方式でコントラスト比が高く、太陽光下でも視認性が高いという。

 PCとシームレスな連携が可能な「AcerEXTEND」も搭載。PCと同一の無線ネットワーク内にあれば、Windows 7/8/10のPCにスマートフォンの画面を表示したり、スマートフォンの操作をしたりできる。また、撮影した写真の同期、Webリンクのコピーやペースト、さまざまな文書の共有などが可能。

 主な仕様は、プロセッサにMediaTek MT6735(1.3GHz)、メモリ2GB、ストレージ16GB、720×1,280ドット表示対応5型液晶ディスプレイ、OSにAndroid 5.1などを搭載する。

 インターフェイスは、microSDカードスロット、Micro USB、IEEE 802.11b/g/n対応無線LAN、Bluetooth 4.0+LE、800万画素前面/背面カメラ、音声入出力などを搭載。センサーはGPS、加速度、照度、近接。

 通信の対応バンドは、LTE対応がバンド700/800/1,500/1,800/2,100MHz、HSPAが800/1,700/2,100MHz、GSM/GPRS/EDGEが850/900/1,800/1,900MHz。

 本体サイズは約70.3×144×8.9mm(幅×奥行き×高さ)、重量は約145g。本体色はブラックとホワイトの2色が用意される(ホワイトは日本限定色)。

Liquid Z530(ブラックモデル)
本体背面。角ばったデザインが増える中、あえて丸みを帯びた形状を採用
日本限定のホワイトモデル
ホワイトモデルの背面。比較的シンプルだ
スピーカーが良い感じのアクセントとなっている
底面はMicro USB端子を装備
上部にステレオミニジャックを備える
子供向けのBasic Mode。ただアイコン名はそのままなので、漢字や英語表記は子供にはとっつきにくい
AcerEXTENDのデモも行なわれた

“シームレスな連携”を特徴とするAcer製品

ボブ・セン氏

 21日に都内で開かれた製品発表会では、日本エイサー株式会社 代表取締役社長のボブ・セン氏が挨拶。「Acerでは、1型(スマートウォッチなどのIoT)から100型(プロジェクタ)までの画面サイズを備えたデバイスを用意しているが、Acerの考え方を取り入れ、それぞれのデバイスがシームレスに連携することを目指している。今回投入するLiquid Z530もAcerEXTENDという仕組みを採用しており、その考え方を実現している」とした。

 また、「メディアからは“今さら日本国内のスマートフォン市場に参入するのは遅いのではないか”という声も聞かれそうだが、成熟している市場だからこそ変革が必要だと考えている。日本エイサーの参入でさらに面白くなることに期待し、市場の盛り上げに一役買いたい」と語った。

S.T. Liew氏

 Acer本社から来日したスマートプロダクト ビジネスグループプレジデントのS.T. Liew氏は「我々のチームは“スマートプロダクト”という名前で、“スマートフォン”ではないことから分かるよう、スマートフォンのみならず、IoTを含めたさまざまなデバイスの開発を行なっている。その中でコンセプトとしているのがBYOC、つまりBuild Your Own Cloud=あなただけのクラウド構築の実現だ。Acerは1型から100型まで多くのデバイスをラインナップしているが、どのデバイスを現在利用していても、シームレスな連携を実現することにより、特に使い勝手を意識する必要はない」とした。

 一方で「我々の最終ビジョンは“IoT”ではなく“IoB”、Internet of Beingsを実現することである。デバイスが相互に、そしてクラウドに繋がる、それだけでなく、それによってデバイスそのものが賢くなることを目指している。スマートデバイスから、ワイズ(賢い)デバイスになると確信している」と説明した。

 今回のZ530に搭載されたAcerEXTENDは、独自技術でPCとのシームレスな連携を実現しているし、今後投入するWindows 10 Mobile搭載スマートフォンでも、Continuumによりシームレスな連携が実現できる。AcerEXTENDもContinuumもBYOCコンセプトに則っているが、それらに比べるとIoBは遥かに先進的なビジョンであり、BYOC経過点にしか過ぎない。しかしシームレスな相互接続性を確保することは、Liew氏のチームにとって重要なテーマであり続けるという。

 Acerにとってスマートフォンを展開するのは、ヨーロッパ、中南米、南アジアに続いて日本が4つ目のリージョンとなる。Liew氏は、「ちょうどモバイルコンピューティングについて多く語られている時期で、このタイミングでの日本投入は最適だと考えている。日本ではAcerのブランドが確立されているし、サポートを含めたビジネスをしっかり継続できるチームもある」とした。

 また、製品のデザインについても、「Acer内にはデザイン専門のチームが存在し、グループ内全ての製品デザインを担当している。ユーザーに求められるデザインを製品に落とし込んで行くのが彼らの仕事。以前、日本に投入していない製品でも日本のグッドデザイン賞を受賞したことがあり、今回の製品についても自信がある。ハードウェアのみならず、ソフトウェア面でも使いやすさと美しさを追求した」と語った。

 さらに、機能面ではハイレゾオーディオに対応していることや、広角な前面カメラによりセルフィー(自分撮り)だけでなくグルーピー(複数人と一緒に撮る)を提案できることがアピールされた。加えて、ゲーミングの「Predator」シリーズのタブレットやスマートフォンも見せ、「競合他社にはない独自性のあるデザインを展開しており、これも日本市場に投入していく」とした。

BYOCという製品のコンセプト
将来ではIoTからIoBにシフトしていくだろう、というAcerのビジョン
そのためにはさまざまなデバイスがシームレスに相互接続される必要があると指摘
日本はAcerのスマートフォンビジネスにとって4つ目のリージョンとなる
Z530に自信を見せるLiew氏
Predatorブランドを冠するゲーミングAndroidタブレット
同様のデザインコンセプトを踏襲したゲーミングスマートフォン

 発表会の最後では、日本エイサー株式会社 プロダクトマネージャーの宇佐美慶基氏が、無線でスマートフォンの画面をWindows上に映し出し、Windows上から操作も可能なAcerEXTENDを用いたゲームや写真撮影のデモ、クイックモードによる用途に応じたランチャー表示を紹介。

 また、カメラアプリが音声認識に対応しており、「前面カメラ」、「裏面カメラ」と話しかけるとカメラを切り替えられ、「セルフィー」と喋るとシャッターが切れる機能を搭載していることを明らかにした。

宇佐美慶基氏
AcerEXTENDのデモ
Windows PC上でスマートフォンの画面を表示する。転送は無線LAN経由で行なわれる
PCの画面でスマートフォン側で起動した3Dゲームをプレイしているところ
フルスクリーン表示でもプレイできる
Liquid Z530の主な仕様
Liquid Z530の4つの特徴
Acerのデザインチーム
ブラックモデル。あえて丸みを帯びた筐体を採用し、持ちやすさを重視。なお、実機で持ってみても、確かに5型としては握りやすく、重量も想像以上に軽い印象だった
ホワイトモデルは日本のみの限定色
クイックモードで「Standard Mode」に設定したところ。見慣れたAndroidのランチャーである
「Easy Mode」はアイコンを大きく表示させ、年配者でも見やすいという
子供向けの「Basic Mode」。表示するアイコンを選択し、機能を限定できる
24bit/192kHz再生に対応し、ハイレゾ対応を謳う
DTS音声が入った動画にも対応する
前面カメラは広角で800万画素。音声操作にも対応する
日本エイサーの社員旅行で実際にZ530を使って撮影した写真
左から宇佐美氏、Liew氏、セン氏
発表会場ではモデルとともにセルフィー写真が撮影できた。もちろんハロウィン仕様

(劉 尭)