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富士通、Android 4.4搭載の作業支援用ヘッドマウントディスプレイ

~音声コマンドで操作可能。映像の記録も

「FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE ヘッドマウントディスプレイ」

 富士通株式会社は5月11日、「FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE ヘッドマウントディスプレイ」を発表した。発売は5月11日で、価格はオープンプライス。

 FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE ヘッドマウントディスプレイ(HMD)は、片目用・非シースルー形状のHMDで、カメラやマイク、加速度センサーなどを搭載する。音声コマンドによる操作、映像記録などに対応し、工場や高所作業などの作業現場において、ハンズフリーな作業支援を行なうための製品となっており、MIL-STD 810G準拠の耐久性、IPX5/IPX7相当の防水、IP5X相当の防塵性能により「現場で確実に使える」としている。

 主な仕様は、ディスプレイが0.4型FWVGA(854×480ドット)で、装着時の仮想画面サイズは15型相当。CPUはAPQ8026(1.2GHz)、メモリは2GB、ストレージは8GBとなっている。OSにAndroid 4.4を採用し、通信機能は無線LAN(IEEE 802.11a/b/g/n)、Bluetooth 3.0。外部インターフェイスはMicro USB、microSDカードスロット、ステレオミニジャック。バッテリ駆動時間は約4時間で、重量は約315g。BluetoothおよびMicro USB接続が可能なウェアラブルキーボードが付属する。

オペレータによる作業支援のデモ
HMDを装着し作業支援を受けるデモ
前面部
側面部
付属キーボード

 製品の発表に合わせ、同社は都内で「ユビキタスプロジェクトビジネスグループ IoT端末発表会」を開催。登壇した同社 執行役員常務 ユビキタスプロダクトビジネスグループ長 齋藤邦彰氏は、同社のIoTビジネスへの取り組みについて語り、これまで培ってきた「ヒューマンセントリックエンジン」による"人"を中心としたセンシング技術、セキュリティ技術を活用していきたいとした。

 同発表会では、ヘッドマウントディスプレイにも搭載されている各種センサーとデータ解析用マイコン、無線通信機能をモジュール化したコアモジュールと、センサーを活用するミドルウェアで構成されたIoTパッケージ「FUJITSU IoT Solution UBIQUITOUSWARE(以下、ユビキタスウェア)」の発表も行なわれた。

 パッケージとしての販売も行なうとしつつ、具体的な活用例としてヘッドマウントディスプレイ以外の組み込み済み製品も今年末に提供する予定としており、発表会では、ユビキタスウェアを採用し、装着者の運動量や転倒などを検知可能なリストバンド型の「バイタルセンシングバンド」や、同社独自の移動経路推定技術(PDR)による測位が可能な「ロケーションバッジ/タグ」、生活音を学習し音声のみで高齢者の安否確認などを行なえる「遠隔見守りステーション」、ペットのリアルタイム撮影や活動状態変化の通知などを行なえる「ペット見守りトータルソリューション」などの展示が行なわれていた。

 また今回展示されていた製品群は、5月14日から東京国際フォーラムで開催予定のプライベート展示会「富士通フォーラム2015」でも展示される。

富士通株式会社 執行役員常務 ユビキタスプロダクトビジネスグループ長 齋藤邦彰氏
ヒューマンセントリックIoT
ユビキタスウェアの商品構成
温湿度、運動量、パルス数の計測や、気圧・加速度変化も検知する「バイタルセンシングバンド」
屋内ではPDR、屋外ではGPSを利用することで、屋内外問わず高精度な測位を行なえるという「ロケーションタグ」
プライバシーに配慮し、映像ではなく音声のみで生活状態の変化が把握可能な「遠隔見守りステーション」。湿温度センサーによる熱ストレス推定も可能。

(佐藤 岳大)