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東芝、紙ノートの代用を目指した世界最薄最軽量タブレット「dynaPad N72」

〜12型で厚さ6.9mm、重量579g。ワコム製ペン搭載

「dynaPad N72」

 株式会社東芝は、12型で世界最薄最軽量を実現し、ペン操作で紙のノートのように手軽かつ見やすく手書きで書き込めるWindows 10タブレット「dynaPad N72」を12月中旬より発売する。価格はオープンプライスで、税別店頭予想価格は13万円前後。

 OSを問わず一般的なタブレットがメディア視聴を主な用途にしているのに対し、Windows PCや2-in-1はOfficeなどのデスクトップアプリを活用した生産性向上のための道具として訴求されることが多い。今回、「dynabook」ではなく「dynaPad」という新しいシリーズ名を冠したdynaPad N72は、Windows PCがもたらす効率化によって生み出された余剰時間を、考えることや創造力、すなわち人間が本来やるべき仕事に費やすことを想定して開発されたという。

 その目的を具現化するうえで、実現したのが、世界最薄最軽量という持ち運び、取り回しのしやすさと、滑らかな書き心地のデジタルペン、そして情報を収集・整理整頓するための独自アプリとなる。

 タブレットの本体サイズは、約299.4×203×6.9mm(幅×奥行き×高さ)。重量は約579g。筐体素材にアルミニウムに対して比重が約半分で、曲げ強度が2.5倍のカーボンを採用し、軽量化を図った。加えて、一般的なカーボン筐体は、カーボンのカバーと樹脂のマスクを貼り合わせたものとなっているが、今回東芝は独自技術によるカーボンカバー/樹脂マスク一体構造による筐体を開発。一般的な構造の筐体に比べ4倍の剛性を実現した。

 液晶は12型で解像度は1,920×1,280(3:2)ドット。この珍しいサイズ/比率はB5ノートに合わせたものとなる。高輝度、広視野角を謳うほか、ダイレクトボンディング構造により光の映り込みを抑え、耐指紋コーティングで汚れにくくしている。

 ペンは「dynabook Tab S」シリーズなどにも採用されている、ワコムと共同開発によるアクティブ静電結合方式のものを搭載。東芝独自の最適化も施しており、小さな文字もスラスラ書けるとしている。利用しない間や持ち運びの際は、ペン上部の耳の部分を液晶右横に差し込んでくっつけることができる。

 一方、クラムシェル的に利用できるキーボードにも注力しており、小型ながら19mmのフルピッチと1.5mmのストロークを確保。ヒンジはなく、液晶の角度は固定となるが、折りたたむことも可能。折りたたみ時のサイズ/重量は約299.4×203×14.9mm(同)/約999gで、セット時も1kgを切った。なお、キーボードとはコネクタによって有線接続されており、取り付け/取り外しを検知してUIを変更するWindows 10のContinuumに対応する。

左は一般的カーボン素材。dynaPadでは、右のようにカーボンと樹脂を一体成型し、軽量化と強度の確保を両立させた
クラムシェル時とタブレット時
本体背面
本体上面
本体右側面
本体左側面
本体下面
付属のペン。この写真の右端にあるキャップは取り外してペン先にも取り付け可能

 dynabook Tab Sシリーズ同様、ペンによる手書きや、情報収集・整理整頓の効率・生産性を上げる独自アプリ「Tru」シリーズをプリインストールする。

 TruNoteは、手書きのメモ入力に特化したアプリで、1,000ページ×1,000冊を保存可能。手書き文字は、後からも色や太さなどを変更できるほか、任意の場所を表などのOffice形式、画像形式、そしてテキスト形式に変換して、他のアプリに貼り付けられる。新機能として、ノート内の画像に含まれる文字や、手書きで入力した文字に対しても、手書き文字で検索を行なえるようになった。

 TruCaptureは、ホワイトボードやメニュー、本などを本体内蔵のカメラで撮影し、保存するアプリ。白黒反転や、台形補正、本などの歪み補正、TV画面撮影時のモアレ軽減、OCRによる文字認識などの処理ができる。

 TruRecorderは、会議や授業などを録音するためのアプリ。話し手を識別する技術を搭載しており、複数人での会議などの場合は、それぞれの話し手が発言した部分がタイムラインに沿って区分けされて表示されるので、聞きたい発言を容易に見つけられるとしている。このほかの機能として、再生速度の変更や、特定の話し手だけの再生、ファイルの書き出し/世も込み機能に加え、本製品搭載のバージョンより、話し手に名前を登録すると以降は自動的に名前を付ける機能や、会話の内容から、ボイスメモ/プレゼンテーション/ディスカッション/その他を識別して、それに応じたアイコンを付ける機能を搭載した。

 新アプリとして、画面の一部を切り取ってTruNoteやOfficeなどに貼り付けするTruNote Clip、手書きのデジタルホワイトボードを複数人でリアルタイム共有するTruNote Shareが搭載された。

 TruNote Shareは、アクセスポイント経由なら事前のネットワーク設定がいるが40人まで同時参加可能。直接通信モードもあり、この場合同時に5名までが参加できるが、ネットワークの事前設定は不要となる。流れとしては、主催者が会議を作成すると、他のユーザーはTruNote Share上に会議名が見えるので、参加を押し、それを主催者が承諾する。以降は、ほぼリアルタイムで相互に同じホワイトボードに書き込んだり、修正を行なえる。こういったアプリは従来もあり、画面全体を転送するため遅延が大きかったが、TruNote Shareは書き込んだ情報だけを転送するので、遅延が少ない。

 また、各Truアプリのデータは、TruNote上に集約して保存されるようになり、OneDriveへの保存機能も加わった。加えて、iOSデバイス向けに、写真や録音データをOneDrive経由で自分のTruNoteにアップロードするTruNote Viewerアプリも新たに提供する。

 なお、ClipとShareはdynaPad以降の機種で標準搭載となるが、同製品が発売される12月以降、Shareについては他の東芝製ノートPCからもWindowsストアで無償ダウンロード可能になる予定。Clipはデスクトップアプリとなるため、他の先行機種への提供方法は検討中という。

 主な仕様は、Atom x5-Z8300(1.44GHz、ビデオ機能内蔵)、メモリ4GB、ストレージ128GB、Windows 10 Home、Office Home & Business Premium プラス Office 365サービスを搭載。インターフェイスは、IEEE 802.11ac/a/b/g/n無線LAN、Bluetooth、Micro USB×2、Micro HDMI、microSDカードスロット、200万画素前面カメラ、800万画素背面カメラに加え、TransferJetを装備する。

 法人向けにも「dynaPad S92/T」として12月中旬より発売。基本仕様は個人向けと同じだが、キーボードドック、TransferJet、Officeの有無を選択できる。また、付属のTruNoteは機能限定の無償版となり、全機能を利用するには有償版をWindowsストアで購入する。

【11月18日訂正】メーカーより一部仕様が訂正されました。

(若杉 紀彦)