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アクロニス、容量無制限のクラウドアーカイブ機能搭載のバックアップソフト
~モバイルデバイスのバックアップ、バックアップ処理の遠隔指示に対応
(2015/9/9 20:31)
アクロニス・ジャパン株式会社は、PCデータバックアップソフトウェア「Acronis True Image」シリーズの最新版となる「Acronis True Image 2016」および「Acronis True Image Cloud」のダウンロード版を発売した。両製品ともにパッケージ版は9月11日より発売予定。
9日に都内で開かれた製品発表会には、米Acronis最高経営責任者のセルゲイ・ベロウゾフ氏、アクロニス・ジャパン株式会社代表取締役の大岩憲三氏、同社リージョナルプロダクトマネジャーの古館與章氏らが登壇し、挨拶および製品解説、デモンストレーションを行なった。
Acronis True Image 2016
Acronis True Image 2016は、ファイル/フォルダ単位から、システム全体、ディスクまたはパーティション単位のバックアップまで対応するソフトウェアで、バックアップ/リストア機能だけでなく、バックアップ元とは別のPCへ丸ごとシステムを移行できる「Universal Restore」機能、システム障害などでOSが起動しない場合でもCDやUSBメモリからTrue Imageを実行できるブータブルメディア機能などを搭載する。
ラインナップおよび税別価格は、PCまたはMac 1ライセンス版(ダウンロード販売のみ)が4,980円、PCおよびMac 3ライセンス版が7,980円。アップグレード版(ダウンロード販売のみ)はそれぞれ2,980円、4,980円。
今バージョンでは、Windows 10とMac OS X 10.10.2以降に対応したほか、前バージョンからバックアップ/リストア作業時間を短縮し「競合製品より最大50%高速」を謳うほか、システム変更時やアプリケーションの追加を行なう際、実作業前に専用領域で動作テストを行なえる「Try&Decide」機能が復活。「多くのユーザーからの要望に応え、機能を復活させた」という。
バックアップデータを暗号化する場合は、AES256による暗号化が行なわれ、暗号化したバックアップデータは、ユーザーが設定したパスワードでのみ復号化可能で、「万が一パスワードを紛失した場合、Acronisでも復号化はできない」という。
対応OSはWindows Home Server 2011/XP/7/8/8.1/10、Mac OS X 10.8.5以降で、Mac OS X 10.11.x(El Capitan)についても今後サポート予定とのこと。ファイルシステムは、WindowsではFAT16/FAT32/NTFS/Ext2/Ext3/Ext4/ReiserFS/Linux SWAP、Mac OSではHFS+と読み取り専用でFAT32/exFAT/NTFSに対応する。
Acronis True Image Cloud
Acronis True Image Cloudは、Acronis True Image 2016の全機能に加え、クラウドへのバックアップやモバイルデバイスのバックアップに対応したソフトウェア。
販売はサブスクリプション方式で、年間ライセンスを購入する形となる。ラインナップおよび税別価格は、PCまたはMac 1+モバイルデバイス3ライセンス版が9,980円、同ライセンスのアカデミック版(ダウンロード販売のみ)が7,480円、PCおよびMac 3+モバイルデバイス10ライセンス版(ダウンロード販売のみ)が15,980円、PCおよびMac 5+モバイルデバイス15ライセンス版が19,980円。アップグレード版(ダウンロード販売のみ、アカデミック版は無し)はそれぞれ6,980円、11,980円。なお、契約期間中でも上位ライセンスへ移行することもできる。
対応OS/ファイルシステムは、Acronis True Image 2016同等+iOS 8.x以降、Android 4.4.x以降。
本ソフトウェアは「Acronis True Image 2015 Unlimited for PC and Mac」の後継バージョンにあたり、100以上の新機能を搭載するという。
発表会では、モバイルデバイスのバックアップ対応、複数デバイスの一元管理画面の提供、クラウドアーカイブ機能、クラウド最適化が大きな新機能であるとしてセルゲイ氏による解説が行なわれた。
モバイルデバイスのバックアップについては、iOS/Androidデバイスの写真/動画/連絡先/カレンダー/リマインダ/テキストメッセージ(Androidのみ)のバックアップに対応。クラウドにバックアップしているため、リカバリも場所を問わず可能なほか、AndroidからiPhoneなど、OSを跨いだ別デバイスへの移行にも対応しているという。今後Windows Phoneにも対応予定とのことだった。
複数デバイスの一元管理については、Webブラウザで閲覧可能な管理画面(ダッシュボード)を提供し、PCやスマートフォンなどデバイスを問わず、それぞれのバックアップデータを見ることが可能というもの。遠隔操作によるバックアップ操作も対応しているという。
クラウドアーカイブ機能は、容量無制限のファイルアーカイブ機能。サイズの大きなファイル、利用頻度の低いファイル(コールドデータ)をクラウドに移すことで、ローカルストレージの容量を節約できるとする。アーカイブされたファイルは、OSのエクスプローラからマウントされたドライブとして閲覧可能なほか、Web画面から種類/日時/サイズなどで検索可能。検索条件は今後随時追加していくという。
クラウド最適化については、前述のAES256によるファイル暗号化と、データセンターとの通信経路の暗号化によりセキュアなアクセスを実現しているとしたほか、ソフトウェア側の最適化や日本国内のデータセンターへバックアップすることで、アップロード速度の高速化を可能としたとアピール。データセンターは現在9カ国14カ所に設置されており、今後は東京に加えて北海道や大阪エリアへの追加設置を検討しているという。