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NASA、国際宇宙ステーションで3Dプリンタによる造形物を作成
(2014/11/26 12:38)
米航空宇宙局(NASA)は25日(現地時間)、国際宇宙ステーション(ISS)において、3Dプリンタによる初めての樹脂立体物造形を完成させたことを発表した。
NASAの発表によれば、宇宙飛行士であるバリー・“ブッチ”・ウィルモア氏が17日に3Dプリンタを設置し、補正用の最初のテストプリントを実行。続いて20日に、最初のテストプリントを基に補正を施したプリントを地上側の操作チームが送ったコマンドによって実行した。
そして、24日に最初のプリント品を製造するためのコマンドを地上チームが送信。25日朝にウィルモア宇宙飛行士が取り出して点検したところ、予想以上にトレイの一部の粘着力が強かったほか、微小重力において層の結合具体が異なることを確認。ウィルモア宇宙飛行士は改めて新しいプリントトレイを設置して、地上チームが調整済みコマンドを送信し、造形を行なった。今後も多くのプリントを行なうことで調整方法と結果の影響についての知見を集めるほか、造形物を地上に持ち帰ることで、地球上と微小重力空間における造形物の違いについて分析できるとしている。
こうした微小重力/無重力空間における3Dプリンタ利用の研究は、重大なトラブルに対して、必要な補修部材をその場で製作できるようになることを目的としており、火星や小惑星の探査のような、より長い時間をかけるミッションも視野に入れたもの。究極的には3Dプリンタにより別の3Dプリンタを作ることも可能になるとしている。